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焼肉きんぐが値引き額を全会員の登録数に預けた、100円か300円か

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2026.09.26
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焼肉きんぐが値引き額を全会員の登録数に預けた、100円か300円か

焼肉きんぐが10月1日から、公式アプリで「きんぐの大運動会〜大切な人の誕生日を登録しよう〜」を実施する。アプリに「大切な人」を登録して期間中に来店すると値引きクーポンが届くが、金額は自分の行動では決まらない。全会員が登録 […]

焼肉きんぐが10月1日から、公式アプリで「きんぐの大運動会〜大切な人の誕生日を登録しよう〜」を実施する。アプリに「大切な人」を登録して期間中に来店すると値引きクーポンが届くが、金額は自分の行動では決まらない。全会員が登録した「大切な人」の合計が110万に達すれば100円引き、120万で200円引き、150万で300円引き。1人で何人登録しても、他の客が動かなければ手元の額は上がらない。

運営は株式会社物語コーポレーション(愛知県豊橋市)で、同社発表によると焼肉きんぐは全国372店舗。特典の額を参加者全体の総量に預ける組み方だが、PR TIMESの発表文と自社サイトの告知では書かれている注記が違う。

目次

10月1日から23日、値引き額は110万・120万・150万の3段で切り替わる

参加は「大切な人」を1人以上登録して期間中に来店

自社サイトの告知は参加条件を2つに絞っている。アプリの「大切な人の誕生日情報・登録」機能に1人以上登録すること、会期中に焼肉きんぐへ来店すること。PR TIMES側はここに「お会計時に会員証をご提示」を加えて書いている。条件を満たすと来店ポイントが通常分に1個上乗せされ、付与は10月26日から順次となる。

クーポンは11月2日に配布、使えるのは11月3日から12月8日

配布日は自社サイトの告知にだけ日付で書かれており、PR TIMES側は「プッシュ配信でご連絡」に留まる。利用期間は11月3日から12月8日までの36日間で、会期の23日間より長い。会期中に来店させ、そのうえで年末前にもう1回呼び戻す組み方だ。

項目 内容
会期 2026年10月1日(木)〜10月23日(金)/23日間
参加条件 「大切な人」を1人以上登録+期間中に来店(会計時に会員証提示)
特典1 アプリ来店ポイント+1個(10月26日から順次付与)
特典2 値引きクーポン(110万で100円/120万で200円/150万で300円)
クーポン 11月2日配布、利用は11月3日(火)〜12月8日(火)
対象店舗 全国372店舗(同社発表)
主催 株式会社物語コーポレーション

110万という数字は、この23日間で積み上げる分ではない

合計には開始前の登録分も入る

PR TIMESの注意事項に「キャンペーン開始以前に登録されていた数を含みます」と明記されている。110万・120万・150万は23日間の上積み目標ではなく、累計の到達水準だ。ここを読み違えると「3週間で110万件を集める企画」に見え、難易度の見立てがずれる。進捗は前日までの累計が13時を目安に1日1回更新され、値引き額は会期終了後に事務局が集計して決まる。

95万人と1,000万人、母数の定義を確かめてから引用する

PR TIMESの発表文には、記念日通知機能の説明に続いて「アプリ登録者数は現在95万人にのぼり」とある。一方、焼肉きんぐの自社サイトは2026年8月21日付で「公式アプリ会員1,000万人突破記念」の企画を告知し、9月1日から15日まで抽選で10万名にポイント10個を配っていた。2つの数字は同じ対象を指していない。110万を「会員の何割」に換算して社内資料に書くと、母数の取り違えがそのまま残る。

PR TIMESと自社サイト、注記が載っている場所が違う

配布日と「1人以上」は自社サイト側にある

自社サイトの告知にだけ書かれているのは、登録は1人以上でよいこと、クーポン配布が11月2日であること、主催は物語コーポレーションでApple Inc.および関連会社は無関係であることの3点だ。

更新頻度と集計の順番はPR TIMES側にある

同じ企画でも、2本の告知に書かれている内容は重なっていない。リリースとサイト告知を分けるなら、片方しか読まなかった客が不利にならないかを点検したい。

注記 書かれている場所
登録は1人以上でよい 自社サイト
クーポン配布日(11月2日) 自社サイト
Apple社は企画に無関係 自社サイト
合計に開始前の登録分を含む PR TIMES
累計を13時目安に1日1回更新 PR TIMES
終了後に事務局が集計して額を決定 PR TIMES
会計時に会員証を提示 PR TIMES

