ローソンが2026年9月1日、モンスターエナジーとロックバンド「マキシマム ザ ホルモン」を組み合わせた「濃縮バリューキャンペーン’26」を始めた。対象飲料を2本買うごとに、店頭でノベルティが手に入る先着配布と、レシートから応募する抽選賞を並走させる構成になっている。レシートの有効期間は9月28日まで、応募の締切は10月1日23:59。低単価の缶飲料をコレクション動機で複数買わせる設計として、コンビニや販促の担当者が読み解ける材料が詰まっている。
対象飲料2本ごとに店頭ノベルティが手に入る
配布の対象は、モンスター缶355ml各種(税込230円)、モンスター瓶150ml(税込205円)、モンスター缶500ml(税込270円)、モンスターボトル缶500ml各種(税込320円)。この中から2本を買うごとに、店頭でノベルティが1つ渡される。
渡されるのは2種類。ひとつが「オリジナルレンチキュラーコースター」で、見る角度で絵柄が動くレンチキュラー加工が施されている。全5種で、コースター側は各店3枚ずつ。もうひとつが「MONSTERステッカー」で、こちらは1種を各店5枚。合計すると、コースター5種×3枚とステッカー5枚で、1店舗あたり20枚が先着でなくなる勘定になる。
各店20点の枠が来店の速さを競わせる
1店舗20枚という数量は、コンビニの1日の来客規模から見ると小さい。人気店なら開店から数時間で切れる可能性があり、確実に受け取りたい客は早い時間に動く。この「早く行かないと無くなる」圧が、対象飲料の回転を朝から後押しする。
コースターが5種そろっている点も効く。1種だけなら1回買えば満足するが、5種あると全部そろえたい客は買い足す。1回の来店で2本買っても受け取れるのは1点なので、5種を集めるには複数回の来店か、まとめ買いが要る。20点という上限は、在庫を絞って希少感を出しながら、集めたい客を何度も店に戻す仕掛けとして働く。
抽選4コースが応募まで客を運ぶ
店頭配布とは別に、レシートを使う抽選賞が用意されている。内訳は次の4コース。
- Aコース: ホルモン公式大使の屋外ロックフェス宿泊招待と余韻祭参加権(4組4名・計16名)
- Bコース: 対バンツアーチケット(1公演5名×4公演・計20名)
- Cコース: グッズ(50名)
- Dコース: オリジナル特別パッケージ(100名)
店頭ですぐ受け取れる先着ノベルティが「その場で買う理由」を作り、抽選賞が「買ったあとに応募する理由」を作る。目当てのコースターやステッカーを受け取った客が、そのレシートで抽選にも応募する流れが自然につながる。宿泊招待や余韻祭という体験型のAコースは当選枠が少ない分、ファンの熱量に強く刺さる賞に置いている。
モンスターエナジーが音楽への投資で築いた素地
モンスターエナジーは、日本市場に入る前から音楽イベントやアクションスポーツへのスポンサリングでブランドを広げてきた。缶のロゴを会場やアーティストの周辺に置き、飲むこと自体をカルチャーの記号に変える手法を積み上げている。
マキシマム ザ ホルモンとの組み合わせは今回が初めてではなく、過去にもコラボ企画が繰り返されてきた。バンドの世界観と缶飲料のトーンがかみ合っているため、コラボのたびにデザインや賞品が話題になり、ファンが店頭に足を運ぶ土台ができている。’26の名を冠したのも、単発ではなく続く企画として認知されてきた証しになる。今回のレンチキュラーコースターは、角度で絵柄が変わる仕掛けそのものが「集めて眺めたい」動機を作り、音楽IPの熱量を紙一枚の物販ノベルティに落とし込んでいる。
低単価×コレクションが複数購入を生む
この施策の核は、1本205〜320円の低単価飲料に、コレクション性のあるノベルティを結びつけた点にある。単価が低いほど、客は「もう1本くらい」の心理的な壁を越えやすい。そこに全5種のコースターという集める対象を置くと、1本ずつの購入が2本、4本へと積み上がる。
飲料を店頭ノベルティで束ねる手法は、他チェーンでも動いている。たとえばキリンが氷結を2本買った客にステッカーを配ったセブン店頭でのCM資産の横展開も、低単価の缶を2本単位で動かす同じ発想に立っている。飲料は単価が安く回転が速いぶん、少額の紙ノベルティでも束買いへ振り向けやすく、原価を抑えたまま販促効果を出せる領域になっている。
ファミマ「超かぐや姫」施策との違い
モンスターエナジーを使ったコンビニ販促は、直近でファミリーマートでも走っている。ただし今回のローソンの企画とは、組む相手も配る特典も別物だ。ファミマの企画は音楽ユニット「超かぐや姫」と組み、対象2本の購入でステッカーを配りつつ、客を三層に分ける設計だった。このファミマ×超かぐや姫のステッカー施策は、ブランドのタイアップ相手も、チェーンも、特典の中身もローソンのものと重ならない。
同じモンスターエナジーでも、チェーンごとに組む音楽IPを変え、特典をレンチキュラーコースターとステッカーで差別化している。飲料メーカーが複数のコンビニと並行してコラボを走らせるとき、相手と特典をずらすことで、どちらかに客を取られる共食いを避けている。販促担当が自社ブランドで複数の小売と組む際にも、この「相手と特典をずらす」分業は下敷きになる。
低単価×コレクションで複数購入を促す設計
この企画から実務に移せる点を整理する。
先着数を絞って希少感と来店の速さを作る
各店20点という上限は、在庫コストを抑えながら「早く行かないと無くなる」圧を生む。同じローソンの各店24枚・菓子3点で配る明治の景品設計でも、店ごとの少ない枠が朝からの回転を作っている。配布数は多ければ良いわけではなく、絞ることが動機になる。
集める対象を複数種そろえる
ノベルティを1種で終わらせず、コースター5種のように集める対象を置くと、1回で満足しない客が買い足す。全種そろえたい層には、複数回の来店やまとめ買いの理由が生まれる。
その場の特典と後追いの応募を二段で並べる
店頭で即もらえる先着ノベルティが購入の後押しになり、レシート抽選が購入後の再アクションを引き出す。受け取ったレシートがそのまま応募券になる動線を組むと、二段の仕掛けが1本の流れにつながる。
低単価商品を動かす販促の一つの型として
ローソンのモンスターエナジー×マキシマム ザ ホルモン企画は、単価の低い飲料をコレクション動機と先着枠、抽選の三点で束ね、複数購入と反復来店を作る構成になっている。音楽IPの熱量を紙のノベルティに落とし込み、店頭配布と応募を二段で並べる手つきは、飲料や菓子など低単価商材を扱う販促担当にとって、原価を抑えつつ客数と点数を伸ばす一つの型として読める。自社の商材で集める対象を用意できるか、先着数をどこまで絞れるかを起点に、応用の余地を探れる。
参照元
最終更新:2026.09.07
