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見せるとチャージが無料になるノートを参加者全員のノベルティにした

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2026.10.12
・読了目安 11分

見せるとチャージが無料になるノートを参加者全員のノベルティにした

株式会社ロイヤルマイル(東京都新宿区、代表取締役:静谷和典)は2026年10月8日、同社が2026年10月12日(月・祝/スポーツの日)16時から「BAR 新宿 ウイスキーサロン」で開くウイスキーのテイスティングセミナー […]

株式会社ロイヤルマイル(東京都新宿区、代表取締役:静谷和典)は2026年10月8日、同社が2026年10月12日(月・祝/スポーツの日)16時から「BAR 新宿 ウイスキーサロン」で開くウイスキーのテイスティングセミナーで、参加者全員にオリジナルテイスティングノートを配ると発表した。このノートを系列バー4店舗で来店時に提示すると、チャージがサービスされる。参加費は5,000円(税込)、定員は26名とスタンディング席、申込受付は10月11日までで、本稿の公開時点では締め切られている。販促やイベントの担当者が見るべきは配布物そのものではなく、ノベルティに「提示する理由」と「次に行く店」を同時に埋め込んだ設計のほうだ。

目次

配るのはノート、効いているのは「見せる」という動作

発表によると、セミナーの正式名称は「長濱蒸溜所 チーフブレンダー屋久佑輔氏 特別テイスティングセミナー」。長濱蒸溜所(滋賀県長浜市)のチーフブレンダー・屋久佑輔氏を迎え、シングルモルト長濱 THE NINTH BATCH、同 THE EIGHTH BATCH、シークレットボトル3種の全5種を飲み比べる。シークレットのうち1種は近日発売予定の商品で、一般発売前の先行テイスティングにあたる。会場のオーナーでマスター・オブ・ウイスキーの資格を持つ静谷和典氏も協働登壇する。

参加特典として配るのがオリジナルテイスティングノートだ。記録項目は、日付・場所、銘柄名・熟成年数・カスク、アロマ(香り)、フレーバー(味わい)、総合評価、使用グラス、自由記入メモ。そしてリリースはこう書いている。「参加者全員にプレゼントするテイスティングノートを来店時に提示すると、以下の系列バー4店舗でチャージをサービスいたします」。

ここは読み違えやすい。ノートの中面にクーポン券やチャージ無料券が刷り込まれている、という書き方はリリースのどこにもない。無料になる条件はノートという物体を持って来店し、それを見せることだ。券を切り離す設計ではなく、ノート自体が店で通用する持ち物になっている。この差は発注にも効く。切り離し式なら台紙とミシン目と枚数管理が必要になるが、提示式ならノートを1種類作るだけで足りる。

一冊で三つの仕事をさせている

このノートは、販促物として三つの役割を同時に担っている。

  • 記録フォーマット。同じ型で書くから過去に飲んだ一本と比較でき、好みの変化が自分で見える
  • 来店時の提示物。チャージをサービスする根拠になるので、持ち歩く動機が切れない
  • 4店舗を回る理由。対象はBAR LIVET、BAR Shinjuku Whisky Salon、BAR TOKYO BOURBON CLUB、BAR LAST WORDの4店

ノベルティが配布直後に机の引き出しへ消えるのは、使い続ける理由が無いからだ。トートバッグやボールペンは使われても、配った企業のことは思い出されない。記録ノートは違う。書き足すほど自分のデータが溜まり、捨てにくくなる。しかもその記録は、提供元の店に行かないと増えない種類の記録だ。ノベルティに会員としての身分を持たせる手はノベルティを会員登録の入口にしたFREAK’S STORE40周年でも取り上げたが、こちらはアプリ登録を挟まず紙一冊で同じ効果を取りに行っている点が違う。

発表されている条件を数字で押さえる

一次発表で確認できた数値だけを並べる。チャージの金額、特典の有効期限、利用回数の上限はリリースに記載がないため、ここには載せない。

項目 発表内容
開催日時 2026年10月12日(月・祝/スポーツの日)16:00〜17:30
会場 BAR 新宿 ウイスキーサロン(東京都新宿区新宿3-12-1 佐藤ビル3階)
定員 26名+スタンディング席あり
参加費 5,000円(税込)
テイスティング 全5種(シークレットボトル3種を含む/うち1種は近日発売予定)
参加特典 オリジナルテイスティングノート(系列バー4店舗チャージ無料特典付き)
特典対象店舗 4店舗
申込受付 2026年10月11日まで(Googleフォーム)
発表日 2026年10月8日 18時03分(PR TIMES)

定員26名という規模が効いている。席数ベースで見れば、スタンディングを含めても小ロットの紙製ノベルティで足りる量だ。そこに4店舗分の送客装置を載せている。数万個のグッズを刷らなくても成立する設計である。

