NTTドコモが2026年9月25日、10月に始まる「dポイント」のキャンペーンを発表した。サブタイトルは「ららぽーと・三井アウトレットパーク、and ST、髙島屋などで開催」で、表に載ったのはこの3件。抽選に乗るために必要なポイントは合計10ポイント以上、1ポイント以上、100ポイント以上と施設ごとに別々だ。エントリーが要るものと要らないものも分かれた。ポイントを配る同じやり方でも、条件の置き方で集まる人数と使う金額が変わる。自社の特典企画でどちらを取るかを決めるとき、手元で比べられる3本になっている。
ためる条件が10ポイント・1ポイント・100ポイントに分かれた
愛知のららぽーと・三井アウトレットパークは抽選と10倍を分けた
キャンペーン名は「【愛知】【ららぽーと・三井アウトレットパーク】dポイント最大30,000ポイントあたるキャンペーン」。頭に地域が入っているとおり対象は愛知に絞られ、期間は2026年10月3日〜10月30日の28日間で、エントリー期間も同じだ。
特典は2本立てだ。1本目は抽選で1,000名に最大30,000ポイント。条件はサイトからのエントリー、10月30日までのdポイントカード利用者情報登録、対象店舗でカードを提示して合計10ポイント以上ためること。2本目の「もれなくdポイント(期間・用途限定)10倍」は、エントリーと登録に加えて対象5施設のうち2施設以上を使い(各施設で1ポイント以上ためる)、合計10ポイント以上ためることが条件になる。同じ10ポイントでも、抽選は1施設で満たしてよく、10倍は2施設以上を使うことが要る。ただし原文は「10ポイントの施設内訳は問いません」と添えており、ポイントの配分そのものは自由だ。数字は同じで求める行動が違う。対象5施設の名称は表になく、10月3日公開予定のサイトに送られている。
and STはエントリーが要らず、購入前のID連携が条件になる
and STは10月7日から10月14日まで。表には「※エントリー不要」と明記され、条件は10月14日までの利用者情報登録と、会員IDと「dアカウント」を連携したうえで対象店舗でカードを提示して1ポイント以上ためること。特典は抽選で1,000名に1,000ポイントで、金額の段差がない。
髙島屋は100ポイント以上をためた人だけを抽選に乗せる
「【髙島屋グループ】抽選でdポイント最大100倍キャンペーン」は10月14日〜11月10日の28日間。エントリーが必要で、登録に加え対象店舗で100ポイント以上ためることが条件になる。当選枠は2,060名で、1等が100倍/10名、2等が50倍/50名、3等が100ポイント/2,000名。1等2等は倍率、3等はポイント数と、単位の違う賞が混ざる。
当選枠を並べると、1,000名でも確定分の総量が3割違う
頭数だけ見ると愛知とand STはどちらも1,000名だが、内訳は別物だ。
| 施策 | 当選枠 | 賞の内訳 | 確定している進呈ポイント |
|---|---|---|---|
| 愛知のららぽーと・三井アウトレットパーク | 1,000名 | 1等30,000ポイント×20名/2等100ポイント×980名 | 698,000ポイント |
| and ST | 1,000名 | 1,000ポイント×1,000名 | 1,000,000ポイント |
| 髙島屋グループ | 2,060名 | 1等100倍×10名/2等50倍×50名/3等100ポイント×2,000名 | 3等分の200,000ポイント(1等2等は倍率のため購入額しだい) |
愛知は1,000名のうち980名が100ポイント
30,000ポイント×20名と100ポイント×980名を足すと698,000ポイント、1人あたりの平均は698ポイントになる。ただし当選者の98%にあたる980名が受け取るのは100ポイントで、平均値は実感から遠い。and STの1,000,000ポイントと比べ確定総量は約3割少ない。「最大30,000ポイント」は当選者の2%が届く数字だ。
髙島屋の2,060名は倍率とポイントが混ざる
10名+50名+2,000名で2,060名。倍率が当たるのは1等2等の60名で当選者の約2.9%にとどまり、残る2,000名は100ポイントの定額だ。倍率賞は購入額しだいなので、発表時点では総額が確定しない。当選枠は3本で最も大きい一方、確定する原資は200,000ポイントに収まる。賞の単位を分けると見え方と会社の負担がずれる。
and ST公式には、200円(税込)以上の買物が対象条件として載っている
3本のうちand STだけはページが公開済みで、リリースの一行では見えない条件が並ぶ。愛知と髙島屋のdポイント側サイトは開始日まで開かず、アクセスすると「本ページは現在公開前です」と表示される。
1ポイント以上の前に200円(税込)以上が置かれている
and ST公式の対象条件には「キャンペーン期間中にand STの実店舗、and ST WEBストアにて200円(税込)以上のお買物をしていただくこと」とある。リリース側は「1ポイント以上ためていただくこと」だけなので、公式を開かないと買上金額の下限を見落とす。期間も公式は「10月7日(水)9:00~10月14日(水)23:59」と時刻まで指定し、予約商品は対象外と明記する。
