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コカ・コーラ36シールで乾杯グラス確定、抽選を併設した二層設計

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2026.07.29
・読了目安 6分

コカ・コーラ36シールで乾杯グラス確定、抽選を併設した二層設計

コカ・コーラが2026年に始めたレシート応募キャンペーンを販促担当目線で分析。36シールで乾杯ペアグラスが確定でもらえる仕組みと、抽選を併設した二層設計が継続購入をどう促すかを解説する。

日本コカ・コーラが2026年7月27日から「乾杯ペアグラス 絶対もらえる!」キャンペーンを始めた。対象のコカ・コーラを買ったレシートをLINEで送るとシールが貯まり、36枚で乾杯ペアグラス1セット(2個)が抽選ではなく確定でもらえる。応募は同年11月22日まで。飲料の大型施策だが、閾値に到達すると景品が確定する「マイル型(スタンプ型)」の組み方は、来店促進や継続購入を作りたい販促・イベント・広報の担当者にとって、そのまま参考にできる設計だ。抽選一本槍との違いはどこにあるのかを分解する。

目次

コカ・コーラは36シールに確定景品、1〜20シールは抽選で二層に分けた

今回の景品は、貯めたシールの枚数で受け取り方が二層に分かれている。少ない枚数のうちは抽選で当たり、枚数が伸びると確定でもらえる。公式ランディングページに記載された内訳を整理すると次のようになる。

  • 1シール:PayPayポイント500ポイントが抽選で3,000名
  • 20シール:PayPayポイント3,000ポイントが抽選で1,000名
  • 36シール:乾杯ペアグラス1セット(2個)が確定
  • 48シール:乾杯ペアグラス2セット(4個)が確定
  • 60シール:名前入り乾杯ペアグラス1セットが抽選で1,000名

対象はコカ・コーラ オリジナル、ゼロ シュガー、ゼロ カフェイン、プラスの各サイズ。1本で1シール、1500ml以上のPETは1本で2シール貯まる。グラスはソーダガラス製で容量370ml。名入れ版はサンド加工でアルファベット大文字と一部記号を最大22文字(上下2段・各段11文字以下)まで入れられる。応募はLINEから購入本数を入力し、レシートまたは購入明細の画像を送る流れで、シール台紙も郵送も要らない。

注目したいのは、36枚という高めの閾値に確定景品を置きながら、その手前の1枚・20枚に抽選を刺している点だ。36枚は500mlを36本、1500mlのPETでも18本買わないと届かない。この距離を一気に走らせるのではなく、途中に小さな当たりを置いて離脱を防いでいる。

抽選は瞬間風速、確定マイル型は「あと何枚」で次の1本を買わせる

抽選型と確定型は、動かせる購買行動が違う。抽選型は「1回買えば当たるかもしれない」という期待で初回購入のハードルを下げるのが得意だ。話題性が出やすく、認知の瞬間風速を作る。一方で、外れた人には次に買う理由が残らないため、継続購入までは伸びにくい。

確定型(マイル型・スタンプ型)は逆の性質を持つ。ゴールが「運」ではなく「枚数」なので、消費者の頭のなかに「あと何本で確定するか」という残数が常に置かれる。この残数が次の1本を選ぶ理由になる。マイレージ施策がリピーター育成や継続購入の文脈で語られるのは、この「あと少しで完成する」感覚が購買を反復させるからだ。棚の前で他社飲料と迷ったとき、シールがあと数枚という状態が最後のひと押しになる。

コカ・コーラの二層構造は、この二つの弱点を互いに補っている。抽選側(1枚・20枚)が初動の間口を広げて「まず1本」を促し、確定側(36枚・48枚)が貯め始めた人を最後まで引っ張る。48枚でセット数が倍になる階段を足しているのも、36枚で満足して止まる人に、もう一段の目標を見せるためだ。

名入れグラスを確定ではなく抽選60シールに置いた理由

この施策で運用者が学べるのは、名入れ(パーソナライズ)景品の置き場所の判断だ。名前が入った景品は満足度が高く、手元に残りやすい。転売もされにくく、使うたびにブランドとの接触が続く。エンゲージメントの観点では確定景品にしたくなる。

