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おにぎり300円で飲料が無料、ローソンが再来店をどう作るか

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2026.09.15
・読了目安 6分

おにぎり300円で飲料が無料、ローソンが再来店をどう作るか

ローソンが9月15日に始めた「ハピとく祭」。おにぎり300円ごとに飲料無料券が出る仕掛けを分解し、来店を二度に増やす期ずらし販促の作り方を販促担当向けに解説する。

ローソンが9月15日、全国の店舗で「ハピとく祭」を始めた。目玉のひとつが、一度の会計でおにぎりを税込300円ぶん買うごとに、お茶の無料券がレシートに印字される企画だ。伊右衛門やアサヒ十六茶など5銘柄のなかから交換できる。券の発券は9月23日まで、無料券を使って飲料を受け取れるのは9月28日まで。買った日と、無料の一杯を受け取る日をわざとずらしている点に、この販促の狙いが表れている。

コンビニの一施策に見えるが、来店を一度で終わらせず二度に増やす作りは、店舗を構える小売やイベントを打つ企業がそのまま流用できる。特典を「その場の値引き」に使うか「次の来店券」に使うかで、同じ原資でも効き方が変わる。販促や広報を預かる担当者が持ち帰れる分解材料として、順に見ていく。

目次

おにぎり300円ごとに、お茶の無料券がレシートで出る

企画の中身はシンプルだ。会計時、一度の買い物でおにぎりを税込300円以上買うと、その300円ごとに対象飲料の無料券が1枚レシートに印字される。600円なら2枚、900円なら3枚という積み上げになる。おいなりさん、寿司、冷凍食品、予約商品は対象のおにぎりに含まれない。

交換できる飲料は、サントリー緑茶 伊右衛門600ml、キリン 生茶 ほうじ煎茶600ml、伊藤園 健康ミネラルむぎ茶670ml、コカ・コーラ やかんの麦茶 濃い茶600ml、アサヒ 十六茶660mlの5種類。いずれも大容量のペットボトル茶で、単品なら150円前後で売られている商品だ。おにぎりという日常の買い物に、もう一本を無料で足す口実を作っている。

発券は9月23日まで、使えるのは9月28日まで

この企画で見落とせないのが日付の区切りだ。無料券の発券期間は9月15日から23日まで。実際に券を使って飲料を受け取れる利用期間は9月15日から28日までと、5日ぶん後ろに延びている。23日ぎりぎりに券を受け取った客も、そこから数日は「もう一度ローソンへ行く理由」を手のなかに持ち続ける。

項目 内容
特典条件 一度の会計でおにぎりを税込300円買うごとに飲料無料券1枚
対象飲料 伊右衛門600ml/生茶ほうじ煎茶600ml/健康ミネラルむぎ茶670ml/やかんの麦茶濃い茶600ml/十六茶660ml
対象外 おいなりさん・寿司・冷凍食品・予約商品
発券期間 2026年9月15日〜9月23日
利用期間 2026年9月15日〜9月28日
配布方法 会計後のレシートに無料券を印字

発券と利用の期間を分ける操作は、地味だが効く。券をその場で商品に替えてしまえば体験はそこで完結するが、印字された券を持ち帰らせれば、客の財布のなかに「未使用の権利」が残る。この残り時間が、次の来店を引き寄せる引力になる。

なぜその場で配らず、後日の来店に回すのか

もし無料の飲料をレジで即座に手渡していたら、客は「得した」と感じて店を出て、それで終わる。ローソンが選んだのは、券という形で持ち帰らせ、別の日にもう一度足を運ばせる作りだ。おにぎりを買った来店(1回目)と、無料の茶を受け取る来店(2回目)を分けることで、来店回数そのものを増やしにいっている。

2回目に来た客は、無料の茶だけを受け取って帰るとは限らない。ついでにパンや弁当、コーヒーを買う可能性が高い。無料券の原資は、この2回目の買い物で回収する前提だ。似た発想は、天然水の発券と引換を翌週にずらしたファミリーマートの企画にも見える。ファミマが発券と引換を翌週にずらした天然水の仕掛けと並べると、期ずらしがコンビニ各社の共通の型になりつつあるとわかる。

