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自社の物流センター5,000㎡を4日だけ売場に変えたきもの京彩の催事

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2026.10.13
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自社の物流センター5,000㎡を4日だけ売場に変えたきもの京彩の催事

きもの専門店の「きもの京彩」が、2026年10月16日(金)から19日(月)の4日間、神奈川県平塚市にある自社の物流拠点を売場にして展示即売会を開く。発表は10月9日17時10分、まるやま・京彩グループの本部にあたる株式 […]

きもの専門店の「きもの京彩」が、2026年10月16日(金)から19日(月)の4日間、神奈川県平塚市にある自社の物流拠点を売場にして展示即売会を開く。発表は10月9日17時10分、まるやま・京彩グループの本部にあたる株式会社紅輪(川崎市高津区、代表 丸山伸一)がPR TIMESで配信した。会場の「MKグループ平塚物流センター」は延床面積1,517坪(約5,000㎡)で、普段はきもの・帯・反物・和装小物を動かしている倉庫だ。

販促やイベントの担当者にとって、ここで見るべきは着物そのものではない。会場に使ったのが借りた催事スペースではなく、自社の物流施設だという点だ。会場費の考え方が変わると同時に、来場者数の上限が別の場所に移る。そこが自社の企画にそのまま持ち帰れる部分になる。

目次

10月16日から4日間、平塚の倉庫が売場に切り替わる

発表されている内容を整理する。イベント名は「MKグループ平塚物流センター開放セール」。会場は神奈川県平塚市田村8丁目21-9のMKグループ平塚物流センターで、開催期間は10月16日(金)から10月19日(月)まで。リリースの開催概要では開催時間を10時から18時(最終受付15時半)と書いている。駐車場は20台で、事前の問い合わせが必要と添えられている。

売場に並ぶのは、久保田一竹、本藍染、きぬたやといった作家物・産地物に加えて、全国の紬、博多帯、振袖、グループのブランド「都粋」の商品。さらにワケあり商品とリユースきものも出す。七五三を集めた強化コーナー、新作からアウトレットまで並べる振袖コーナー、そして来場者が自宅のきもの・帯を持ち込める査定・買取キャンペーンが同時に動く。グループのアップサイクルブランド「絹彩(きぬいろ)」の紹介も載っている。

割引は「DONDONセール」という名前で、新品の着物・帯を対象に購入点数で率が変わる。予約は振袖サイトの専用フォーム。リリースは「イベントの詳細情報につきましては、公式ご案内HP、または京彩店舗へお問い合わせください」と案内しており、会社情報ブロックには本部の044-281-4529(月~金/10:00~17:00、土日休み)が載る。本部は土日が休みだが、常設店は商業施設のテナントで土日も営業しているので、会期中の土日の確認は店舗側が窓口になる。駐車場が「事前にお問い合わせください」である以上、車で行くなら枠の確保だけは先に済ませておきたい。

住所が公開されている6店はいずれも商業施設のテナント区画にある

なぜ倉庫を開けるのか。理由は発表に書かれていないが、常設店の立地を並べると見当がつく。リリースの企業情報によれば「きもの京彩&エイル」は神奈川県内に9店舗、東京都町田市に1店舗を展開する呉服店とフォトスタジオだ。そのうち案内ページに住所が載っている6店舗を並べると、ラスカ平塚(湘南ステーションビル4F)、いせはらcoma(2階)、ショッパーズプラザ海老名(2F)、アミューあつぎ(3F)、西友町田店(5F)、湘南モールフィル(2F)。6店舗とも商業施設のテナント区画で、しかも2階から5階に入っている。

テナント区画の面積には上限がある。作家物からワケあり品、リユース、振袖のアウトレットまでを同時に広げるのは、常設店の床では難しい。一方、物流センターには延床1,517坪があり、商品はもともとそこに置かれている。結果として、商品を店へ運ぶのではなく、人を商品のある場所へ呼ぶ形になっている。

商業施設側に催事スペースを取りに行く設計と比べると、先に固定される条件が入れ替わる。羽田で35日、福岡で16日と会期を取り、平台ひとつで売っていた架空のみやげ屋のポップアップは、場所を貸してもらう前提だから日数を長く取れた。平塚は場所が最初から手元にある代わりに、空けられる日数が4日しかない。どちらが有利という話ではなく、会場を持っているかどうかで、企画の自由度が残る場所が変わる。

