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配ったあとに中身が変わるうちわ、大同至高が50個から作る

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2026.07.28
・読了目安 9分

配ったあとに中身が変わるうちわ、大同至高が50個から作る

ノベルティのうちわは、配った瞬間がピークになりやすい。夏のイベントで手渡され、会場を出たあたりでカバンの底に沈む。名古屋の大同至高株式会社が2026年7月22日に発表した『トレカフレームうちわ』(魔法の杖タイプ)は、その […]

ノベルティのうちわは、配った瞬間がピークになりやすい。夏のイベントで手渡され、会場を出たあたりでカバンの底に沈む。名古屋の大同至高株式会社が2026年7月22日に発表した『トレカフレームうちわ』(魔法の杖タイプ)は、その前提を少しずらしてくる。背面のハート型スリットにトレカやコースターを差し込める構造で、配る側が刷った絵柄だけでなく、受け取った側が入れたカードでも見え方が変わる。小ロットは50個から、大ロットは1,000個からで、ロットによって印刷方式を切り替える。販促担当が読むべきは、うちわそのものより「後から中身を差し替える余地を製品側に残した」という設計判断のほうだ。

目次

背面のスリットに何を入れるかを、配る側が決めきらない

大同至高(愛知県名古屋市守山区)がPR TIMESで公開したリリースによると、『トレカフレームうちわ』の納品サイズは160mm×187mm(取っ手を除く)、素材はPPツヤクリア0.3mm。加工は抜きと取っ手付けで、全面フルカラー印刷に対応する。オプションには袋入れ、オリジナル形状への変更、抗菌・抗ウイルス加工、再生PPへの変更が並ぶ。無料サンプルの請求も受け付けている。

商品の芯は、うちわの背面にあるハート型のスリットにある。ここにトレカやコースターを差し込むと、透明なうちわ越しにカードが見える。取っ手は魔法の杖を模した形状で、開発担当者は「かわいい魔法のステッキに見えるかどうかを意識して企画・作製しました。思わず持ちたくなるステッキのバランスになるように形状設計しています。うちわではありますが、フォトプロップスとしてもかわいいアイテムなので、季節問わず楽しんでいただけたら嬉しいです」とコメントしている。

ロットと印刷方式は明確に線が引かれている。1,000個以上はUVオフセット印刷、50個からの小ロットはUVインクジェット印刷。価格はリリースにも商品ページにも載っていないが、小ロット窓口「Do!SHOP」のうちわ一覧には50個 46,420円〜と表示されている(税の扱いは同一覧に明記なし)。50個で割れば1個あたり約928円で、うちわとしては上のほうの帯だ。

透明うちわ35種のラインに、埋めない領域が足された

この商品は単発の思いつきではなく、既存シリーズの延長にある。同社のオリジナル透明うちわ特集は35種以上をそろえ、「水に強く、雨風にも負けないプラスチック素材を使用し、イベント終了後でも持ち帰って半永久的に使用ができます」と説明している。指輪うちわ、星型、ハート型、ユニフォーム型、立つうちわ、しおりうちわ、フラッグうちわ。形と持ち方のバリエーションで棚を埋めてきた系列だ。

その並びに今回の商品を置くと、追加されたものが形ではないとわかる。ほかが「どう持たせるか」「どう立たせるか」を変えてきたのに対し、加わったのは印刷面の一部をあえて埋めないという選択だった。全面フルカラーで刷れる。刷れるのに、背面に何も決まっていない領域を残している。ノベルティ設計では珍しい引き算だ。

160×187mmという寸法が示す使われ方

寸法を並べると、この商品が想定している距離感が見えてくる。

項目 寸法・仕様 確認元
トレカフレームうちわ 納品サイズ 160mm×187mm(取っ手を除く) 大同至高 商品情報・PR TIMES
同 素材・厚み PPツヤクリア0.3mm(再生PPへ変更可) 大同至高 商品情報
応援用ジャンボうちわの一般的な規格 扇面285mm×295mm・持ち手135mm 応援うちわ素材の販売表記
トレーディングカード スタンダードサイズ 63mm×88mm 印刷会社のカード規格解説
ビジュアルカードに使われる名刺サイズ 約55mm×91mm 同上
スリットの対応カードサイズ 記載なし 公表資料に該当記述なし

