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ソース製造委託を成功させるために
自社ブランドのソース開発を検討しているものの、製造設備への投資や専門技術の確保に不安を感じていませんか。
食品OEM市場は日本国内で堅調に拡大しており、特に中小規模のブランドや新規参入企業にとって、初期投資を抑えながら製品化できるOEMは重要な選択肢となっています。健康志向の高まりやEC市場の拡大により、小ロット・多品種生産への対応が求められ、柔軟な生産体制を持つOEM企業の価値が高まっているのです。
しかし、OEMパートナー選びを誤ると、品質トラブルや納期遅延など、ブランドの信頼性を損なうリスクがあります。本記事では、ソース製造を委託する際の具体的な手順とポイントを解説し、安心して製造委託できるパートナー選びのノウハウをご紹介します。
OEM委託の基本を理解する
ソース製造を外部に委託する前に、OEMの仕組みを正しく理解しておくことが重要です。
OEMとは「Original Equipment Manufacturing」の略称で、委託者のブランドで販売される製品を受託者が製造する形態を指します。食品業界においては、委託者が商品の企画や仕様、レシピを決定し、その指示に基づいて受託者である製造工場が生産を担います。

OEMとODMの違いを把握する
製造委託には、OEMのほかに「ODM」という形態があります。ODMは「Original Design Manufacturing」の略で、製造だけでなく企画・設計からすべて委託することを指します。一方、OEMは製造のみを委託するため、企画・設計は委託側である自社が行います。
ソース開発において、独自のレシピやコンセプトを持っている場合はOEM、企画段階から専門家のサポートが必要な場合はODMを選択するとよいでしょう。近年では、市場調査から商品企画、パッケージデザイン、販売支援までトータルでサポートする企業が競争力を高めています。
製造委託のメリットを活かす
ソース製造をOEMに委託する最大のメリットは、製造設備を新たに保有しなくても自社ブランド商品の販売が可能になり、初期投資や固定費を抑制できる点です。小ロット生産に対応できる受託先を選べば在庫リスクを低減しつつ柔軟な商品展開が行えます。
また、受託先のノウハウを活用することで自社に開発部門がなくても短期間で市場投入を行うことが可能です。結果として、商品企画やマーケティングなどコア業務に人員・資金を集中できる点も大きな魅力といえるでしょう。
信頼できるOEMパートナーの選定基準
OEM企業選びは、製品の品質を左右する重要なポイントです。
サプリメント製品の開発製造では、安心安全な製品づくりができる体制を整えているOEM企業を選ぶことが大切になります。その理由は、製品の品質に影響するため、開発製造コストに直結するため、ブランドの信頼性を左右するため、量産後のトラブルリスクを回避できるためです。
製造実績と取引先事例を確認する
製造実績や取引先案件の多さは、その企業の信頼性の証です。多様な剤形やジャンルでの実績があれば、企画段階から適切なアドバイスがもらえます。特に大手企業や機能性表示食品の納入経験があれば、品質・生産体制の信頼度が高く、トラブル時のスピーディーな対応も期待できます。
ソース製造においても、同様の考え方が適用されます。カレーやレトルト食品、調味料など、類似製品の製造実績が豊富な企業であれば、ソース特有の課題にも対応できる可能性が高いでしょう。

認証取得と品質管理体制をチェックする
GMPやFSSC22000などの認証取得工場は、原料受け入れから製造・出荷まで一貫した品質管理体制を構築しています。そのため、清潔な製造環境、手順の標準化、異物混入防止など、安全性が高く安定した製品を提供してもらえることが期待できます。
特に近年では、食品の安全性の向上が叫ばれています。消費者の安心感を得るためにも、企業選びでは各種認証を取得している工場を保有しているかどうかチェックしましょう。FSSC22000、HACCPなどの国際的な食品安全管理システムの認証取得が標準化しつつあります。
提案力とサポート体制を評価する
単なる製造受託ではなく、商品企画段階から提案があるかも企業を選定する際のポイントです。成分配合や剤形選定、差別化ポイントなど、専門的なアドバイスを貰える企業であれば、初めてソースを開発するケースでも安心できます。
また、パッケージの提案や、機能性表示の届出手続きまで対応可能かどうかもチェックポイントと言えます。複数のOEM企業と発注企業をマッチングするプラットフォームサービスが登場しており、小規模事業者でも適切なOEM企業を見つけやすくなっています。
試作から量産への移行プロセス
ソース製造の委託は、試作段階から慎重に進める必要があります。
原料調達から試作、量産、出荷まで、様々な工程を踏んで行われます。これらスケジュールの管理が徹底されている企業は信頼性が高いです。定期的に進捗を報告してくれるか、遅延したときは代替策を提示してくれるか確認しましょう。
試作段階での品質確認
試作では、レシピ通りの味や粘度、色合いが実現できるか確認します。ソースの場合、加熱処理による風味の変化や、保存期間中の品質変化なども重要なチェックポイントです。
試作から量産への移行では、製造ロットが大きくなることで品質にバラつきが生じる可能性があります。そのため、小ロットでの試作を繰り返し、安定した品質を確保できることを確認してから量産に移行することが重要です。

