MENU

ファミマが発券と引換を翌週にずらした、天然水がもらえる再来店の仕掛け

トップ業界ニュース業界ニュース
業界ニュース
2026.09.11
・読了目安 6分

ファミマが発券と引換を翌週にずらした、天然水がもらえる再来店の仕掛け

ファミマが機能性茶を1本140円で売り、発券と引換を別々の週に分けた。1回の購入から再来店を促す二段構えの狙いを、販促担当の視点で読み解く。

ファミリーマートが2026年9月8日、機能性表示食品の緑茶とほうじ茶を1本買うと、後日「サントリー天然水 1L」が1本もらえるキャンペーンを全国約16,500店で始めた。1回の会計で完結させず、クーポンを受け取る週と商品を引き換える週を分けているのがこの施策の芯だ。販促の担当者にとっては、来店1回あたりの単価をどう積むかという日々の課題に、別角度の答えを見せてくれる事例になる。

買って終わりではなく、もう一度足を運ばせる。その一手間を客に負わせて成立させている点を、以下で分解していく。

目次

濃い緑茶とほうじ茶を1本、天然水1Lは翌週の引換

対象は「伊右衛門 毎日すこやか濃い緑茶」と「伊右衛門 毎日すこやか濃いほうじ茶」の2種。いずれも税込140円(本体130円)で、緑茶は茶カテキン、ほうじ茶は難消化性デキストリンを機能性関与成分とする機能性表示食品だ。これを買うと、後日「サントリー天然水 1L」が1本もらえる。

肝は期間の切り方にある。発券期間は9月8日(火)から9月14日(月)まで、引換期間は9月15日(火)から9月21日(月)まで。引換週が発券週の翌週に置かれ、天然水を手にするには最低でももう一度店に戻る動線が組み込まれている。全体はファミリーマートの「おトクが、止まらない45周年大感謝祭」の一部として展開されている。

発券と引換の週を分けると店に何が起きるか

同じ「買ったら1本もらえる」でも、その場で2本目を渡すやり方と、後日引き換えさせるやり方では、店に生まれる行動がまるで違う。前者は1回の会計で完結する。後者は購入という約束の履行を後日に持ち越し、客の予定表に「引き換えに行く」という用事を1件書き込ませる。

2回目の来店に会計を乗せる狙い

この設計の狙いは、天然水を受け取りに来た2回目の来店そのものにある。水を取りに来た客が水1本だけで帰るとは限らず、昼どきならおにぎりやパン、帰り道なら夕飯の総菜や飲み物が、ついでにかごへ入る余地が生まれる。もらえる1本を呼び水にして、2回目の来店を新しい会計の機会に変える組み立てだ。1回の購入を起点に、来店の回数を1回から2回へ増やしている構造そのものが、この施策の骨格になっている。

機能性茶ならではの試飲導線

対象が菓子ではなく機能性表示食品の茶である点も効いている。緑茶の1日摂取目安量は1200ml(600mlボトル2本)、ほうじ茶は600mlと、続けて飲むことを前提にした商品だ。1本目で味と飲み心地を確かめた客が、天然水を取りに来た2回目でもう1本手に取ることも見込める。単発の景品配布ではなく、継続飲用の入り口として140円の1本を差し出している構図として読める。

税込140円と天然水、確定した数字だけを並べてみる

ここでは公表された事実に限って、条件を整理する。確定している数字だけを並べると、設計の骨格が見えてくる。

項目 内容
対象商品 伊右衛門 毎日すこやか濃い緑茶 / 濃いほうじ茶
価格 税込140円(本体130円)
引換商品 サントリー天然水 1L(1本)
発券期間 2026年9月8日(火)〜9月14日(月)
引換期間 2026年9月15日(火)〜9月21日(月)
実施店舗 全国約16,500店
商品区分 機能性表示食品(緑茶=茶カテキン / ほうじ茶=難消化性デキストリン)

期間が前半7日・後半7日で対称に組まれている点に目を留めたい。発券の週で母数を集め、引換の週でその母数を店頭へ呼び戻す。前半で仕込み、後半で回収する二段構えが、日付の区切り方だけで表現されている。