割引が始まるのは2点目から、点数で率が上がる

DONDONセールの条件は公表されている。新品の着物・帯が対象で、一部対象外の商品があると注記されている。

購入点数 割引率
1点 ―(階段は2点から始まる)
2点 5%OFF
3点 10%OFF
4点 15%OFF
5点以上 20%OFF

公表されている率は2点以上の分だ。階段が2点目から立ち上がるので、1点選んだ人に「もうひとつ足せば5%」と言える構造になる。きものと帯のように組み合わせて使う商品だから成立する刻み方で、販促の特典に置き換えると「1,000円以上で粗品」型ではなく「2点目から特典が始まる」型にあたる。点数で刻むか金額で刻むかは、自社商品が単品で完結するか、組み合わせで使われるかで分かれる。

会場の条件そのものも、常設店とは別物になる。

項目 常設店(きもの京彩&エイル) 平塚物流センター開放セール
会場 商業施設のテナント区画(案内ページ掲載の6店舗はすべて館内2~5F) 自社物流拠点、延床1,517坪(約5,000㎡)
店舗数・会場数 神奈川県内9店舗+東京都町田市1店舗 1会場のみ
営業日 施設の営業時間に準じる通年営業 10月16日~19日の4日間
来場の入口 館の通行客+店舗予約 専用予約フォーム・電話(駐車場20台)
品揃え 逸品・一般呉服・振袖・卒業袴 作家物、紬、博多帯、都粋、ワケあり品、リユースきもの

7月の歌舞伎座企画で274名を集めたグループだ

今回のリリースに来場目標は書かれていない。ただし同じ本部が配信した直近の発表を見ると、このグループが数字を公表する習慣を持っていることがわかる。

2026年7月29日の発表では、7月20日に歌舞伎座で開かれた「歌舞伎座 着物・ゆかたの日」に合わせた特典付き観劇プランの利用者が274名だったと公表している。同じ発表の中で、前回(2026年1月)の「歌舞伎座 着物の日」の参加者は135名で、今回は約2倍になったと書いている。松竹株式会社との共同企画は5回目で、次回は2027年1月に予定しているとも告知されている。

その7月の企画では、一等席の観劇チケットにグループ全店で使える4,000円分の「お着物お手入れ商品券」、着崩れのお直しサービス、歌舞伎座オリジナルグッズを組み合わせていた。初めて歌舞伎座入口付近に専用受付を設け、特典の受け渡しと記念撮影会の案内を行ったことも記載がある。お直しサービスの利用者からは「素早くきれいに直してもらえて助かった」「何度もお礼を伝えたくなるほどありがたかった」という声が寄せられたと同発表に載っている(いずれも7月29日の発表に掲載されたコメントで、今回の平塚の催事のものではない)。

135名から274名への推移を出し、次回の月まで先に告知する。この公表の仕方は、販促の効果を社内で通すときの材料としても参考になる。1回目の数字を出しておかないと、2回目に倍になったことを誰にも説明できない。

自社施設を会場にするなら先に決めるのは来場の上限

自社施設なら、賃料や催事枠の交渉から入らずに5,000㎡を使える。ただし平塚の発表を読むと、来場の上限は広さとは別の数字で決まっている。駐車場20台だ。

予約フォームの選択肢を見ると、来店予定日は16日から19日の4日、時間帯は10時から17時までの1時間刻みで8枠。4日×8枠で32枠が用意されている。そこに駐車場20台という制約が重なる。倉庫は駅前の商業施設と違って館の通行客をあてにできないので、来場者は「来ると決めて移動してきた人」に寄る。プレスリリースに文字で書かれているアクセス情報は、この駐車場20台(事前に問い合わせ)だけだ。

自社の施設や工場を会場にする企画を立てるとき、最初に押さえるのは床面積ではなく、この来場上限のほうだ。駐車台数、エレベーターや階段の幅、トイレの数、同時に対応できる接客スタッフの人数。どれかひとつが詰まると、残りをどれだけ広く取っても人は入らない。andoorの二子玉川ポップアップも、編集長が店に立つ時間を4日で12枠に絞って先に出していた。何枠まで受けられるかを決めてから告知する順番は、自社会場でも変わらない。

