NTTドコモが2026年7月24日、料金プラン「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」の契約者へ向けて、「2026/27明治安田Jリーグ」開幕記念のプレゼント応募を始めた。締切は8月12日。目玉は各クラブの観戦チケットと、全60クラブの公式ユニフォームだ。通信料金プランの特典に、なぜサッカー観戦とユニフォームが並ぶのか。手元に残る物品ではなく体験そのものを賞品化する発想を、販促・広報担当者の視点で読み解く。
A賞チケット1,180名・B賞ユニフォーム120名・C賞dポイント500名
企画は「特別な体験価値」の名で打ち出され、賞品は三段構成だ。A賞が2026/27シーズンの観戦チケットで各クラブ10組20名の計590組1,180名、B賞が全60クラブの1stユニフォームで各クラブ2名の計120名、C賞が期間・用途限定のdポイント1,000ポイントを500名。応募は1契約1回で、締切の8月12日時点で対象プランを契約していることが条件だ。当選枠の大きいdポイントで応募の裾野を広げ、希少なユニフォームと観戦チケットで話題を作る。景品の「量」と「格」に役割を分けている。
| 賞 | 内容 | 当選数 | 役割 |
|---|---|---|---|
| A賞 | 2026/27シーズン観戦チケット(各クラブ10組20名) | 590組1,180名 | 現地体験の提供 |
| B賞 | 全60クラブ公式ユニフォーム(各クラブ2名) | 120名 | 話題性・希少性 |
| C賞 | dポイント1,000pt(期間・用途限定) | 500名 | 応募の裾野拡大 |
締切がJリーグの8月開幕直前に置かれ、期待が高まる時期に応募のピークを合わせている。
体験は転売されにくく、在庫制約からも外せる
販促グッズの発想では、配る対象は手元に残る物になりやすい。ドコモが賞品の中心に据えたのは、スタジアムで試合を観る時間と、応援するクラブのユニフォームを着る体験だった。ユニフォームは物だが、価値は生地ではなく「特定のクラブを応援する」行為の側にある。当選者だけへ手配する体験型なら、話題の規模と実際のコストを切り離せる。試合観戦やユニフォームのように「その場でしか得られない体験」は転売や横流しが起きにくく、物販景品よりブランド毀損のリスクも小さい。
全60クラブ網羅が三層の来場者を自分ごとにする
全60クラブを網羅した点が効いている。Jリーグは2026/27シーズンから秋春制へ移り、開幕が8月に前倒しされた。新制度初年度の集客が問われる局面で、大型プレゼントは各クラブの来場動機を補強する。サポーター層は、抽選対象が自分の応援クラブに限られない網羅型のため、SNSで「応募した」報告が広がりやすい。サッカーに関心が薄い一般契約者もdポイント枠から応募の入口を持てる。地域や推しクラブを問わず「自分のクラブが対象に入っている」状態を全員に作り、三層それぞれに入口を用意した。全国区の大手が全クラブを平等に扱う設計は、規模の小さいクラブにも露出機会を配る。
既存顧客への還元で継続理由を情緒から作る
この企画は新規獲得ではなく、対象プラン契約者に絞った既存顧客への還元だ。解約を防ぎ、継続の理由を情緒面から作る狙いが読める。賞品を「自社と関係の薄い高級品」ではなく「顧客が既に好きなもの(応援するクラブ)」に寄せた点も同じ方向で、景品の豪華さより受け手の既存の熱量に乗せる方が、当選後の満足度も発信量も高くなる。地域分散した熱量の高いファンダムを持つスポーツIPが、BtoCの還元設計の受け皿になりやすいことを示す例だ。
体験を賞品にする販促の組み立て
自社の顧客施策に置き換えるなら、まず目的を認知か継続かで切り分ける。物品を配って認知を取る手法と、体験を配って熱量に接続する手法は目的が違う。そのうえで賞品を「量の景品」と「格の景品」に分け、前者で応募数を、後者で話題を作る。賞品は顧客が既に持つ熱量(好きなチーム・作品・地域)に接続し、応募の山を狙う時期に締切を置く。賞品の選び方が「意味」へ軸足を移す流れはノベルティ市場全体でも起きており、当メディアの2026年ノベルティ市場の「意味起点」への転換と地続きだ。ユニフォームを素材として再活用する視点では廃番ユニフォームを周年ノベルティの原料にする事例、独自性の出し方は2026年4月の創造的ブランドノベルティ事例5選も手がかりになる。
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最終更新:2026.07.28
