ほっかほっか亭総本部が2026年7月28日、「ほっかほっか亭の夏まつりキャンペーン」を告知した。会期は8月1日から31日だが、中身は1本のセールではなく、週替わりで対象商品と特典を入れ替える三部構成だ。弁当の値引きではなく、対象弁当に惣菜や飲料を1点そえる「進呈」型で、そこに子ども向けの「ハズレなしスーパーボールくじ」を重ねている。販促担当者が見るべきは進呈品そのものより、8月という長い山を週単位でどう刻んだかという設計のほうだ。
特典が動くのは月内3回・各4日間の窓だけ
枠組みはこうだ。第1弾は8月13日から16日、盆の帰省と来客が重なる4日間に「選べるおかずトリオ」(1,500円税込)と「オードブル オールスターズ」(2,500円/3,500円税込)を対象に、サントリー伊右衛門シリーズを2〜4本つける。第2弾は8月20日から23日、のりシリーズ各種弁当にシュウマイ1個。第3弾は8月27日から30日、なす味噌シリーズ弁当に唐揚1個をそえる。並行して公式アプリで限定クーポン12種類を配信する。1カ月の告知を打ちながら、実際に特典が動くのは各4日間の窓に絞られている点が骨格だ。
盆は飲料でまとめ買い、下旬は惣菜1個で来店理由を作る
三部の日付を並べると狙いが見える。第1弾は盆のピークに合わせ、量が要るオードブルやおかずトリオに飲料を束ねる。第2弾・第3弾は給料日前後の下旬に寄せ、単価の張らない通常弁当へシュウマイ・唐揚という1個単位の惣菜をつける。「量が動く時期には飲料でまとめ買いを後押しし、財布が締まる時期には少額の惣菜で来店の理由を作る」という、時期ごとに性格の違う特典を割り当てているわけだ。値引きなら1回で終わる訴求を、進呈品を替えて3回の来店機会に分割している。
三部構成の対象・進呈品・狙う時期
| 期間 | 対象 | 進呈品 | 狙う時期の性格 |
|---|---|---|---|
| 第1弾 8/13〜16 | 選べるおかずトリオ/オードブル オールスターズ | 伊右衛門シリーズ 2〜4本 | 盆・来客のまとめ買い |
| 第2弾 8/20〜23 | のりシリーズ各種弁当 | シュウマイ1個 | 下旬の通常来店 |
| 第3弾 8/27〜30 | なす味噌シリーズ弁当 | 唐揚1個 | 月末の再来店 |
進呈品の原価は飲料数本と惣菜1個で、いずれも本部・店舗が持つ在庫の範囲に収まる。単価を抑えつつ対象弁当を毎週替えることで「先週買ったから今週はいい」という飽きを避けている。特典を薄くして頻度で効かせる発想は、梅田スカイビルが景品を配らず500円の重ね押しスタンプで回遊を設計した事例と狙いのところで重なる。
子ども向けくじが親とは別の来店動機を作る
もう一つの軸が、1会計につき子ども1人1回参加できる「ハズレなしスーパーボールくじ」だ。景品の中身は公表されていない。ハズレなしにする狙いは、子どもをがっかりさせない配慮以上に、来店動機を弁当の味から切り離して独立させる点にある。弁当は親が選ぶが、くじは子どもが「またやりたい」と言う。夏休みの4週間、家族での外食・持ち帰りの選択で、子ども側から店名が出る回路を作っておく投資だ。抽選の演出を来店の入り口に使う発想は、POP UPの抽選を1回に絞って会員を増やした事例とも通じる。くじは当たり外れが本題ではなく、参加という行為そのものを来店の理由に変えている。
長い期間を意味のある日付で割り、決裁者と体験者を分ける
この企画から一般企業の販促に移せる要素は三つ。第一に、長い訴求期間を1本で流さず意味のある日付で区切ること。8月を「盆」「下旬」「月末」に割り、性格の違う特典を当てるだけで同じ予算が3回の接点になる。第二に、進呈品を高価にしないこと。伊右衛門2〜4本・惣菜1個という水準は、原価より「毎週替わる」運用で効いている。第三に、購入者本人とは別の参加者(ここでは子ども)向けの仕掛けを一つ足すこと。決裁者と体験者を分けると来店動機が二重になる。BtoBの展示会ノベルティやイベント配布でも、意思決定者向けの実用品と同行者向けの体験くじを分けると、同じ滞在時間から拾える接点が増える。
予算は一点豪華でなく、来店機会の数で割る
物価高で単純値引きの体力が削られるなか、値段を下げる代わりに「今週だけの進呈品」で来店理由を毎週作り直す設計は、持ち帰り弁当や外食チェーンで広がっている。飲料メーカーや惣菜の自社在庫を特典に回せるチェーンほど組みやすい。単品の販促物を外注する企業なら、少額でも配り甲斐のあるノベルティを週替わりに合わせて小ロットで複数用意できるかが分かれ目だ。ほっかほっか亭の夏まつりがまねるべきは景品の中身ではなく、惣菜1個・飲料数本という薄い特典を3つの窓に割り、子ども向けくじを足して来店を週替わりに刻む「刻み方」にある。次の販促を組むときは、予算を一点豪華に使う前に、その予算を何回の来店機会に分割できるかを先に描きたい。配って終わりにせず次の来店や登録につなげる発想は、購入者特典ガチャで体験を売った販促事例とも重なる。
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最終更新:2026.07.28