購入後にID連携しても対象にならない
リリースの「(1)~(2)の順番は問いません」は、利用者情報登録とID連携+買物の2項目の前後を指す。公式はもう一段細かく、「必ずご購入前にID連携を完了してください。ご購入後にID連携を完了してもキャンペーンの対象にはなりません」と書く。順番が問われない部分と問われる部分が同じ施策に同居しており、リリースの要約だけで社内資料に落とすとこの一行が消える。
全額ポイント払い・全額クーポン払いは抽選から外れる
公式にはさらに「全額ポイントで決済した場合、また全額クーポンで決済した場合は、通常ポイントが進呈されないお買物となるため抽選対象とはなりません」とある。返品して条件を満たさなくなった場合も対象外だ。同期間は楽天ポイント側でも抽選1,000名に1,000ポイントの枠が並走し、公式は両方連携すれば合計2,000ポイント当たるチャンスがあると案内する。楽天側は対象外店舗を店舗名で列挙している。
エントリーを外すと、代わりに何が客の手間になるか
エントリーは一手間だが、押した人を数えられる
愛知と髙島屋はエントリーを必須にした。応募ボタンを押す手間は離脱を生むが、押した時点で母数が確定する。and STは外した代わりに、ID連携を買物より前に済ませることを求めた。手間が消えたのではなく、レジの前から買物前へ移動している。会員登録そのものを特典の入口に据えた例としてはFREAK’S STORE40周年のノベルティが近く、ファミマが引換券をファミペイ限定にした施策も特典をアプリの中に置いて先に会員基盤へ通している。
2施設以上という条件が求めるのは金額ではなく移動
愛知の「もれなく10倍」で目を引くのは、施設をまたぐこと自体を条件に置いた点だ。ポイントの内訳は問われず、2施設以上で各1ポイント以上ためることだけが求められる。金額の下限を上げれば客単価は動くが、施設をまたげという条件が求めるのは移動である。複数の館を持つ事業者が、同じ原資で館の間の移動を促す形になっている。回数を条件に置いたミニストップのコーヒー4杯で1杯無料が対になる。あちらは同じ店への再来店、こちらは別施設への横移動だ。
期間・用途限定ポイントは使い道が絞られている
3本とも進呈されるのはdポイント(期間・用途限定)だ。and ST公式では有効期間は進呈日を含む94日間、進呈は2026年12月末の予定で、用途は「dポイント加盟店、d払い加盟店、携帯電話などのドコモ商品の購入、ケータイ料金のお支払い」などに限られ、ポイント交換商品には使えない。自社で金券を原資にするときも、有効期限と使い道を先に決めると原資の何割が自社に戻るか読める。
10月の日程と、自社で企画するときに詰める項目
| 施策 | 期間 | エントリー | ためる条件 |
|---|---|---|---|
| 【愛知】ららぽーと・三井アウトレットパーク | 2026年10月3日〜10月30日 | 必要 | 合計10ポイント以上(10倍は対象5施設のうち2施設以上) |
| and ST | 2026年10月7日〜10月14日 | 不要 | 1ポイント以上(公式は200円・税込以上の買物も条件に明記) |
| 髙島屋グループ | 2026年10月14日〜11月10日 | 必要 | 100ポイント以上 |
入口が開くまで8日と19日、1本はもう開いている
発表は9月25日、愛知のサイト公開は10月3日で8日空く。髙島屋は19日先だ。この2本はエントリーが要るのに、その導線が告知の時点では動いていない。一方でand STはページが公開済みで、エントリーも要らず、期間前のID連携も対象になると明記されている。告知を見た日に準備まで進めるかどうかが分かれている。同じ順番を取るなら、先出しの告知で何を覚えてもらい、入口が開いた日にどこで思い出させるかを分けて用意することになる。
自社で同じ形を作るときに先に決める3つ
- 最大値を見せるか、全員同額を見せるか。愛知は「最大30,000ポイント」、and STは「1,000ポイント」を名前に置いた
- エントリーを置くか外すか。外すなら、代わりに客が買物前に済ませる作業は何か
- 条件の数字が求めているのは金額か、回数か、場所の移動か
次の企画は当選枠と1人あたりを分けて書き出すところから
直近の特典企画を「当選枠の頭数」「1人あたりの額」「確定する原資の合計」の3欄に分けて書き出すと、どこを見せようとしているのかが一度で分かる。愛知の698,000ポイントとand STの1,000,000ポイントのように、同じ1,000名でも確定分の総量は3割違う。数字を作ってから条件を決めるのではなく、どれを大きく見せたいかを先に決めて条件語を選ぶ順番になる。
参照した資料
- NTTドコモ「10月開始の『dポイント』キャンペーン」(PR TIMES、2026年9月25日)
- and ST キャンペーンページおよび注意事項
- dポイントクラブ 【愛知】ららぽーと・三井アウトレットパーク向けページ(公開予定)
- dポイントクラブ 髙島屋グループ向けページ(公開予定)
最終更新:2026.09.25