コンサートで使われる応援用のジャンボうちわは、扇面285mm×295mm・持ち手135mmが一般的な規格として流通している。トレカフレームうちわの160×187mmは、その内側に余裕をもって収まる寸法だ。持ち込みの上限で引っかかる大きさではない一方、客席の後方から出演者に見せることを狙ったサイズでもない。手元で持つ、写真に写す、という使い方に寄っている。開発担当者がフォトプロップスに触れているのも、この寸法と整合する。

差し込む側も見ておきたい。トレーディングカードのスタンダードサイズは63mm×88mm、キャラクターやタレントのビジュアルカードでは名刺サイズの約55mm×91mmも使われる。外形160×187mmに対し、横で約4割、縦で5割弱を占める計算になる。ただしスリットが何ミリのカードまで受けるかは、公表資料に書かれていない。自社の既存トレカやコースターを流用する前提で企画するなら、ここは見積前に現物で確かめる項目になる。

いま確認できる発言は、つくった側のものに限られる

この商品について公開情報から拾える記述は、現時点ではすべて大同至高から出たものだ。第三者の使用レポートや導入企業の声は公表されていない。ただ、立場の違う3つの記述を並べると、社内での位置づけは読み取れる。

1つは前述の開発担当者コメント。企画意図が「魔法のステッキに見えるか」という見た目のバランスに置かれていて、差し替え機能そのものより、持ちたくなる形が先に語られている。

2つめは透明うちわ特集ページの説明文で、「イベント終了後でも持ち帰って半永久的に使用ができます」と、配布後に残ることを売り文句にしている。うちわを消耗品ではなく残る物として売る姿勢が、シリーズ全体の前提に置かれている。

3つめは小ロット窓口の「Do!SHOP」で、うちわカテゴリでは50個からの受注と、「納期は通常10〜15営業日以内の発送が目安となります」という条件が提示されている。同じ一覧に価格も並んでおり、企画から配布までの期間が短い案件を、金額まで開示したうえで取りにいく運用になっている。

差し替えの余地を残すと、在庫と回遊の設計が動く

ここからが販促担当にとっての本題になる。差し込み口を1つ用意すると、施策設計のどこが変わるのか。

在庫の持ち方がまず変わる。絵柄を本体に刷り込む設計では、キャラクターやシーズンの数だけ本体の版と在庫が要る。10種で展開するなら10種の本体を抱えることになる。差し込み式なら本体は1種で済み、変わるのはカードだけだ。カードは薄く、保管の場所も刷り直しの手間も本体より軽い。売れ残りのリスクを本体からカードへ移す構造になっている。全国の店舗に配分する施策ほど、この移し替えは効いてくる。

配布の閾値を後から動かせるのも大きい。本体を来場者全員に配り、カードを購入額や来店回数に紐づければ、1つの商品で二段階の設計が組める。会期の前半と後半でノベルティを入れ替える手法はすでに実施例があり(KING OF PRISM 10周年×ラウンドワンのノベルティ入れ替え設計)、差し込み式はそれを1商品の中で完結させる。

二度目の接触も作れる。うちわを受け取った時点で、スリットは空いている。空いていること自体が、次に来店する理由になりうる。もらったノベルティが捨てられるかどうかを分ける条件を整理した調査もあるが(PPAI調査が示す「もらっても捨てる」を防ぐ条件)、差し込み口はその条件を製品の形で担保しにいく手だと読める。

ただし、空欄を用意するだけでは埋まらない。埋めるカードをどこで、どういう条件で渡すのか。ここを同時に設計しなければ、ただ穴の空いたうちわが残る。逆に向かない場面もはっきりしている。差し込むものが世の中に存在しない商材では、空欄は弱点にしかならない。カードやコースターの文化がすでにある領域でなければ、この構造は空回りする。

