10月1日の「国際コーヒーデー」を、店頭の1日に変える。クリスピー・クリーム・ドーナツは同日、ドーナツ6個入りの『トップファイブ スター ダズン ハーフ』を買った先着2,400名に、自宅用のドリップバッグ(1P)を配る。ドーナツを売りながら、その日のうちにコーヒーの新商品を試させ、家での一杯につなげる。記念日・購入条件・先着・新商品サンプリングを一本の動線にまとめたこの設計は、販促担当が記念日企画を組むときの見本になる。
10月1日限定、6個購入の先着2,400名へドリップバッグ
発表によると、配布されるのは「クリスピー・クリーム ドリップ バッグ ハウスブレンド(1P)」。対象は2026年10月1日(木)に『トップファイブ スター ダズン ハーフ(6個)』を購入した先着2,400名で、この日1日限りの施策だ。土台となる「TOP5キャンペーン」自体は2026年9月30日(水)から10月6日(火)までの7日間続く。
対象は原則としてクリスピー・クリーム・ドーナツ全店舗(一部の小売店・催事は除く)。あわせて10月1日からは、ドリップバッグ ハウスブレンド(1P172円/3P486円)と、美濃焼のコーヒーカップ(1,760円)も発売する。ドリップバッグはグアテマラ、ブラジル、コロンビア、インドネシアのアラビカ種をブレンドしたものだ。
「6個買うと1杯分」が生む買い方
この企画の芯は、配布条件を6個入りのセットに絞った点にある。ドーナツを1個ずつ買う人ではなく、6個入りをまとめて買う人だけがドリップバッグを受け取れる。しかも対象の『トップファイブ スター ダズン ハーフ(6個)』はキャンペーン中に200円OFF(通常は100円OFF)で1,544円(イートイン1,573円)。まとめ買いの割引と、その日だけの先着特典が重なることで、来店の理由が「今日・6個」に寄っていく。
配布物が店内で飲むコーヒーではなく、自宅で淹れるドリップバッグである点も効いている。店で買ったドーナツと、家で淹れる一杯。ペアリングの体験を持ち帰らせることで、10月1日に発売するドリップバッグ本体(1P172円)の試用へ自然につながる。1杯分のサンプリングを、まとめ買いの見返りとして配る仕組みだ。
施策の三層を整理する
| 層 | 期間 | 内容 | 狙う行動 |
|---|---|---|---|
| 先着特典 | 10月1日のみ | 6個購入の先着2,400名にドリップバッグ(1P) | 記念日に来店を集中 |
| まとめ買い割引 | 9月30日〜10月6日 | TOP5(6個)を200円OFF・1,544円 | 単品でなくセット購入へ |
| 新商品導線 | 10月1日〜 | ドリップバッグ(1P172円/3P486円)・美濃焼カップ(1,760円) | 自宅需要・リピート購入 |
先着特典で1日に人を集め、割引でセット購入を促し、無料の1杯で新商品の試用へつなぐ。3つの層が同じ来店の中で連動している。
この記念日企画をどう受け止めるか
「国際コーヒーデー」のような記念日を軸に販促を組む手法は、飲食・小売で定番化している。日付が決まっているぶん告知の焦点を作りやすく、その日の来店動機を明確にできるからだ。今回はそこに「ドーナツを買うとコーヒーが付く」というクロスセルを重ね、菓子とコーヒーという相性の良い組み合わせを前面に出した。
先着2,400名という数字の置き方も現実的だ。全店で1日に配る規模として、話題を作りつつ運用しやすい水準に見える。無料配布を1杯分のドリップバッグに絞ることで、店内提供の手間を増やさず、自宅需要という新しい接点まで届かせている。
一方で、先着かつ1日限定という設計は、目当ての人が早い時間に集中しやすい。数量が尽きたあとに来店した客の受け止めや、6個購入という条件のハードルをどう見せるかが、満足度を左右する。TOP5キャンペーン自体を7日間走らせているのは、その集中を前後に分散させる緩衝材とも読める。
自社の記念日販促に移すなら
この事例を自社に移すとき、まず使えるのは「記念日×購入条件×サンプリング」の組み合わせだ。業界や商品にひもづく記念日を軸に、単品ではなくセット購入を条件にした特典を用意する。特典を新商品の少量サンプルにすれば、販促費をそのまま次の売上への試用機会に変えられる。ドーナツ店がコーヒーを配ったように、主力商品と相性の良い「次に売りたいもの」を無料で持ち帰らせる発想だ。
サンプリング用のノベルティ選びも要点になる。今回のドリップバッグのように、その場で消費されず自宅で使われる小分け品は、購入後の生活の中でブランドを思い出させる。食品・飲料メーカーであれば、少量パックやミニサイズを購入特典に据えることで、店頭の1回を家庭でのリピートにつなげられる。小ロットで作れる試用サイズのノベルティは、この橋渡しに向く。
「1日限定・先着」の使い方には配慮もいる。話題と集中を作れる半面、取りこぼしが不満に直結する。今回のように土台のキャンペーンを数日間走らせ、特典日を一点に絞る二層構成にすれば、集中と分散を同時に設計できる。無料特典は短く、割引は長く。この期間の配分が、来店のピークとすそ野を決める。
記念日マーケティングの広がり
カレンダーに紐づく記念日は、企画のきっかけとして年々使われる幅が広がっている。決まった日付があることで、事前告知から当日、そして余韻までの動線を描きやすい。飲料や菓子のように「ペアで楽しむ」文脈を持つ商品ほど、記念日を軸にしたクロスセルの余地は大きい。
ノベルティ・販促の企画側にとっては、記念日に合わせた小分けサンプルや限定パッケージの提案が、通年で見込める仕事になりつつある。主力商品を売りながら次の需要を試させる設計は、菓子・飲料の枠を超えて応用できる。
企画の要点まとめ
| 視点 | この企画の打ち手 |
|---|---|
| 来店集中 | 10月1日の記念日+先着2,400名で1日に人を寄せる |
| 単価向上 | 6個入りセット購入を条件にし、200円OFFで後押し |
| 次の売上 | 自宅用ドリップバッグを無料配布し新商品を試用させる |
| 期間設計 | 特典は1日、割引は7日で集中と分散を両立 |
飲食×ドリンクのクロスセルや再来店設計の実例として、コーヒーの来店頻度をアプリで上げるミニストップの狙い、おにぎり300円で飲料を無料にし再来店を作るローソンの仕掛け、核商品を軸に全品割引で再来店を促すファミマの設計もあわせて読みたい。
まとめ:自社で試すなら
この企画を自社の販促に持ち帰るなら、次の順で組み立てたい。第一に、商品にひもづく記念日を1つ選び、その日を来店のピークに設定する。第二に、特典の条件を単品ではなくセット購入に置き、まとめ買いの割引を重ねて単価を上げる。第三に、配る特典を「次に売りたい新商品」の少量サンプルにして、店頭の一回を家庭でのリピートへつなぐ。特典日は短く、土台の割引は数日間。この二層で集中と分散を設計すれば、記念日を単発の話題で終わらせずに済む。
参照元
最終更新:2026.09.19
