オンデマンドプリントの株式会社イメージ・マジック(東京都文京区、東証グロース7793)が、2026年7月23日に「コットンポーチ巾着(S)」「コットンポーチ巾着(M)」の販売を始めた。同社が運営するECサイト「オリジナルプリント.jp」で1点から注文でき、価格は1個あたり159円~(税込・プリント代別)。マチ付きの厚手コットン、6色展開で、プリントは4方式から選べる。販促担当が確認すべきなのは巾着そのものの仕様より、この「159円~」という表示が見積書のどの行に入る数字なのか、という点にある。小規模イベントの試作を社内で通せるかどうかが、ここで決まる。
価格欄の「159円~」は税込で、プリント代を含まない
PR TIMESでの発表は2026年7月24日13時。商品概要欄には、商品名、発売日(2026年7月23日)、価格「1個あたり 159円~(税込・プリント代別)」、対応プリント方法4種、最小ロット「1点から注文可能」、注文方法(商品ページの「デザインツール」より入稿)が並んでいる。読み落としやすいのは括弧の中身で、159円は税込表示であり、プリント代を含まない。無地の巾着を1枚手に入れる値段が159円からで、そこにデザインを載せる費用が別に積み上がる構造になっている。
そのプリント代の金額は、リリースに一切書かれていない。方式ごとの単価も、版代の有無も、色数による差も、数量を増やしたときの逓減率も公表されていない。総額を知る手段は、商品ページで数量とプリント方式を指定して見積もりを出すことに限られる。ここを159円×個数で概算して稟議に載せると、実際の請求額との差が後から効いてくる。
寸法も同様だ。S・Mの2サイズがあり、どちらもマチ付き、という記述までで、実寸はリリースに載っていない。Mについては「文房具や手帳、お弁当入れにも最適」という用途の説明があるだけで、mm単位の数字は公表されていない。カラーも「ナチュラルを含む6色展開」とあるのみで、残り5色の色名は明かされていない。生地は「厚手コットン」と表現されているが、オンス数の記載はない。
「必要なものを必要な分だけ作る」会社が、巾着を1点単位に置いた
イメージ・マジックは1995年創業。会社概要には、創業以来「必要なものを必要な分だけ作る」を推進してきた、と書かれている。SDGsの中ではゴール12の「つくる責任つかう責任」を重点項目に据えているとも記す。オリジナルプリント.jpは2,200種類以上のアイテムを扱い、1点からの小ロットと法人の大量生産を同じ導線で受ける設計になっている。今回の巾着ポーチは、その棚に1品目が足された形だ。
この1品目追加が事業全体でどの程度の重みを持つかは、数字を見ると輪郭がつかめる。2025年12月期の売上高は94億02百万円(前期比21.0%増)、営業利益は5億56百万円(同26.4%増)。うちオンデマンドプリントサービスが85億39百万円(同20.2%増)、ソリューションサービスが8億62百万円(同30.0%増)で、2026年12月期の会社計画は売上高107億円・営業利益6億50百万円とされる。品目単位で見れば小さな追加だが、既存顧客の購入頻度を押し上げる積み上げ方で伸びてきた会社であり、巾着ポーチもその積み木の一つに位置づけられる。
同じ棚に並ぶ巾着・ポーチと、表示価格を並べる
オリジナルプリント.jpのポーチ・巾着カテゴリには、素材や形状の異なる商品が同居している。新商品の価格を単独で見ても高いか安いか判断できないので、同カテゴリの表示価格を並べた。いずれも本稿執筆時点(2026年7月27日)に商品一覧ページで確認できた1点あたりの表示で、リリースの記載に従えば、この種の表示にプリント代は含まれない。
| 商品名 | 商品一覧ページの表示価格(1点あたり) |
|---|---|
| コットンフリル巾着(SS) | 110円~ |
| ライトキャンバスフラットポーチ(SS) | 154円~ |
| コットンポーチ巾着(S)※新商品 | 159円~ |
| スウェード風巾着(M) | 181円~ |
| キャンバスフラットポーチ(S) | 192円~ |
| コットンポーチ巾着(M)※新商品 | 198円~ |
| EVAクリアポーチ(M) | 198円~ |
| コットンカラーリボン巾着(L) | 203円~ |
並べて分かるのは、159円が同カテゴリの底値ではないことだ。より安い枠には110円台のフリル巾着やフラットポーチが先にいる。新商品が取りにきているのは最安値ではなく、マチという構造を持ちながら150円台に収まる位置で、Mサイズは198円からとなる。厚みのある中身を入れる前提でこの帯に入る商品は、この一覧の中では限られる。なお、リリースはS・M別の価格を書いておらず、159円~という下限だけを示している。
公表されている言葉は、発売元のものと購入者レビュー欄に限られる
この発表について、担当者名を出したコメントはリリースに含まれていない。現時点で確認できる言い分は、次の3つの立場のものだけだ。
ひとつは発売元自身の説明で、リリースはマチ付きの立体構造によって「従来の巾着に比べて高い収納力を実現」したと書き、用途として企業のノベルティ、イベントの販促品、クリエイターの販売用グッズ、ギフトラッピングを挙げている。画像キャプションでは「注文枚数が多いほどお得なシルクスクリーンにも対応!」と、数量が増える発注を明確に意識した書き方をしている。
