ノベルティ在庫が「お荷物」になる前に
「イベント用に作ったノベルティが1,000個余っている」「倉庫の一角がノベルティの段ボールで埋まっている」――こうした悩みを持つ担当者は少なくありません。ノベルティは多めに作ったほうが単価が下がるため、つい大量発注してしまいがちです。
しかし、余った在庫はスペースを圧迫し、長期保管で劣化するリスクもあります。せっかく予算をかけて作ったグッズが、最終的に廃棄されてしまっては本末転倒です。
この記事では、ノベルティの余剰在庫を出さないための発注計画の立て方と、効率的な在庫管理のポイントをお伝えします。
余剰在庫が発生する3つの原因
原因1: 需要予測の甘さ
「去年の展示会は500人来たから、今年は同じくらいだろう」と安易に考えて発注すると、実際の参加者数が予想を下回った場合に大量の在庫が残ります。
イベントの規模や集客力は毎年変動します。天候、競合イベントとのバッティング、社会情勢など、来場者数に影響する要因は多岐にわたります。
原因2: ロット割引の誘惑
ノベルティの制作費は、発注数が多いほど1個あたりの単価が下がります。「500個だと1個120円だけど、1,000個なら1個80円」と言われると、つい多いほうを選んでしまいがちです。
しかし、使い切れない500個分のコスト(80円 x 500個 = 40,000円)に保管スペースの費用や廃棄リスクを加えると、実質的にはそこまでお得ではないケースも多いのです。
原因3: 計画の属人化
発注担当者が変わると、過去の発注量や消費ペースの情報が引き継がれず、同じアイテムを重複発注してしまうことがあります。在庫管理が特定の担当者の記憶に頼っている状態は、非常にリスクが高いです。
適正ロット数の決め方
ステップ1: 年間の配布計画を立てる
まず、1年間でどのイベント・場面でノベルティを配布するかを洗い出します。以下のような一覧表を作りましょう。
- 4月: 新年度挨拶回り → 100個
- 6月: 展示会A → 300個
- 9月: 展示会B → 250個
- 11月: 年末ご挨拶 → 150個
- 通年: 来社対応 → 月10個 x 12ヶ月 = 120個
合計: 920個
この合計に「予備」として10〜15%を上乗せした数量が、年間の適正ロットの目安です。上記の例なら、920 x 1.15 = 約1,058個、つまり1,000〜1,100個程度が適正ということになります。
ステップ2: 単価とのバランスを見る
年間必要数がわかったら、発注ロットごとの見積もりを取ります。仮に以下のような見積もりだった場合を考えます。
- 500個: 1個あたり150円 → 総額75,000円
- 1,000個: 1個あたり100円 → 総額100,000円
- 2,000個: 1個あたり75円 → 総額150,000円
年間必要数が約1,000個なら、1,000個ロットを選ぶのが合理的です。2,000個ロットは単価が安くなりますが、余る1,000個の保管コストと廃棄リスクを考えると、総コストは高くつく可能性があります。
ステップ3: 分割発注を検討する
年間必要数を一度にまとめて発注するのではなく、半期や四半期ごとに分けて発注する方法もあります。
分割発注のメリットは、需要の変動に対応しやすいこと。上半期の実績を見て下半期の発注量を調整できるため、余剰在庫のリスクが下がります。
デメリットは、1回あたりの発注数が減るため、単価が上がる場合があること。ただし、版代(印刷の版を作る費用)は初回のみ発生するケースが多いので、2回目以降は版代分のコストが浮きます。
在庫管理の実践テクニック
在庫管理表を作る
ExcelやGoogleスプレッドシートで、以下の情報を管理する在庫管理表を作りましょう。
- アイテム名
- 発注日
- 発注数量
- 納品日
- 現在の在庫数
- 配布履歴(日付・数量・イベント名)
- 保管場所
- 使用期限(食品系の場合)
この表を月次で更新するだけで、在庫状況の可視化ができます。四半期ごとに棚卸しを行い、実際の在庫数と帳簿上の数を照合するとさらに精度が上がります。
先入れ先出し(FIFO)を徹底する
複数ロットの在庫がある場合は、古いロットから先に使う「先入れ先出し」を徹底しましょう。段ボール箱に納品日を大きく書いておくと、現場での判断がスムーズです。
特に食品系のノベルティや、季節性のあるアイテム(うちわ、カイロなど)は、使用期限や旬を過ぎると配布できなくなります。