買う日ともらう日をずらす発想は他社の企画にも見える

時間や日程をずらして客との接点を複数作る発想は、この1件にとどまらない。ファミリーマートとセブン-イレブンがルックチョコ3個購入でACEesのステッカーを配った施策では、両社が配布日を互いにずらして客の巡回を作った。こちらは購入者本人を後日呼び戻すのではなく企業間で日付を割った例で、仕組みは異なるが、日付をずらして接点を増やすという発想は今回の発券・引換の分離とまっすぐつながる。

会場を日程で割る例もある。呪術廻戦5周年のPARCO催事では、複数会場を日程差で巡回させ、ぬいぐるみはオンライン先行に回した。買う日ともらう日、あるいは会場ごとの開催日をずらして1人の客から複数の接点を引き出す組み立ては、業種をまたいで見られる。

ファミリーマート単体でも、束ね買いを促す設計は続けて打たれてきた。エスターバニーの企画では菓子2個で缶ミラー1個という条件で複数個購入をまとめさせた。1個を2個に増やす横の束ねと、1回を2回に増やす縦の再来店。今回のキャンペーンは後者に軸足を置いた変奏として読める。

自社の販促に「二段来店」を移植するときの勘所

ノベルティや販促品を扱う立場でこの設計を借りるなら、景品そのものより日付の区切り方に予算と知恵を寄せる価値がある。渡し方を翌週の引換期間に回すだけで、同じ景品が来店1回分の集客装置に変わり得るからだ。ただし引換を後日に回すほど、券を持った客の引換忘れも増える。景品の原価と、引換オペレーションの手間まで含めて採算を見ておきたい。

景品は「取りに行きたい」実用品を選ぶ

2回目の来店を確実にするには、引換品が生活で本当に使うものである必要がある。天然水1Lは日常で消費が読める飲料で、取りに行く動機が働きやすい。自社で置き換えるなら、レジ袋やモバイルバッテリー、季節の消耗品など、もらって困らない実用ノベルティが二段来店と相性がよい。飾って終わる記念品では、引換の足が鈍る。

引換期間の長さで来店率を調整する

今回は発券7日・引換7日という等間隔だが、自社イベントに移すなら引換期間の幅が来店率を左右する。短くすれば希少感で引換を急がせ、長くすれば取りこぼしを減らせる。発券と引換のあいだに何日空けるか、引換窓を何日開けるかは、客層の来店頻度に合わせて動かす変数として設計に組み込みたい。

2回目の会計に載る「ついで商品」を用意する

再来店の価値は、引換のついでに何が売れるかで決まる。引換カウンター近くに、その季節に動く商品や関連品を並べておくと、水を取りに来た客の手が自然に伸びる。この併買がどれだけ起きたかは、引換時のレジデータから引換率と併買率として測れる。発券数・引換率・引換時の併買率を追い、景品原価と運用の手間を差し引いた増分の粗利で施策の是非を判断すれば、二段来店を単なるコストで終わらせずに済む。

実施要項(対象商品・期間・価格)

販促の担当者が自店やイベントで似た仕掛けを検討する際の、原型としての実施要項を整理しておく。

区分 詳細
実施主体 ファミリーマート(45周年大感謝祭の一環)
買う商品 伊右衛門 毎日すこやか濃い緑茶 / 濃いほうじ茶(税込140円)
もらえる商品 サントリー天然水 1L(1本)
発券期間 9月8日(火)〜9月14日(月)
引換期間 9月15日(火)〜9月21日(月)
店舗 全国約16,500店

まず自社の販促で試すなら、既存の「買ったらその場で1個」の企画をひとつ選び、渡すタイミングだけを翌週にずらして小さく検証してみるとよい。景品の中身を変えずに日付だけを動かし、2回目の来店とその会計単価、そして景品コストを引いた増分がどう動くかを見る。日付の区切り方が集客をどれだけ動かすか、自社の数字で確かめるところから始められる。

参照元

製品カタログ・価格表は資料にまとまっています
全製品カタログ+ロット別価格表を無料でダウンロード。
資料を見る
編集:食品ノベルティの窓口 編集部(株式会社Agriture)
農業×食のOEM窓口として、業界動向を編集部がまとめています。
最終更新:2026.09.11
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

目次

まずはお気軽にお問い合わせください

ノベルティの窓口について

会社概要資料はこちら

資料をダウンロード
事業連携・商品について

お問い合わせ

お問い合わせはこちら
取り扱い商品のリストはこちら