大容量の無料茶と対象の絞り込みは何を狙うか

対象飲料は670mlの健康ミネラルむぎ茶をはじめ、いずれも単品なら150円前後で売られる大容量ペットボトル茶だ。おにぎりという日常の買い物に、値ごろ感のある大容量茶を無料で足すことで、得の実感を分かりやすく見せる狙いが読み取れる。金額の割引ではなく「もう一本」という具体物で還元する方が、受け取った側の記憶に残りやすい。

対象をおにぎりだけに絞り、おいなりさんや寿司、冷凍食品、予約商品を外した線引きにも意図が見える。全商品を対象にせず主食のおにぎりへ条件を寄せることで、原資を狙った買い物に集中させ、ついで買いの起点になりやすい商品を軸に据えている。パンやサンドイッチが対象外である点は、裏を返せばおにぎりの購買を厚くしたいという設計の表れと読める。

販促を預かる立場からは、無料券方式は原資が読みやすいという利点が大きい。発券した券のすべてが使われるわけではないため、引換率を織り込んで予算を組める。値引きのように全件が即コストになる方式より、上振れを抑えやすい。

自社の販促に置き換えるとどこを真似できるか

この企画の骨格は、コンビニでなくても組める。第一に、特典を値引きで消費させず、次に使える券や引換チケットの形にして持ち帰らせること。第二に、発券の締め切りより後ろに利用期限を置き、2回目の来店に猶予を作ること。第三に、無料でつける原資を1回目でなく2回目の「ついで買い」で回収すると割り切ることだ。

ローソンは同じ時期に、モンスターエナジー2本でレンチキュラーカードを配る先着企画も走らせている(ローソンが各店20点の先着で束買いを作った企画)。片方は一度に複数買わせる束買い、片方は再来店と、狙いを変えた特典を並走させているのがわかる。自社でも「今日多く買わせる」か「後日また来させる」かを先に決めると、特典の形が定まる。

配布日や引換日をずらす手法は他社も使う。配布日をずらすファミマとセブンのステッカー企画のように、来店のピークを分散させたり、接触の期間を延ばしたりできる。イベント物販でも、当日券と後日引換券を分ければ、会期後半の失速を防ぐ設計に応用できる。

明日から試せる、来店をもう一度作る手順

おにぎりと無料券の組み合わせは、単なるお得企画ではない。今日の一度の買い物を、後日のもう一度に変える装置として設計されている。自社の販促に落とすなら、次の3点から始めたい。

  • 特典を値引きで消さず、次回使える券や引換チケットの形で持ち帰らせる
  • 発券の締め切りより数日あとに利用期限を置き、2回目の来店に時間の猶予を作る
  • 無料の原資は2回目の買い足しで回収する前提で、対象商品と狙う客単価を先に見積もる

飲料メーカーの商品を特典に据えている点も見逃せない。原資の一部をメーカー協賛でまかなえれば、小売の持ち出しは軽くなる。自社イベントでも、取引先の商品や試供品を特典に組み込む交渉余地はある。まずは小さな店舗や1回のイベントで、発券と利用の期間差を1週間ほど設けて反応を測ることから試せる。

参照した一次情報は以下のとおり。
ローソン公式サイト「9/15(火)より、ハピとく祭開催!」 https://www.lawson.co.jp/lab/tsuushin/art/1531640_4659.html
PeX「【ローソン】からあげクン1個増量中!おにぎり300円以上の購入で飲料無料券もらえる」 https://pex.jp/point_news/4ec0598dcb1d68638131c06a46cc8e91

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編集:食品ノベルティの窓口 編集部(株式会社Agriture)
農業×食のOEM窓口として、業界動向を編集部がまとめています。
最終更新:2026.09.15
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この記事を書いた人

小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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