保管環境に気をつける
ノベルティの保管場所は、直射日光・高温多湿を避けた環境が基本です。特に以下のアイテムは保管環境の影響を受けやすいです。
- タオル・布製品: 湿気でカビが発生するリスク
- 食品: 高温で品質劣化、消費期限切れ
- プラスチック製品: 直射日光で変色・変形
- 電子機器: 高温でバッテリー劣化
- 紙製品: 湿気で波打ち、変色
オフィスの空いたスペースに段ボールを積んでおくだけでは、劣化リスクが高まります。温度・湿度が管理された倉庫や、レンタルスペースの活用も検討しましょう。
余剰在庫の活用法
計画的に発注しても、どうしても在庫が余ってしまうことはあります。そんなときの活用法をいくつか紹介します。
社内配布に切り替える
社員向けの福利厚生品として配布する方法です。名入れ済みのタンブラーやエコバッグは、社員が普段使いすることで「歩く広告」にもなります。
別のイベントに流用する
イベント名や日付が入っていないデザインのノベルティであれば、別のイベントでの配布に流用できます。発注時に「汎用デザイン」にしておくと、流用しやすくなります。
取引先への訪問手土産にする
営業担当者の訪問時に手渡すちょっとした手土産として活用できます。名刺交換だけでは印象に残りにくい場面でも、ノベルティがあると会話のきっかけになります。
寄付・社会貢献活動に活用する
NPOや地域の福祉団体に寄付することで、社会貢献活動の一環としてCSR報告書にも記載できます。ただし、自社名が大きく入ったアイテムは寄付先に迷惑をかける場合もあるので、事前に確認しましょう。
発注計画のPDCAサイクル
在庫管理の精度を高めるためには、PDCAサイクルを回すことが重要です。
Plan(計画)
年間の配布計画を策定し、アイテムごとの必要数量と発注時期を決定します。
Do(実行)
計画に基づいて発注し、納品・保管・配布を実施します。
Check(確認)
四半期ごとに在庫数を確認し、計画との差異を分析します。余剰が出た場合は原因を特定します。
Act(改善)
分析結果を次回の計画に反映します。余剰が多かった場合は発注数を減らし、不足した場合は予備の割合を増やします。
このサイクルを1〜2年回すと、自社にとっての適正ロットが高い精度で把握できるようになります。
まとめ:計画的な発注が在庫問題を解決する
ノベルティの在庫問題は、事前の計画次第で大幅に改善できます。年間の配布計画を立て、適正ロットを見極め、在庫管理表で状況を可視化すること。この3つを実践するだけで、余剰在庫に悩まされることは大きく減るはずです。
また、発注時に「汎用的なデザイン」を選ぶことで、余った場合の流用がしやすくなります。ノベルティは作って終わりではなく、配布し切るまでが一つのプロジェクトだと考えてみてください。
ノベルティの窓口では、お客様の年間計画に合わせた最適ロットのご提案や、分割発注のご相談にも対応しています。在庫管理でお悩みの際はお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q1: ノベルティの適正な予備率はどのくらいですか?
A1: 一般的に10〜15%が目安です。例えば、イベントの想定来場者が300人なら、330〜345個程度を発注します。過去のイベントで来場者数のブレが大きかった場合は、20%程度まで上げても良いでしょう。
Q2: 分割発注すると版代は毎回かかりますか?
A2: 多くの制作会社では、初回発注時に作成した版を保管しておくため、2回目以降は版代がかからないケースが一般的です。ただし、保管期間に制限がある場合もあるので、事前に確認しましょう。
Q3: 余ったノベルティを廃棄する場合の注意点はありますか?
A3: 自社名やロゴが入ったノベルティをそのまま一般ゴミに出すと、第三者に拾われてブランドイメージの毀損につながるリスクがあります。シュレッダーにかけるか、産業廃棄物業者に依頼して適切に処分しましょう。
Q4: 在庫管理を外部に委託することはできますか?
A4: はい。物流倉庫や配送代行サービスの中には、ノベルティの在庫管理・配送まで一括で対応してくれるところもあります。拠点が複数ある企業や、頻繁にイベントを開催する企業には特に有効です。月額数千円から利用できるサービスもあります。

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