鹿児島県大隅半島で、10月1日から11月30日までデジタルスタンプラリー「大隅お肉街道」が動く。QRコードを読ませてスタンプを集め、3個・5個・7個の3段階でそれぞれ別の抽選に応募する形式だ。おおすみ観光未来会議が9月25日に出したリリースと、同社が運営する特設サイトを突き合わせると、両者で書きぶりが違う箇所がある。販促キャンペーンの条件設計を考えるうえで、その差がいちばん読みどころになる。
10月1日から2か月、大隅の59スポットをQRで回らせる
スタンプ3個・5個・7個で応募先の抽選が分かれる
参加者は期間中、対象スポットに置かれた地点ポスターのQRコードをスマートフォンで読み取ってスタンプを貯める。特設サイトの参加方法には「スタンプを3個、5個、7個集めるとそれぞれの抽選に応募できます」とある。注意事項では「キャンペーン期間中、各賞、お一人様1回の応募が可能です」と書かれており、応募回数の制限は賞ごとに独立している。3段階の閾値と賞ごと1回という書き方を素直に読めば、7個まで集めた人は3個・5個の条件も同時に満たす勘定になる。
30名の当選枠は9名・10名・11名に割られている
リリースは合計を「総勢30名」と書き、特設サイトの賞品欄が段階ごとの人数と中身まで表示している。合計すると9+10+11で30名となり、リリースの総数と一致した。
| スタンプ数 | 当選者数 | 賞品の内容 |
|---|---|---|
| 3個 | 9名 | 商品券・おおすみ特産品のどちらか(参加店舗協賛) |
| 5個 | 10名 | 商品券(2,000円以上)(参加店舗協賛) |
| 7個 | 11名 | 参加店舗に協賛いただいた「牛・豚・鶏」いずれかのお肉 |
| 合計 | 30名 | — |
段階を上げるほど当選人数が増える並びになっている。集める手間が重い賞ほど枠を広げる配置は、先着や上限固定で絞っていく金額段階型の特典とは向きが逆だ。同じ「段階で積ませる」でも、バンドリがアトレ秋葉原で採った500円ごとの特典のように購入金額で刻む方式とは、参加者が感じる負担の置き場所がかなり違う。
飲食店のスタンプが無いとどう扱われるか
リリースは「応募は出来ますが、抽選対象外」と書いている
このキャンペーンで条件として最も強く効くのが、飲食店のスタンプに関する但し書きだ。ここは両方の資料で文言がそろっていない。リリースの注意事項は「応募時に飲食店のポイントを獲得していなければ、応募は出来ますが、その応募は抽選対象外となります」と書く。特設サイトの同じ項目は「応募時に飲食店のスタンプを獲得していなければ、抽選対象外となります」と短い。さらにリリース自身も、参加方法欄では特設サイトと同じ短い形で書いている。
受け取り方として重いのは前者だ。応募そのものは通るのに抽選の母集団からは外れる、という状態が起きうる。参加者から見ると「弾かれた覚えがないのに当たらない」導線になるため、案内側は条件を先に見せる必要が出てくる。呼び名も一定しない。リリースは本文で「スタンプ」を使う一方、飲食店条件の但し書きだけは「ポイント」と書いている。
飲食店のスタンプは多いほど当選率が上がる
特設サイトの応募方法には「飲食店のスタンプ獲得数が多いほど当選率UP!」という一行がある。この記載はリリース側には見当たらない。つまり飲食店のスタンプは、有無で抽選対象かどうかを決める足切りとして働くと同時に、数が多いほど有利になる重みとしても働く。どの程度上がるのかという計算方法までは示されていない。
条件をこう置いた理由は、どちらの資料にも説明がない。ただ、リリースが対象スポットを1から59まで通し番号で横並びに載せているのに対し、抽選の扱いでは飲食店の35か所だけが二重に効くという非対称が残る。
59スポットの内訳を数えると飲食店が35で過半
道の駅9と観光スポット7を含めて59になる
リリースの対象スポット一覧は1から59まで通し番号が振られている。区分ごとに数え直すと下表になった。
| 区分 | スポット数 | 主な施設 |
|---|---|---|
| 飲食店 | 35 | モダン焼肉中山亭鹿屋店、とんかつ竹亭、やきとり西都ほか |
| 買い物 | 6 | どっ菜市場、ふくどめ小牧場、ジャパンファーム直売店ほか |
| テイクアウト | 2 | 炭火焼鳥ももえちゃんほか |
| 道の駅 | 9 | 道の駅たるみず湯っ足り館、道の駅すえよしほか |
| 観光スポット | 7 | かのやばら園、雄川の滝、佐多岬、JAXA内之浦宇宙空間観測所ほか |