配布物を「使い続けさせる」3つの型の違い

販促物に再来店を担わせる方法は、大きく三つに分かれる。それぞれコストのかかり所が違う。

型 再来店の作り方 運用の負荷
引換券・クーポン型 券と引き換えに値引きや無料提供を受ける 枚数管理、期限管理、回収と精算が必要
スタンプ・ポイント型 来店回数を積み上げて報酬に到達させる 台紙や会員システム、押印ルールの統一が必要
提示型(今回の設計) 持ち物を見せること自体を特典の条件にする 現物1種類で足りるが、期限と回数の社内規定が必須

引換券型は管理コストが高いかわりに、使われた回数が正確に分かる。提示型はその逆で、作るのは楽だが「誰が何回使ったか」は店側の記録を別に取らないと残らない。引換と発券のタイミングを意図的にずらして再来店を作った例はファミマが発券と引換を翌週にずらした、天然水がもらえる再来店の仕掛けで整理したが、提示型を選ぶなら最初から計測の設計を分けて考える必要がある。

どこまでが公表済みで、どこからが推測になるか

第三者の評価として公表されている事実は、リリースと公式サイトで次の範囲まで確認できる。

  • 会場のBAR 新宿 ウイスキーサロンは、Time Out Tokyoによる東京のサステナブルで先進的なバーを決めるアワードで初代グランプリ「The Bar World of Tomorrow」を獲得したと発表されている
  • 同店は「世界が選ぶ東京のBAR 10選」に選ばれたとリリースに記載がある
  • 静谷氏は東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)で6年連続して審査員およびチェアマンを務めているとされる
  • 長濱蒸溜所は公式サイトで「この小さな蒸溜所でつくられたクラフトウイスキーが、100年後にたくさんの方々によろこんでいただけるように、という想いで造っています」と掲げている

一方で、この特典が何件の再来店を生むかという数字はまだ存在しない。今回が新たな参加特典としての発表だからだ。企画会議で他社事例を引くとき、店の受賞歴と施策の効果を同じ列に並べると、社内の説明がすぐ崩れる。

自社でやるなら発注前に決めておく4点

同じ型を自社の販促に移すときに、現場で必ず詰まるのは次の4点だ。リリースに書かれていない部分でもある。

  1. 有効期限。無期限にするのか、配布から3か月などで区切るのか。紙に刷る文言が変わるので発注前に確定させる
  2. 利用回数。1店舗1回か、来店ごとに何度でもか。後から絞ると客の不満になる
  3. 譲渡の可否。提示型は本人確認が無いので、第三者が持ってきたときの扱いを店舗に共通ルールとして渡しておく
  4. 店舗側の記録方法。提示があった件数を日報や会計メモのどこに残すか。ここを決めないと効果検証ができない

紙への刷り込みが必要なのは1〜3、店舗オペレーションの話が4だ。発注と同時に店舗向けの運用メモを1枚作ると、配布開始後の問い合わせがほぼ消える。

景品のルールは限度額の前に除外規定を読む

有償イベントの参加者全員に物を配る形は、景品表示法の総付景品の枠で考えることになる。消費者庁は総付景品の限度額を、取引価額が1,000円未満の場合は200円、1,000円以上の場合は取引価額の10分の2と示している。参加費5,000円を払った人への提供なら、この計算では上限1,000円になる。

ただし限度額を当てる前に読むべき条文がある。公正取引委員会の運用基準は、事業者名を広告するために提供する物品又はサービスで、適当な限度のものは、原則として告示第二項第二号に当たると定めている。そこで挙げられている例が「社名入りのカレンダーやメモ帳」だ。告示第二項に当たるものには限度額の規定が適用されない。社名やブランド名を入れた記録ノートはこの例の隣に並ぶ性質を持つ。「適当な限度」という判断が残るので無条件の抜け道ではないが、紙のノベルティを限度額だけで語ると社内の企画を過剰に縛ることになる。

チャージを免除する側も同じ構えで読める。運用基準は告示第二項第三号として「自己の供給する商品又は役務の取引において用いられる割引券その他割引を約する証票」の項を置いている。自店のサービス対価を自分で減額する約束は、景品類の限度額とは別の枠で検討する対象になる。企画書を書く段階で、配る物と減額する権利をそれぞれどの号で整理するか決めておくと、法務の差し戻しが減る。

実務で間違いやすいのが、同じノートを一般の来店者にも配るケースだ。運用基準は購入を条件とせず入店者に景品類を提供する場合の取引価額を原則100円とし、その店で通常行われる取引の価額のうち最低のものが100円を超えるときはそれを採用できるとしている。有償セミナーの参加者に配るのと店頭で誰にでも配るのでは、同じ配布物でも基準になる金額が変わる。さらに運用基準1(5)アは「同一の取引に附随して」二以上の景品類提供が行われる場合について、同一の事業者が行うなら別々の企画によるときであっても合算した額の景品類を提供したことになると定めている。合算されるかどうかは実施時期ではなく、同じ取引に付随しているかで決まる。周年企画と来店特典を並行して走らせるなら、まず両方が同じ取引に付いているかを確かめたうえで足し算する。