量産体制の確認と調整
量産に移行する際は、製造ラインの稼働状況や、原材料の安定供給体制を確認します。特にソースの場合、季節によって原材料の品質や価格が変動する可能性があるため、代替原材料の開発なども必要とされています。
また、定期購入型のサブスクリプションサービスが増加する中、安定した品質で継続的に供給できるOEM企業へのニーズが高まっています。柔軟な生産調整能力が求められているのです。
納期とコストの管理
明朗会計を意識している企業であれば、快く承諾し、各費用を提示してくれるでしょう。コストが明確かどうかは、企業選定の重要なポイントです。
納期やスケジュール管理がしっかりしているかも確認が必要です。そのような企業であれば、安定した製品供給を期待できるため、販売チャンスを逃さずに済みます。エネルギーコストの上昇、円安による輸入原材料の高騰など、コスト面での課題が深刻化しています。価格転嫁の交渉や、代替原材料の開発などが必要とされています。
品質管理と法規制への対応
ソース製造では、品質管理と法規制への対応が不可欠です。
食品表示法の改正、アレルゲン表示の厳格化、栄養成分表示の義務化など、規制が強化される中、正確な対応が求められています。トレーサビリティシステムの導入により、原材料から製品までの履歴管理を徹底する企業が増えています。
HACCP認証の重要性
HACCPは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略で、食品の安全性を確保するための衛生管理手法です。原材料の受け入れから製造、出荷まで、すべての工程で危害要因を分析し、重要管理点を設定して管理します。
2021年6月からは、すべての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務化されています。そのため、HACCP認証を取得している工場を選ぶことは、法令遵守の観点からも重要です。
食品表示の正確性を確保する
食品表示は、消費者が商品を選択する際の重要な情報源です。原材料名、内容量、賞味期限、保存方法、製造者名など、法律で定められた項目を正確に記載する必要があります。
特にアレルゲン表示は、消費者の健康に直結する重要な情報です。原材料だけでなく、製造ラインでの混入リスクも考慮し、適切に表示することが求められます。OEM企業が食品表示のサポートまで行ってくれるかどうかも、選定の重要なポイントです。

トレーサビリティの確立
トレーサビリティとは、製品の原材料の調達から製造、流通、販売まで、すべての過程を追跡できる仕組みです。万が一、製品に問題が発生した場合でも、迅速に原因を特定し、対象製品を回収できます。
原材料の産地表示、アレルゲン情報の明示、栄養成分の詳細表示など、情報開示への要求が高まっており、トレーサビリティシステムの整備が重要になっています。製造記録の保管や、成分分析の実施など、法規制への対応力が重要です。
注意すべきOEM企業の特徴
OEM企業の中には注意すべき企業もあります。
連絡がなかなか返ってこない、返答内容が曖昧または一方的という場合は注意が必要です。開発スピードに支障をきたし、トラブル発生時の対応にも不安が残ります。信頼できる企業は、迅速かつ丁寧なコミュニケーションを心がけています。
コミュニケーションの部分で不安に思った企業は見送るのがおすすめです。また、極端に安い見積もりを提示する企業も注意が必要です。品質管理や衛生管理にコストをかけていない可能性があり、結果的に品質トラブルにつながるリスクがあります。
OEM委託前に整理すべき要件
OEM企業にソース製造を依頼する前に、自社内で製品の方向性や開発条件を明確にしておくと、製品化までの流れがスムーズになります。
どんなソースを作りたいのかを明確にし、ターゲットとなる顧客層や製品コンセプトを具体化しましょう。また、希望する容器形態や使用したい原材料、求める品質レベル、想定の予算、希望のロット数も整理しておくと、製品の要件がまとまります。結果、OEM企業との打ち合わせや見積もりがスムーズになります。
環境配慮型パッケージの採用、フードロス削減、エシカル原料の使用など、持続可能性を重視した製品開発が増えています。OEM企業側も、環境対応型の包装資材や、規格外農産物の活用など、サステナビリティに配慮した提案力が求められています。
まとめ:パートナー選びが成功の鍵
ソース製造の委託を成功させるには、信頼できるOEMパートナーの選定が最も重要です。
製造実績や認証取得状況、提案力、コミュニケーション能力など、多角的な視点で評価することが大切です。試作から量産への移行プロセスを慎重に進め、品質管理と法規制への対応を徹底することで、消費者に安心して提供できる製品を開発できます。
食品OEM市場は、技術革新とサービスの高度化により、さらなる成長が期待されます。単なる製造代行から、ブランドの成功を支えるパートナーとしての役割が一層重要になると考えられます。環境対応、デジタル化、多様性への対応など、社会的要請に応えながら、食の未来を支える産業として発展していくでしょう。
自社ブランドのソース開発を検討している方は、本記事で紹介したポイントを参考に、最適なOEMパートナーを見つけてください。信頼できるパートナーとの協力関係が、ブランドの成功への第一歩となります。
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