ふたつめは購入者の声だが、新商品そのもののレビューはまだ出ていない。同じポーチ・巾着カテゴリのページに掲載されているのは別商品(ライトキャンバスフラットポーチSS)へのレビューで、7月付けの投稿として、仕上がりがイメージ通りだったという趣旨の書き込みや、買った時点では用途を決めていなかったという趣旨の書き込みが並ぶ。用途を決めずに1点買ってみた層が実在することは、この欄から読み取れる。
みっつめはIR側の見え方で、投資家向けレポートは同社の成長要因として既存顧客の購入頻度向上と新規顧客の獲得を挙げている。品目を足して1点発注のきっかけを増やす動きは、この説明と整合する。
試作1点と本番500点で、見積書の形が変わる
小規模イベントの担当者にとって、1点から作れることの本質は単価ではなく、意思決定の順番が変わることにある。従来なら、色と印刷位置を紙のイメージだけで決め、上長の承認を取り、最小ロットぶんをまとめて発注していた。実物は納品されるまで存在しない。1点から作れるなら、承認の前に現物を1つ置ける。
ここで効くのが4方式の構成だ。リリースが適性まで書いているのは実質2つで、「オンデマンド転写」はフルカラーを鮮やかに再現する方式として、「シルクスクリーン」は大口注文に適した方式として説明されている。インクジェットプリントとホワイトインクジェットプリントは名称の列挙にとどまり、どういう場面に向くかの記述はない。試作の1点と本番の数百点で、選ぶ方式が変わりうるという前提は、この書き分けから読み取れる。
実務上の落とし穴もそこにある。試作をフルカラー転写で作り、本番をシルクスクリーンに切り替えれば、単価は下がっても色の出方は同じにならない。方式を変えるなら、承認を取った現物と本番の見え方が別物になりうることを、稟議の段階で書き添えておく必要がある。デザインツールで3Dプレビューを確認してから小ロットで発注する流れは他社の名入れ商品でも定着しつつあり(3Dプレビューで確認、小ロットのミニBOXティッシュ名入れ)、画面上の確認と現物確認をどこで切り替えるかが判断の分かれ目になる。
「1点から」の実際の使われ方は、他社の小ロット提案と比べると分かれる
1点から作れる名入れ商品は、この巾着が初めてではない。1個から受託するスマホリング(ヨツバ印刷が1個から作れるスマホリング受託開始)のように、最小ロット1を打ち出す事例は増えている。一方で、昇華転写によって今治ブランドタグを保持したまま100枚から対応するタオル(コーエイトレードが今治タオルへの名入れノベルティを新提案)のように、素材やタグの制約から下限が三桁になる商品もある。
この差は品質の優劣ではなく、生産方式が何に縛られているかの違いだ。版を起こす必要がある方式では、1点の受注は割に合わない。版を使わないデジタル出力なら1点でも流せる。今回の巾着が4方式を1商品に同居させているのは、試作の1点と本番の大口を同じ商品ページで受けるためで、発注側から見ると、試作と本番で仕入れ先を変えずに済む。
業界全体としては、ノベルティの下限ロットが下がるほど、企画側の失敗コストが下がる。150円台の巾着を3色ぶん取り寄せて社内で回覧しても、商品代の実費は数百円台で収まる(プリント代は別途)。この金額なら、稟議を通さずに動ける裁量の範囲に入る担当者は少なくない。ロットの下限が下がることの効果は、単価の安さより、稟議を1回減らせることに現れる。
発注前に確認する項目
リリースで公表されている内容と、公表されていないため問い合わせが必要な項目を分けて整理した。
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 商品名 | コットンポーチ巾着(S)/コットンポーチ巾着(M) |
| 発売日 | 2026年7月23日(木) |
| 価格 | 1個あたり159円~(税込・プリント代別) |
| 最小ロット | 1点から注文可能 |
| カラー | ナチュラルを含む6色展開(他5色の色名は非公表) |
| 素材 | 厚手コットン生地(オンス数の記載なし) |
| プリント方法 | オンデマンド転写/インクジェットプリント/ホワイトインクジェットプリント/シルクスクリーン |
| 注文方法 | 商品ページの「デザインツール」より入稿 |
| 寸法・納期 | リリースに記載なし(要問い合わせ) |
| プリント代 | リリースに記載なし(商品ページで数量・方式を指定して確認) |
| 問い合わせ対応時間 | 平日10:00〜17:00(土日祝・同社指定休業日を除く) |
| サービス | オリジナルプリント.jp(2,200種類以上のアイテムを取り扱い) |
| 運営会社 | 株式会社イメージ・マジック(東京都文京区小石川1-3-11 ライジングプラザ後楽園6F/代表取締役社長 山川誠) |
まとめ
この発表から販促担当が持ち帰れるのは、巾着という商品そのものより、見積もりの読み方だ。159円は税込の商品代で、プリント代は別。寸法と納期は公表されていない。次に動くなら、商品ページのデザインツールで、試作1点と本番想定数量の2パターンを同じデザインで見積もり、単価がどこで折れるかを先に確かめておきたい。その2つの数字を持って初めて、「試作を1点作ってから決める」という進め方が社内で成立する。色名が非公表である以上、ブランドカラーに寄せたい場合は現物での色確認も工程に入れておくのが安全だ。
参照元:PR TIMES(株式会社イメージ・マジック)/オリジナルプリント.jp ポーチ・巾着カテゴリ/ブリッジレポート(7793 イメージ・マジック)
最終更新:2026.07.28
