ファミリーマートが2026年9月4日、創立45周年に合わせて47都道府県それぞれで絵柄の異なるソックスとステッカーを発売した。ソックスは税込600円、ステッカーは税込300円。無料でつける景品ではなく、店頭に並ぶ有料商品として組んだ点に、販促の担当者が読み取るべき変化がある。周年の記念品を配って終わりにするのではなく、記念品そのものを売り、購入をきっかけに抽選まで動かす。ノベルティを商品に変えて土産需要を掘る狙いが、コンビニの店頭で形になった。
ファミマ45周年、47都道府県で異なるソックスとステッカーを店頭に並べた
発売は2026年9月4日(金)。先立つ8月26日の「ファミフェス2026」で商品が先行披露され、45周年の特設サイトも開いている。ラインソックスは各都道府県内の店舗に限定して並び、その土地でしか買えない絵柄になった。国内だけでなく、北京市・上海市・台北市の3都市でも限定デザインのソックスを展開している。
周年施策として目を引くのは、記念グッズを「配布物」ではなく「販売商品」に位置づけた構造だ。来店客は自分の県の一枚を選び、レジに持っていって代金を払う。無料配布なら在庫がなくなれば終わりだが、有料商品なら売れた分だけ売上が立ち、追加生産の判断もしやすい。
ソックス600円・ステッカー300円、県の花とコスプレでデザインを変えた
価格はラインソックスが税抜546円・税込600円、ステッカーが税抜273円・税込300円。手に取りやすい単価に収め、土産や自分用の小物として買える幅に置いた。
絵柄の作り込みが、この2品を単なる販促グッズと分けている。ソックスは各都道府県の代表の花をテーマにした地域別デザイン。ステッカーは、ファミマの「太陽と星」のシンボルマークが、その県の名物やお祭りに扮したコスプレ姿になっている。47の県それぞれに固有の絵があるため、同じ商品でも土地ごとに中身がまったく違う。この差が、後述する土産需要とコレクション需要の両方を引き出す土台になる。
ソックス1点でFamiPayスタンプ1個、10個で全47種セットが当たる抽選
販売と並走するのがFamiPayスタンプの仕掛けだ。対象商品1足の購入につきスタンプが1個付き、10個ためると応募できる。景品は47都道府県別ラインソックスのコンプリートセット、つまり全47種がそろった一式で、サイズ違いで大セット(25cm〜28cm)を抽選25名、小セット(22cm〜25cm)を抽選20名に用意した。対象商品の購入期間は2026年9月4日から2027年2月26日まで、応募締切は2027年2月28日となっている。
スタンプ10個という条件は、1点買えば終わりにせず、複数回の購入へ客を運ぶ設計だ。菓子2個で缶ミラー1個という束ね買いを作ったファミマのエスターバニー施策と同じ発想で、購入点数をそのまま応募資格に紐づけている。景品が「全47種セット」である点も効いていて、1県分を買った人ほど残り46県への欲が刺激される。
「配るより売る」——無料で配っていた販促物を有料商品に置き換えた
ソックスもステッカーも、これまで多くの企業が周年やキャンペーンで無料配布してきた品目だ。それをファミマは600円と300円の商品にした。ここに、販促を費用から売上へ反転させる意図がある。
無料配布のノベルティは、制作費がそのまま販促コストとして出ていく。配った分だけ支出が積み上がり、手元には売上が残らない。一方、有料商品にすれば、来店客が代金を払うたびに売上が立ち、原価を差し引いた分が利益として返ってくる。さらにFamiPayスタンプで再来店を促し、抽選の景品欲しさに購入点数を積ませる。販促物を売る形に変えるだけで、支出の器だった施策が、収益と来店頻度を生む器に変わる。
県内店舗だけで買える限定が土産とコレクションの需要を同時に掘る