| 合計 | 59 | — |
リリースは同じ資料の中で「総勢43店舗が『大隅お肉街道』に参加します」とも書いている。この43は飲食店35・買い物6・テイクアウト2の合計と一致し、道の駅9と観光スポット7を除いた数になる。59はスタンプの対象スポット、43は参加店舗と、数えている対象が違う。
飲食店35は牛15・豚14・鶏6に分けて掲示されている
特設サイトは飲食店を「牛肉が食べられるお店」「豚肉が食べられるお店」「鶏肉が食べられるお店」の3つに割り付けており、数えると15・14・6で合計35になる。鹿児島県は豚の飼養頭数とブロイラーの飼養羽数がいずれも全国1位だと県の「鹿児島県畜産の概要」を出典に掲げており、3畜種をそろえて見せる構成はその産地条件に沿っている。なお店名の表記はリリースと特設サイトで一部ずれており、テイクアウト枠はリリースが「KURO DELI」、特設サイトが「くろぶたの丘」と書く。
賞品は参加店が出し、主催は掲示と抽選を持つ
賞品はすべて「参加店舗協賛」と明記されている
特設サイトの賞品欄は3段階すべてに「参加店舗協賛」と添えており、商品券も肉も参加店が出す形になっている。参加者が触れる仕掛けは、各スポットに設置される地点ポスターのQRコードだ。加盟店を束ねて送客する形は、京王エージェンシーとぐるなびが渋谷の屋外広告に加盟飲食店を重ねた事例とも共通する発想だ。
足切りと重み付けを同じ条件に重ねると案内が難しくなる
飲食店のスタンプは「1個も無ければ抽選対象外」と「多いほど当選率が上がる」の両方を背負っている。2つの役割を1つの条件に背負わせると、告知文はどうしても長くなる。来店回数を増やす目的でミニストップがアプリでコーヒー4杯につき1杯無料にした施策のように、条件を一文で言い切れる形に保つ設計とは対照的だ。自社でスタンプラリーを組むなら、参加資格の条件と当選確率を動かす条件は分けて書く、あるいはどちらか一方に寄せるほうが、問い合わせ対応の負荷は軽くなる。
参加する前に確認しておく日程と問い合わせ先
応募は各賞1回、会期は11月30日で終わる
11月29日の「いい肉の日」は会期内に入っており、最終日はその翌日の11月30日だ。7個をねらうなら、飲食店を含めて複数市町をまたぐ移動になる。対象は曽於市から南大隅町まで大隅半島の広い範囲に散っている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 「大隅お肉街道」めぐって!たべて!スタンプラリー |
| 期間 | 2026年10月1日(木)〜11月30日(月) |
| 参加方法 | 対象スポットの地点ポスターのQRコードを読み取ってスタンプを取得 |
| 応募 | スタンプ3個・5個・7個で各抽選に応募。各賞お一人様1回 |
| 抽選条件 | 応募時に飲食店のスタンプ(リリース表記はポイント)が無いと抽選対象外 |
| 主催 | お肉街道企画委員会・大隅広域観光開発推進会議 |
| 問い合わせ | 株式会社おおすみ観光未来会議 電話0994-35-1266(9時〜17時、土日祝を除く) |
主催はおおすみ観光未来会議ではなく企画委員会と推進会議
リリースの配信元と問い合わせ窓口は株式会社おおすみ観光未来会議だが、主催として記載されているのは「お肉街道企画委員会・大隅広域観光開発推進会議」の2者だ。特設サイトも同社の運営で、著作権表記は同社名義になっている。取材や協業の打診をする場合、窓口と主催が別である点は押さえておきたい。なお応募の有効無効、当落、賞品発送状況については問い合わせても回答できないとリリースに明記がある。
スタンプラリーで自社の来店を増やしたい店舗運営者なら、まず自分の店が参加者にとって何個目のスタンプになるかを想定してみるとよい。3個で応募できる層と7個まで回る層では動線も滞在時間も違う。条件が効くのは応募の時点なので、訪問順そのものは資格に関係しない。分かれ目は、3個で応募を済ませる層のその3個に飲食店が入っているかどうかだ。道の駅と観光スポットだけで3個そろえた人は、応募はできても抽選には乗らない。
参照元
【30名様にお肉が当たる!!】鹿児島県「大隅お肉街道」キャンペーン10/1より開催!(株式会社おおすみ観光未来会議・PR TIMES)
大隅お肉街道 デジタルスタンプラリー特設サイト(おおすみ観光未来会議)
鹿児島県畜産の概要(鹿児島県)
最終更新:2026.09.25