もう一つ、配布物をノートからお菓子や飲料に置き換える場合は前提が変わる。食品表示法の「販売」には、不特定または多数の者に対する無償の譲渡が含まれる。無償配布のノベルティであっても、不特定多数に渡す容器包装入りの加工食品には食品表示が必要になる。ただし求められる項目は販売時と同じではない。第五条(義務表示の特例)は「不特定又は多数の者に対して譲渡(販売を除く。)する場合」について、原材料名、内容量、栄養成分の量と熱量、食品関連事業者の氏名又は名称及び住所、原産国名、原料原産地名の表示は要しないと定めている(特定保健用食品・機能性表示食品などは除く)。無償配布で残るのは名称、添加物、アレルゲン、期限、保存方法、製造所の所在地などだ。さらに容器包装の表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下なら、省略できる項目がもう一段増える。それでも袋に載せる要素は増えるので、小袋に社名を大きく出したい企画ほど袋の寸法から逆算することになる。紙や雑貨のノベルティと食品ノベルティでは、同じ「全員配布」でも用意しなければならない項目の数が違う。

飲食・小売の販促に置き換えると何が効くか

この設計が効くのは、単価が高くて来店頻度が低い業態だ。ウイスキーバーはその典型で、客が次に来る理由を自分では作りにくい。記録ノートは「書き足すために行く」という理由を客側に持たせる。

同じ条件を満たす業態を自社で探すなら、客が自分の履歴を手元に残したがるかどうかで見分けられる。施術の経過、住宅設備の点検、サイズの変化、栽培の記録。どれも客側に記録したい動機がある領域で、その様式を店が配れば、記録が続く限り店とのつながりも残る。来店頻度を上げる定番手法である回数券やポイント付与はコーヒー4杯で1杯無料、ミニストップがアプリで来店頻度を上げる狙いのように消費頻度の高い商材と噛み合うが、年に数回しか来ない業態ではカードのほうが先に忘れられる。記録型はそこを埋める選択肢になる。

系列4店舗を対象にした点も実務的だ。1回の配布で、客が知らなかった姉妹店の存在を伝えている。多店舗を持つ企業なら、ノベルティの裏表紙に全店リストを刷るだけで同じ効果が出る。

申込と開催の実務情報

  • イベント名:長濱蒸溜所 チーフブレンダー屋久佑輔氏 特別テイスティングセミナー
  • 日時:2026年10月12日(月・祝/スポーツの日)16:00〜17:30
  • 会場:BAR 新宿 ウイスキーサロン(〒160-0022 東京都新宿区新宿3-12-1 佐藤ビル3階/電話 03-3353-5888/営業時間 15:00-26:00)
  • 参加費:5,000円(税込)
  • 定員:26名+スタンディング席あり
  • 申込:Googleフォームで2026年10月11日まで受付
  • 主催:株式会社ロイヤルマイル(東京都新宿区新宿3丁目6番3号 ISビル4階/2016年6月設立/資本金100万円)
  • 特典対象店舗:BAR LIVET、BAR Shinjuku Whisky Salon、BAR TOKYO BOURBON CLUB、BAR LAST WORD

チャージの金額や特典を使える期間については、来店前に各店へ直接確認するのが確実だ。

まとめ:次に手を付ける順番

テイスティングノートという配布物は、記録の様式と来店の合図と姉妹店の案内を一枚に束ねている。参加者26名規模でも成立する紙のノベルティで、ここまで積めるという事例だ。

自社の企画に落とすなら、順番はこうなる。まず自社の商品やサービスに「客が自分で記録したくなる履歴」があるかを棚卸しする。あれば記録フォーマットを作り、提示を特典の条件に置く。次に有効期限・利用回数・譲渡可否の3点を文言として確定させ、配る物と減額する権利を告示のどの号で整理するかを法務と合わせたうえで、印刷を発注する。最後に、店舗やスタッフに提示件数の記録方法を1枚のメモで配る。この順で踏めば、配って終わるノベルティと、半年後も客の鞄に入っているノベルティの差が出る。

ノベルティの中身を企画する段階から、どこで提示させてどこに送客するかを決めておくと、同じ予算で取れる来店数が変わる。ノベルティの企画・製作のご相談はノベルティの窓口まで。

参照元

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編集:食品ノベルティの窓口 編集部(株式会社Agriture)
農業×食のOEM窓口として、業界動向を編集部がまとめています。
最終更新:2026.10.12
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この記事を書いた人

小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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