ソックスを各都道府県内の店舗に限定した設計は、二つの買う理由を同時に立ち上げる。ひとつは土産需要だ。旅先や出張先で見つけた「その県だけの一枚」は、その場で買わなければ地元に戻ってから手に入らない。コンビニは駅前や観光地の動線上に数多くあり、旅の途中でふらりと寄れる。ご当地の菓子や飲料を土産として売る発想は各所で試されていて、白い恋人にあつ森のキャラを載せて札幌だけで売る土産設計や、池袋駅でシーサーを使ったちいかわ×オリオンビールの衝動買い設計が、その土地性の売り方を示している。
もうひとつはコレクション需要だ。全47種という数は、集める楽しみを生む一方で、旅行や出張のたびに一枚ずつ買い足す動機になる。47県を回らなければ完成しないコンプリートセットが抽選景品に据えられていることで、集めきれない層の欲求もFamiPayスタンプの応募へと吸い上げられる。
有料ノベルティが販促予算を配布コストから売上に変える
周年施策の多くは、記念品の制作費と配布の手間を「使い切る前提」で組む。ファミマの今回の設計は、その前提を外している。商品として値付けした瞬間、施策は原価・売価・数量で採算を語れる対象になり、売れ行きに応じて生産量や取り扱い県を調整できる。
販促の担当者にとって意味が大きいのは、売上が立つこと自体よりも、施策が「回収を測れる形」になる点だ。無料配布では効果を来店数やSNSの反応でしか測りにくいが、有料商品なら販売点数という数字が直接返る。どの県の絵柄が動いたか、どの価格帯が受け入れられたかが、次の企画の材料としてそのまま残る。
販促担当が自社で試すなら、まず1品を土産文脈で有料化する
この設計を自社に持ち帰るとき、いきなり47種を用意する必要はない。押さえるべき順序は三つある。
- その土地や店舗でしか買えない限定性を、まず1品に持たせる。旅先で見つけた小物という文脈が、購入の言い訳を作る。
- 単価は手に取りやすい水準に収める。土産として複数買いされる帯に置くほど、1回の来店単価が積み上がる。
- 購入をポイントやスタンプに紐づけ、再来店と点数積み上げの動機を後ろに置く。集める楽しみを景品側に用意すると、1品目の購入が2品目を呼ぶ。
自社商品を持つメーカーなら、地域限定パッケージや店舗限定色を有料の小物として出し、購入者に次を促す仕掛けを重ねる形が近い。配って終わる記念品を、売れて残る商品に置き換える発想から始めるとよい。
47種という品目数がはらむ在庫と原価の負担
有料化には見落としやすい壁もある。47都道府県で絵柄を変えれば、それだけで管理する品番が47に増える。県ごとに需要は異なり、売れる県は品切れ、売れない県は在庫として残るというばらつきが避けられない。店舗限定にするほど、この偏りは店単位でも起きる。
原価の面でも、絵柄が分かれるほど1種あたりの生産ロットは小さくなり、単価あたりのコストは上がりやすい。手に取りやすい売価に収めながら利益を残すには、生産量の見積もりと売れ残りの処理まで含めた採算設計が要る。周年という締切のある企画だからこそ、期間後に残った在庫をどう捌くかを先に決めておく判断が効いてくる。有料ノベルティは売上を生む一方で、在庫と原価という商品ならではの負担も一緒に背負う。
よくある質問
Q. ソックスとステッカーはどこで買えますか。
ラインソックスは各都道府県内のファミリーマート店舗に限定して販売されます。ステッカーと合わせて2026年9月4日発売です。海外では北京市・上海市・台北市の3都市で限定デザインのソックスが展開されています。
Q. FamiPayスタンプの抽選はどう応募しますか。
対象商品1足の購入ごとにスタンプが1個付き、10個ためると47都道府県別ラインソックスのコンプリートセットの抽選に応募できます。景品は大セット(25cm〜28cm)25名、小セット(22cm〜25cm)20名です。
Q. キャンペーンの期間はいつまでですか。
対象商品の購入期間は2026年9月4日から2027年2月26日まで、応募締切は2027年2月28日です。
参照元:
株式会社ファミリーマート ニュースリリース(2026年9月4日)
最終更新:2026.09.07
