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配るノベルティから飾る記念品へ、竹32パーツのサッカーボール

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2026.07.28
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配るノベルティから飾る記念品へ、竹32パーツのサッカーボール

株式会社アステップ(千葉県船橋市)が2026年7月22日、竹集成材のパーツ32枚を球体に組んだ観賞用のサッカーボール「BAMBOO SOCCER BALL」を発表した。応援購入サービスのMakuakeで7月24日から8月 […]

株式会社アステップ(千葉県船橋市)が2026年7月22日、竹集成材のパーツ32枚を球体に組んだ観賞用のサッカーボール「BAMBOO SOCCER BALL」を発表した。応援購入サービスのMakuakeで7月24日から8月30日まで先行販売し、六角形のパーツにチーム名や記念日、企業ロゴをレーザーで刻める。応援購入価格は税込31,840円から39,800円と、販促品というより表彰楯に近い帯に置かれている。卒団、優勝、周年といった贈答の場面に対して、配って手元から消えていく販促物ではないものを差し込んできた設計になっている。

目次

竹32枚を球に組み、六角面の中央40mm四方に名前を刻む

構成は五角形12枚と六角形20枚の計32枚。竹集成材を切り出して球体に組み上げ、専用の台座が付く。直径は約22cmで、同社は5号球と同じサイズだと説明している。重量は台座を含めて約1.76kgとされ、個体差がある旨が注記されている。五角のパーツには燻しの色味が入り、台座は天然と燻の二層構造で仕上げると案内されている。

名入れが入るのは六角形のパーツで、レーザー加工により名前、チーム名、記念日、感謝の言葉、企業ロゴを刻める。Makuakeのプロジェクトページでは、刻印範囲は六角パーツ中央のおよそ40mm×40mmと案内され、対応する文字は英字・ひらがな・カタカナ。竹の材質特性上、レーザー印字加工に「ムラが出ることがあります」という但し書きも置かれている。

キービジュアルに添えられた言葉は「四年後へ、キックオフ。名前を刻むサッカーボール。」。競技用ではなく観賞・記念用のオブジェであることを、リリースは早い段階で断っている。

貸おしぼりから竹の専業へ、刻印を自社で回せる会社の出方

アステップの創業は1963年、東京都港区白金で始めた貸おしぼり業「白金タオル」にさかのぼる。法人化は1977年2月で、当時の社名は株式会社千葉ラブリン。現在の社名になったのは2003年と、同社の会社概要には記されている。資本金は3,500万円、代表取締役は西内毅氏。設立年の表記は割れていて、プレスリリース本文は「設立:1963年2月」、PR TIMESの会社概要欄は「1977年02月」と出る。創業年を取るか法人化年を取るかの違いで、自社ドメインが1963astep.comである理由もここにある。

竹への転換について、リリースには「一本の竹箸から始まり、竹歯ブラシ、ホテルアメニティ、家具、インテリア、建材へと、竹の用途を広げてきました。」と書かれている。自社サイトのトップページでは、竹製品をホテルアメニティや客室装備品へ展開し「全国に6,000件以上の店舗・施設で採用されています」としている。ホテルアメニティを軸にしたBtoBの供給網を持ち、竹の加工と名入れを自社の守備範囲に置いてきた会社が、消費者向けの記念品に出てきた形になる。刻印を外注に出さずに済む会社だからこそ、100個規模でも成立する日程が組めている。

公式球の基準と並べると、この製品が何を捨てたかが見える

項目 BAMBOO SOCCER BALL 日本サッカー協会が定める5号球の基準
大きさ 直径約22cm(5号球と同サイズと説明) 外周68.0〜70.0cm
重さ 約1.76kg(専用台座を含む・個体差あり) 410〜450g
名入れ 六角パーツ中央 約40mm×40mmにレーザー刻印
用途 観賞・記念用のオブジェ(競技使用不可) 公式戦での使用

協会のガイドラインが定める5号球は、外周68.0〜70.0cmで重さ410〜450g。台座込みという条件付きではあるが、約1.76kgは公式球の4倍前後にあたる重さだ。直径だけを実物に合わせ、重量と弾性は最初から手放している。蹴れないことを仕様として引き受けた結果、置き場所が床から棚へ移る。