ところがコカ・コーラは、名入れ版を確定コースではなく60シールの抽選側に置いた。ここには受注生産の現実がある。名入れはサンド加工の個別対応で、当選者が決まってから文字データを受け取り、1点ずつ加工する。確定景品にすると受け取り人数が読めず、加工のリードタイムと原価が膨らむ。抽選で当選1,000名と枠を切ることで、名入れの生産量を確定させている。無地の乾杯グラスは同一仕様の量産品だから、人数が読めなくても確定景品として配りやすい。

販促担当が名入れノベルティを企画するときも、同じ分岐が起きる。全員配布にするなら量産できる無地・共通デザインを主役にし、名入れは「上位の当選者だけ」「一定金額以上の購入者だけ」と枠を絞ると、リードタイムと原価が読める。名入れをどこに置くかは、ブランド体験と生産管理の綱引きで決まる。

抽選型と確定マイル型の使い分け早わかり

どちらが優れているという話ではなく、狙う成果で選ぶ。自社で販促を組むときの目安を整理した。

比較軸 抽選型 確定マイル型(今回の36枚)
得意な成果 認知拡大・初回購入・話題化 継続購入・リピーター育成・LTV
購買への効き方 「当たるかも」で1回買わせる 「あと何枚」で反復購入させる
景品原価の読みやすさ 当選者数で固定でき読みやすい 到達人数が読めず変動しやすい
離脱のリスク 外れると次の理由が消える 閾値が高すぎると途中離脱
向く景品 高単価・少数の目玉景品 量産できる実用品・パーソナライズ

コカ・コーラは両方を一つの導線に同居させ、抽選で間口を、確定で継続を取りにいった。予算が限られる中小規模の販促なら、まずどちらの成果が欲しいかを一つに絞ってから景品を選ぶと設計がぶれない。閾値到達で報いる考え方は、購入金額の刻みで景品を出し分けるケロロ軍曹PLAZAのミニカード設計や、外れ券を捨てさせずに二段目の抽選へ回す一番くじ銀魂展のダブルチャンス設計とも通じる。

自社で組むなら、抽選型と確定マイル型のどちらを主役にするか

今回の施策を自社の販促に持ち込むときも、抽選型と確定マイル型は優劣ではなく、取りにいく成果で分かれる。瞬間の話題と初回購入を広げたいなら抽選、継続購入と毎日の接触を積み上げたいなら確定マイル型が向く。確定側を主役にするなら、閾値は届きそうで簡単ではない高さに置く。低すぎると原資が割れ、高すぎると離脱するため、コカ・コーラが36本という距離の手前に抽選の小当たりを刺したように、ゴールが遠いほど中間の報酬で脱落を抑える。

景品の作り方も、この二択で変わる。確定景品は無地の乾杯グラスのような量産できる共通仕様にしておけば、到達人数が読めなくても配れる。全員配布の景品にパーソナライズを混ぜると原価とリードタイムが読めなくなるので、名入れは当選枠を絞った抽選か上位購入者に寄せ、生産量を先に固定してから走らせる。応募をLINEのレシート画像送信で軽くすれば、シール台紙の印刷や郵送を省け、参加のハードルと事務局コストが同時に下がる。グラスやタオルのような実用ノベルティは繰り返し使われるたびにブランド名が目に入るぶん、確定側の景品と相性がいい。景品の性格を決める前に、抽選で瞬間の話題を取るのか確定で毎日の接触を取るのかを言語化しておくと、施策全体の軸が定まる。名入れの実装可否や単価感は、名入れスマホリングを展示会で配れるかを検証した記事もあわせて見ると、企画の解像度が上がる。

参照元

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編集:食品ノベルティの窓口 編集部(株式会社Agriture)
農業×食のOEM窓口として、業界動向を編集部がまとめています。
最終更新:2026.07.29
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この記事を書いた人

小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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