50個と1,000個で版を切り替える意味

もう一段、発注側にとって実務的な論点がある。同じ商品に2つの印刷方式が用意されている点だ。

オフセット印刷はデザインごとに版をつくるため、版代が初期費用として乗る。その代わり数が出れば1個あたりに薄まっていく。UVインクジェットは版を持たずデータから直接刷るので、初期費用が軽く、短納期にも向く。少部数ならインクジェット、大部数ならオフセットという切り分けは、印刷各社が共通して説明しているところだ。大同至高が1,000個を境に方式を書き分けているのは、この経済性をそのまま商品情報に出しているにすぎない。

発注側から見ると、これはテストと本番を分けられるという意味になる。50個でデザインを刷り、スリットの保持力や手に持ったときのバランスを現物で確かめ、社内の合意を取ってから1,000個に進む。小ロット化は品目によっては1個単位まで降りてきていて(ヨツバ印刷が1個から受託するスマホリング)、少量で試してから量産に移る動き方は取りやすくなっている。企画書の段階で決め切らず、現物を見てから量を決める。発注のリズムがそちらに寄っていく。

注意すべきは色だ。方式が違えば発色が完全には揃わない可能性がある。50個のテスト品と1,000個の本番で、どこまでの色差を許容するか。公表資料はこの点に答えていないので、見積の段階で言葉にしておきたい。

発注前に埋めておく空欄

公表されている内容と、こちらで詰める必要がある点を分けて整理した。

確認項目 公表されている内容 発注前に詰めること
納品サイズ 160mm×187mm(取っ手を除く) 手渡し導線での携行性、封入袋のサイズ
素材・厚み PPツヤクリア0.3mm スリットの保持力、再生PPへ替えた場合の見え方
最小ロット 大ロット1,000個〜/小ロット50個〜 50個テストと1,000個本番の仕上がり差
印刷方式 1,000個以上=UVオフセット/小ロット=UVインクジェット 2方式間で許容できる色差の範囲
加工 抜き・取っ手付け 商品ページは「オリジナル形状での作製は型代が発生します」と明記。型代の額を見積で確認
スリット対応サイズ 記載なし(トレカ・コースターをセットできるとのみ) 手持ちのカードを実物に差して確認
オプション 袋入れ/オリジナル形状変更/抗菌・抗ウイルス加工/再生PP 配布シーンに応じた要否と追加費用
サンプル 無料サンプル請求を受付 差し込み時の抜け落ちやすさを実機で検証
納期 小ロット窓口Do!SHOPは通常10〜15営業日以内の発送が目安 大ロット時の納期は別途確認
価格 Do!SHOPのうちわ一覧に「50個 46,420円〜」と表示(大ロットの単価は非公表) 1,000個時の単価、税の扱い、型代の有無
提供元 大同至高株式会社(名古屋市守山区瀬古一丁目448/設立1953年12月/代表取締役 川瀬康輝/資本金1,000万円)

まとめ

トレカフレームうちわが提示しているのは、うちわの新形状ではなく、配布物に空欄を残すという設計だ。本体を1種に絞って在庫リスクをカードへ寄せ、配布の閾値を後から動かし、空いたスリットで二度目の接触をつくる。この3つは、うちわ以外の配布物にも移植できる考え方になっている。クリアケース、アクリルスタンド、キーホルダー。差し込み口や交換パーツを1つ足すだけで、同じ組み立てが成立する。

次に動くなら順番はこうなる。まず、自社の施策に差し込むカードが実在するかを確認する。既存のトレカ、コースター、会員証のいずれかが使えるなら先へ進む。次に無料サンプルを取り寄せ、そのカードを実際に差してスリットの保持力を見る。そのうえで50個の小ロットで社内向けに刷り、配布導線とカードの入手条件を紙に落とす。ここまで通ってから1,000個の見積に入れば、空欄が空欄のまま終わる事故は避けられる。うちわを何枚刷るかではなく、うちわに何を差させるかから逆算したい。

参照元:PR TIMES(大同至高株式会社)大同至高 商品情報大同至高 オリジナル透明うちわ特集Do!SHOP うちわ小ロット一覧ゆめ画材(応援うちわ規格)TOPPAN CREATIVE(トレカのサイズ解説)inkit(UV印刷の特徴)

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編集:食品ノベルティの窓口 編集部(株式会社Agriture)
農業×食のOEM窓口として、業界動向を編集部がまとめています。
最終更新:2026.07.28
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この記事を書いた人

小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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