この割り切りが、販促物としての性格を変えている。使うものは使い切られて捨てられるが、飾るものは捨てる判断そのものが先送りされ続ける。もらった側が処分に踏み切らない条件を整理した調査は当サイトでも扱ったが(PPAI調査:5,000人データで判明 — ノベルティ「もらっても捨てる」を防ぐ3つの条件とは)、そこで効いてくるのは実用性の高さだった。竹のボールは反対側から入っている。実用性をゼロにする代わりに、名前と日付という別の捨てにくさを持ち込んだ。

作り手・プラットフォーム・記念品流通、三者で見え方が違う

作り手であるアステップは、リリースで「竹を箸だけの素材ではなく、『未来の素材』として社会へ広げていく。」と書いている。あわせて「竹製品のカーボンフットプリント算定をはじめとするGXを推進するとともに、放置竹林についても、竹の用途開発と産業化を通じた解決モデルの構築を目指しています。」とも述べており、記念品単体ではなく竹の用途開発の一環という位置づけを崩していない。

プラットフォーム側の見え方も添えておきたい。マクアケ社が実行者を対象に行った調査では、およそ7割の実行者がMakuakeでの実績を活用して一般販売に進んだと公表されている。先行販売は売り切りの舞台ではなく、一般流通へ持ち込む前の実証枠として使われている、という整理になる。

記念品を売る側から見ると、価格の意味がまた変わる。卒団・卒部の記念品を扱う通販各社の予算ガイドでは、一人あたりの目安を2,000〜5,000円前後に置くものが多い。39,800円という単価は、一人ひとりに配る前提で見ればおよそ10倍の水準になる。ここがこの製品を読み解く分岐点になる。

一人1個をやめると、卒団の予算表はどう組み替わるか

仮に卒団生が15人のチームだとして、一人4,000円の記念品を配れば総額は60,000円。同じ枠のなかで、チームに1個だけ39,800円のオブジェを置くという選択が成立してしまう。総額は下がるのに、手元に残るものは1個しかない。この交換を保護者会が飲めるかどうかが、企画としての勝負どころになる。

配布型は、渡した瞬間に完了する。持ち帰られた先で何が起きるかは追えないし、翌年の入団説明会にも出てこない。1個ものは逆で、クラブハウスや練習場、企業なら受付やショールームに据え置かれ、そこへ来る人の目に何度も入る。刻まれた年度と名前は、来年その場所に立つ子どもと保護者に向けて、このチームには積み重ねがあるという情報を出し続ける。接触回数を配布数ではなく設置期間で稼ぐ構造に切り替わる。

六角のパーツが20枚あることは、この設計に幅を持たせる余地になる。ただし何面まで刻印を入れられるか、翌年度分を後から追加できるかは公表されていない。一面ずつ年度を足していけるなら、卒団記念品は毎年の消費ではなくチームの年表という資産に変わる。発注前に確認しておきたいのはここだ。

企業の周年でも読み替えは効く。全社員に配る企画は社員の自宅へ散り、エントランスに1個据える企画は来訪者と採用候補者に見られ続ける。予算の桁が同じでも、届く相手が入れ替わる。

100個という初回ロットの切り方に、受注生産の型が出ている

価格は3段階で、超早割31,840円が10個、早割35,820円が20個、Makuake特価39,800円が70個。合計100個で打ち止めになる。段階割引は早く決めた人への対価であり、限定数はそのまま在庫リスクの上限として機能する。名入れ品は刻印を入れた時点で転売先が消えるため、見込みで作り置きができない。受注を先に閉め、加工枠を後ろに置く順序が、この商品の生産管理の骨格になっている。もっとも、逃げ道は最初から用意されている。リリースには「レーザー加工を行わない「刻印なし」も選択できます。」との注記があり、Makuakeのリターン欄でも購入後の設問で加工の有無を選ぶ形になっている。締切までに画像が届かなければ無加工で届けるとも書かれていて、刻印しない在庫は普通の商品として残せる。

日程を並べるとその意図が読める。応援購入は8月30日まで、刻印データの入稿締切は8月31日午後5時、お届けは9月末まで。刻印工程に確保されているのは1か月弱で、100個という数量はその枠に収まる分量として選ばれたと考えるのが自然だ。名入れ企画を自社で組むときも、締切を1日単位で切ってから数量を決める順序は真似できる。

