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ASI「2026年版広告接触効果調査」5つの重要発見——ノベルティ広告は費用対効果でTV・SNSを凌駕、サステナビリティ重視も加速

米国プロモーショナルプロダクツ業界最大の業界団体ASI(Advertising Specialty Institute)が2026年版の「Ad Impressions Study(広告接触効果調査)」を発表した。毎年恒例の本調査は、ノベルティ・販促品が広告メディアとして持つ効果を定量的に測定したもの。今年も消費者行動の変化を捉えた重要なデータが明らかになった。

目次

5つの重要発見

1. Tシャツが売上首位、しかし消費者人気は別カテゴリ

業界売上の観点では、Tシャツが43億ドル(業界全体の16.1%)を占め引き続き首位を維持している。しかし消費者の「最も好きなノベルティ品」では、フリースジャケットとフードギフト(食品・飲料系)がより高い支持を得ている。市場規模と消費者好感度のギャップは、まだ成長余地が残るカテゴリが存在することを意味する。

2. 広告接触あたりコストが驚異的な低水準

ノベルティは「保有期間中に継続的に接触が生まれる」という特性から、他のメディアと比較してコスト効率が際立つ。

商品価格帯想定接触回数接触1回あたりコスト
トートバッグ約600円約5,000回約0.12円
野球帽約1,300円約3,400回約0.38円

TV広告やSNS広告と比較しても遜色ない——あるいは凌駕する——費用対効果が実証されている。

3. 「実用性」がノベルティ保有の最大の理由

米国消費者の78%が「役に立つから」ノベルティを保有し続けると回答した。機能性を持たない「もらっても困るグッズ」は捨てられやすい。一方で実用的な製品——エコバッグ、スマホグッズ、傘、テクノロジーアクセサリーなど——は長期保有につながり、ブランド露出の期間も延びる。

4. サステナビリティ・国内製造への好感度が過去最高水準に

今回の調査で特に注目すべき変化は、サステナブル素材・国内製造・社会的責任を持つ生産への好感度が過去最高水準を記録したことだ。前年比でも明確な上昇傾向が見られる。

環境意識の高まりを受け、企業がノベルティ選定の際に「エコ素材かどうか」「サプライチェーンの透明性」を重視する傾向が強まっている。

5. 消費者の79%が「ノベルティをもらった後に好感度が上昇」

米国消費者の79%が「プロモーショナルプロダクトを受け取った後に、その提供企業への好感度が高まった」と回答。TV・SNS・ラジオなど他のあらゆる広告媒体と比較して、ノベルティは「好感度向上」における最高スコアを記録している。

日本のノベルティOEM業界への影響

米国のデータは日本市場においても示唆に富む。特に次の3点は、国内のノベルティOEM企業が検討すべき方向性だ。

  1. 機能性・実用性の高い製品への特化:「もらって使える」ノベルティの製造に注力することで、クライアント企業からの継続受注につながる。充電器、マスクケース、エコバッグなどは保有率・露出率が高い。
  2. サステナブル素材ラインの整備:リサイクル素材・オーガニック素材・日本製を訴求できる製品ラインナップは、ESG経営を推進する企業の調達ニーズに直結する。
  3. フードギフト・食品系ノベルティの可能性:調査で消費者人気の高かった「フードギフト」カテゴリは、日本においても差別化の余地が大きい。地域特産品・健康食品を活用したオリジナルノベルティは、他社との差別化要素になりうる。

まとめ

ASIの2026年版調査は、ノベルティ・販促品が広告媒体としての有効性を改めて証明した。特に「78%が実用性を理由に保有」「79%が受け取り後に好感度向上」という数字は、企画段階でのコンセプト設計に直接活用できる根拠だ。

サステナビリティへの関心増大と価格上昇プレッシャーが同時進行する2026年は、ノベルティ業界にとって「品質と価値の再定義」が求められる転換点でもある。実用性・環境配慮・ブランド訴求力の三拍子を揃えた製品設計こそが、次の成長を掴む鍵となるだろう。

参照:ASI「2026 Ad Impressions Study: 5 Compelling Takeaways」(2026年3月)

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この記事を書いた人

小島 怜のアバター 小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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