会場を自前にすると什器とサインの発注が全部こちらに来る

販促資材の担当者にとっての論点はここだ。商業施設の催事スペースを借りると、床・照明・レジ動線・什器・警備・清掃のかなりの部分が施設側の仕様で用意される。自社倉庫を売場に変える場合、それらは発注側の仕事になる。自社施設を会場にしたときに自前で用意する側に回るのは、おおむね次の顔ぶれだ。

  • 来場者を敷地内のどこから入れ、どこを歩かせるかの導線サイン
  • フォークリフトや保管エリアに人が入らないようにする区画の仕切り
  • 商品を広げて見せるための平台・ハンガーラック・姿見
  • レジと査定・買取の受付を分けるカウンター
  • 駐車場をさばく誘導看板と、満車時の案内
  • 作業用照明のままでは色が見えにくい商品のための追加照明

衣類や布物を扱う催事では、色が正しく見えるかどうかが成約を左右する。倉庫の天井照明は作業のために設計されているので、売場の光とは質が違う。自社施設を会場にするコスト計算では、浮いた賃料と、この手の持ち込み資材の費用を同じ表に並べたほうがいい。

在庫も物流も持たない方向に振り切った設計と比べると、この重さがはっきりする。通信データをそのまま景品にして25,110名の当選に在庫も物流も持たせなかったpovoの企画は、物を動かさない代わりに手に取る体験を置いていない。平塚はその逆で、5,000㎡の実物に触らせる代わりに、会場づくりの手間を全部引き受けている。

告知されている開催時間が2つある

ここは実務的な注意として押さえておきたい。開催時間の表記が、プレスリリースと特設ページで食い違っている。

項目 内容
イベント名 MKグループ平塚物流センター開放セール
会期 2026年10月16日(金)~10月19日(月)の4日間
時間(プレスリリース) 10時から18時(最終受付15時半)
時間(特設ページ) 開催時間10:00~、受付時間17:00(最終日受付は15時まで)
会場 MKグループ平塚物流センター
所在地 〒254-0013 神奈川県平塚市田村8丁目21-9
駐車場 20台(事前に問い合わせ)
予約 専用フォーム(来店日・時間帯の第一/第二希望、氏名、フリガナ、メール、電話、郵便番号、住所まで必須)
問い合わせ 044-281-4529(月~金/10:00~17:00、土日休み)
同時開催 きもの・帯の査定・買取キャンペーン、七五三強化コーナー、振袖コーナー

最終受付が15時半なのか17時なのかで、午後に行く人の判断が変わる。来場するなら電話で確認してから動くのが早い。発表には内容・特典が予告なく変更または終了する場合があるという注記も入っている。

告知物をつくる側として見ると、これは自社でもやる種類のつまずきだ。リリースと特設ページとフォームを別々のタイミングで用意すると、時間と条件がずれる。会社情報ブロックの数字も配信ごとに動く。7月29日の発表では「創業55周年」、10月9日の発表では「創業56周年」と書かれている。これは正しい更新かもしれないが、複数ブランドで同じ会社情報を使い回す企業ほど、年数のような可変の数字は配信前に見直す対象になる。日付・時間・金額・年数だけを抜き出して突き合わせる手順を入れておくと防げる。

自社の遊休スペースを会場として棚卸ししてみる

平塚の事例から持ち帰れるのは、会場は借りるものだという前提を一度外してみることだ。自社に倉庫、工場、駐車場、空いているフロア、使っていない研修室があるなら、それは販促の会場候補になる。具体的な次の一手を3つ挙げる。

  1. 自社施設の延床と、同時に入れる人数の上限(駐車台数・動線幅・スタッフ数)を数字で出す。広さより上限が先
  2. 4日なら止められる業務と、止められない業務を仕分ける。物流稼働を止める日のコストを賃料の代わりに計算表へ入れる
  3. 会場を自前にしたときに自分で用意する資材(導線サイン、仕切り、平台、ラック、追加照明、誘導看板)を先に洗い出し、賃料の節約額と並べて比較する

そのうえで、来場者に「持ってくる理由」を足せるかを考えたい。平塚が査定・買取を同時に動かしているのは、買う予定がない人にも足を運ぶ理由を渡す仕掛けだ。自社商品の下取り、回収、メンテナンス受付のどれかを催事に接げるなら、会場が駅前でなくても人は来る。

参照元

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編集:食品ノベルティの窓口 編集部(株式会社Agriture)
農業×食のOEM窓口として、業界動向を編集部がまとめています。
最終更新:2026.10.13
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この記事を書いた人

小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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