小ロットで名入れ品を回す動きそのものは、この製品に限らない。1個から作れるスマホリングの受託が始まった件も扱ったが(ヨツバ印刷が1個から作れるスマホリング受託開始——小ロットノベルティの新選択肢)、そちらは単価を下げて数を細かく刻む方向だった。竹のボールは単価を上げて数を絞る方向で小ロットを成立させている。同じ小ロット化でも、利益の取り方が正反対を向いている。

竹を「配る」から「残す」へ動かすと、素材の出口が変わる

林野庁の統計をもとにした報道では、国内の竹林面積は2012年時点で約16万ヘクタールとされ、拡大傾向が続いてきた。竹の用途開発が語られる背景にはこの数字がある。ただし、この製品について竹1個あたりのCO2吸収量や環境負荷の数値は公表されていない。環境効果を定量的に語れる材料は、今のところ出ていないと考えたほうがよい。

それでも、産業としての見え方は動く。箸や歯ブラシは一度の食事や数か月の使用で役目を終え、1本あたりの単価も低い。飾る製品は1個あたりの竹の使用量が多く、単価も二桁違ってくる。竹素材のノベルティは環境配慮の文脈で語られることが多く(SDGsノベルティ2026|リサイクル・竹素材で差をつける販促術)、置き換えの相手はプラスチックの消耗品が中心だった。記念品という出口は、その延長線ではなく別の棚を取りにいく動きになる。

販促担当の側でも、素材を理由に選ぶ段階から、素材の見た目を理由に選ぶ段階へ移りつつある。環境訴求の文章を添えなくても形として成立するかどうかが、次に出てくる竹製品の分かれ目になる。

発注前に押さえる仕様と日程

項目 内容
商品名 BAMBOO SOCCER BALL(株式会社アステップ)
応援購入価格 超早割31,840円(限定10個)/早割35,820円(限定20個)/Makuake特価39,800円(限定70個)※いずれも税込
公開期間 2026年7月24日(金)〜8月30日(日)
お届け予定 2026年9月末まで
刻印データ締切 2026年8月31日 午後5時
刻印仕様 六角パーツ中央 約40mm×40mm/英字・ひらがな・カタカナ/jpg・png(300dpi以上推奨)を指定フォームへ入稿
刻印できないもの 著作権を侵害するもの、版権を持たないロゴ・デザイン、公序良俗に反する文字や単語
注意事項 競技用ではなく観賞・記念用。レーザー加工を行わない「刻印なし」も選択可(締切までに画像未着なら無加工で出荷)。竹の材質特性によりレーザー印字にムラが出る場合あり。製造国は中国
所在地 千葉県船橋市南三咲4-17-10 TAKETORI HOUSE
問い合わせ 電話047-464-2815/info@1963astep.com/https://1963astep.com/

企業ロゴを刻む場合は、そのロゴの版権が自社にあることを社内で確認してから入稿する。ライセンス品や共同ブランドのマークは、この条件に引っかかりやすい。

まとめ

今年度の卒団や周年で1個ものを検討するなら、動く順番は決まっている。8月30日の受付終了と8月31日午後5時の入稿締切から逆算し、刻む文言を先に確定させる。40mm四方に収まる字数はそう多くないので、チーム名と年度だけを入れるのか、代表者名まで入れるのかを、保護者会や社内で先に決めておく。

自社で似た設計を組むなら、確認する順序も同じでよい。第一に、配布数ではなく設置場所を先に決める。置き場所が決まらない記念品は、結局どこかの棚で行き場を失う。第二に、刻印後は在庫が資産にならない前提で、限定数と締切をセットで設計する。第三に、翌年以降も同じ形で足していけるかを、初回の発注時に加工先へ確認しておく。1回で終わる記念品と、毎年積み上がる記念品では、2年目以降の企画コストがまるで変わってくる。

参照元:PR TIMES(株式会社アステップ)Makuake株式会社アステップ 会社概要日本サッカー協会 サッカーボール等の検定制度ガイドライン株式会社マクアケ日本経済新聞ギフトモール

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編集:食品ノベルティの窓口 編集部(株式会社Agriture)
農業×食のOEM窓口として、業界動向を編集部がまとめています。
最終更新:2026.07.28
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この記事を書いた人

小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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