値引きで組むかモノで組むかで、かかる枠が変わる

自社で使える割引券は総付景品の限度額がかからない

消費者庁の「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」は、自己の供給する商品・役務の取引で用いられる割引券その他割引を約する証票を適用除外にしている。運用基準はこの証票に、金額を示して対価の支払いに充当される金額証を含めている(特定の商品とだけ引き換えるものは除く)。100〜300円の値引きクーポンを条件達成者全員に配っても、総付景品の限度額の話にはならない。

同じ条件でモノを配ると200円か取引価額の2割

物品に置き換えると枠が現れる。総付景品の最高額は取引価額1,000円未満で200円、1,000円以上で取引価額の10分の2。購入を条件にせず入店者に配る場合の取引価額は原則100円と運用基準にあり、上限は200円まで下がる。さらに同一の事業者が同じ取引に付随して2つ以上の景品を出すと、別々の企画でも合算される。スモールワールズが参加者全員にカード1枚を配った企画のように配布物を1点に絞ると、枠の計算が楽になる。

額を抽選で決めた瞬間に値引きから外れる

景品類等の指定の告示の運用基準は「×回御利用していただいたら、次回○○円割引」を値引きと認められる利益の例に挙げ、対価の減額であっても懸賞で決める場合は値引きに当たらないと書き分けている。今回のクーポンは全員が同額で、個人ごとの当たり外れがない。段の高さを全体の登録数に連動させた形は、参加者から見れば全員で押し上げる演出になる。真似るときは抽選要素を1つ足すだけで前提が変わる点を先に確認しておきたい。

同じ9月に5本、当てる企画と全員配る企画を分けていた

店頭の抽選券は旅行券5万円、Xの企画は10万円

店頭で会員証を提示すると抽選券が出る「きんぐの大抽選会」は、トラベル賞の旅行券5万円分を5名、A・B・C賞にラーメンとブランケットなどの詰め合わせを各30名。抽選券は9月16日から12月8日まで配り、当選発表は12月15日。付与枚数はコースで差をつけ、プレミアムコースは大人2枚。

一般懸賞の最高額は取引価額5,000円未満で取引価額の20倍、5,000円以上で10万円。取引価額が2,500円あれば20倍で5万円に届く計算で、店頭側はこの枠の内側に収まる。対してX上のフォロー&リプライ企画は旅行券10万円分を1名。自社サイトの告知に購入や来店の条件は書かれておらず(応募要項はX側)、購入や来店を条件にしない企画には金額の上限の定めがない。

全員に配る枠と当てる枠を月内で使い分けている

告知日 企画 当たり方 中身
8月21日 会員1,000万人突破記念の山分け 抽選 10万名にポイント10個(9月1〜15日)
9月2日 きんぐの大抽選会 店頭で抽選券 旅行券5万円5名ほか各30名
9月2日 スピードくじ(X) くじ お食事券3,000円分を30名
9月16日 フォロー&リプライ(X) 抽選 旅行券10万円分を1名
9月16日 写真投稿(X) 抽選 お食事券3,000円分を30名
9月24日 きんぐの大運動会 条件達成者全員 ポイント+1個と値引きクーポン

当てる企画で話題を作り、全員に配る企画で来店の理由を作る。dポイントが10月の3施策でためる条件を分けた例と同じく、1つの月に複数の型を並べて役割を割り振る動きだ。

自社でやるなら、しきい値と原価のどちらを先に決めるか

しきい値は届く水準に置き、最低段を先に決める

全体連動型でいちばん危ないのは、下の段に届かなかったときの扱いだ。今回の告知には110万に達しなかった場合の記載がない。自社で組むなら最低段をほぼ確実に届く水準に置き、そこから上を伸ばす形にしたい。段の切り方は金額でも条件でもよく、西川が特典の線を税込3,300円から5,500円へ上げた例のように、前回の実績から1段だけ動かすほうが読みやすい。

値引きは在庫が要らない代わりに粗利から直接引かれる

物品のノベルティは単価と最低ロットが決まれば費用の上限が読める。値引きクーポンは在庫も納期も発生しない代わりに、300円×利用者数がそのまま粗利から出ていく。利用率の想定を置かないと上限が読めず、モノより見積りが難しい。配布数ではなく利用数で予算を組みたい。

未登録者だけに1段の値引きを出して登録率を測る

次の一手として現実的なのは、自社の会員データで誕生日や記念日の未登録比率を出し、未登録者だけに「登録で次回100円引き」を1回出してみることだ。登録率とクーポン利用率という2つの数字が手元に残る。段を3つに増やすのはその後でよく、全体連動型は登録データの分布が見えてから検討したい。

参照した発表・資料

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編集:食品ノベルティの窓口 編集部(株式会社Agriture)
農業×食のOEM窓口として、業界動向を編集部がまとめています。
最終更新:2026.09.26
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この記事を書いた人

小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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