TVアニメ「東京喰種 トーキョーグール」のPOP UP SHOPが、9月18日から27日まで新宿マルイ メンで開かれる。税込3,000円以上の購入で限定ポストカード全3種からランダムに1枚、さらにエポスカードを提示すればもう1枚が加わる。ノベルティ自体は紙のポストカードで、原価は小さい。それでも販促担当が読むべき点は、この1枚の配り方が会場側の会員獲得と一本の線でつながっているところにある。
税込3,000円で限定ポストカード全3種、エポス提示で4枚目が付く
購入特典の条件はひとつだけだ。会場で税込3,000円以上を買うと、金木研・月山習・有馬貴将を描いた限定ポストカード全3種のうち1枚がランダムで手に入る。ここにもう一段が重なる。丸井グループのエポスカードを会計時に提示または利用すると、ポストカードがさらに1枚追加される。カードを提示するだけの場合は支払いを現金で行う条件が付く。
3,000円という金額と、カード提示による上乗せの組み合わせは、この夏の新宿マルイ メンで繰り返し使われてきた型でもある。パトレイバーEZYがエポス会員向けに3,000円で全6種ステッカーを配った企画と、しきい値もカードの絡ませ方もほぼ同じだ。会場が用意した仕組みに、IPだけを差し替えて乗せていると見てよい。
会場は新宿マルイ メン8F、会期は9月18日から27日の10日間
開催は新宿マルイ メンの8階イベントスペース、時間は11時から19時。金曜開幕で日曜に閉じる10日間の会期だ。入場方法は告知時点で後日発表とされ、混雑期は整理券や事前予約が入る可能性がある。会期が短く、会場が駅至近の商業施設という条件は、遠方のファンを一気に呼び込む興行としては効く一方、来場を購入と会員登録の両方へ変換できる時間が限られることも意味する。会場側は、この10日で何をどれだけ回収するかを設計してから場所を貸している。
会場が自社カードを噛ませる狙いは会員の獲得にある
POP UPで自社発行のカードを提示特典に組み込む会場は、丸井グループに集中する。理由は同社の収益構造にある。丸井は物販の粗利だけでなく、エポスカードの利用高と会員基盤から継続的な収益を得るフィンテック寄りのモデルを持つ。店頭に人が来た瞬間を、その場の売上ではなく、長く続く会員関係の入口として使う発想だ。ゴールデンカムイのPOP UPで抽選のもう1回をエポス会員に開放した企画も、ノベルティや抽選を会員登録の動機に変えた同じ発想の応用だった。
丸井のコラボカードは会員111万人規模に育った
数字がこの狙いを裏づける。丸井グループが2025年3月期の有価証券報告書で示したところでは、アニメやゲームと組んだ「好き」を応援するカードの会員は、期末で111万人に達した。同社はこのコラボカードの生涯利益を一般カードの2〜7倍と説明している。エポスカード全体の会員790万人、取扱高4兆5,305億円という母数の中で、IPコラボは若年層と接点を作り、長く使う会員を育てる入口として位置づけられている。東京喰種のPOP UPで配る1枚も、この会員育成の入口機能の一部だ。
IP集客が会場のカード会員に変わる回路
ここが今回の企画の核になる。IPは、そのファンだけを短期間に一か所へ集める力を持つ。会場はその集客を売上に換えるだけでなく、カード提示という行為を挟むことで、来場者の一部を自社の会員名簿へ移す。東京喰種のファンが3,000円を使い、4枚目のポストカードのためにエポスカードを提示する。その場でカードを持たない来場者には、入会すればもう1枚という動機が生まれる。IPが連れてきた熱量が、会場のカード会員数という会場固有の資産に変換される流れだ。ノベルティは、その変換を起こすための引き金として置かれている。
購入で配る1枚とカードで配る1枚が客層を二層に分ける
特典を二段にした意味も、この回路から読める。1枚目は金額のしきい値で全来場者に開く。2枚目はカード提示という別の条件で絞る。前者は買い物客全般を、後者は会員または入会見込み客を拾う。同じポストカードでも、配る条件を分けることで狙う相手が変わる。ぷよぷよ35周年が新宿マルイでエポス提示なら特典2枚になる二段構えを組んだ企画と発想は一致する。販促担当がまねるべきは、特典を1種類でばらまくのではなく、条件の違う入口を重ねて客層を仕分ける組み立て方だ。
会場の顧客基盤を借りる企業側の条件
この型を自社の販促に取り込むとき、まず問うべきは会場の選び方だ。単に人が通る場所ではなく、来場者を自社の顧客関係に変える仕組みを持つ会場を選ぶと、同じノベルティ予算から二重の回収ができる。丸井のようにカード会員化の装置を持つ会場と組めば、企業は物販の場を、会場は会員獲得の場を、同時に得る。企業側が用意するのは、IPの熱量と、その熱量を購入行動へ落とす特典条件だ。会場が持つ顧客化の仕組みに、自社の集客力を接続する前提で企画を設計すると、出展の費用対効果は跳ね上がる。
会場もカードも持たない企業がとれる代替
自社で会場も発行カードも持たない企業が、同じ効果を狙う手もある。会員化の装置を自前のLINE公式アカウントや会員アプリに置き換え、ノベルティの上乗せ条件を「友だち登録」や「アプリ会員登録」にすればよい。1枚目を購入特典として広く配り、2枚目を登録者限定にする。丸井が現金支払いを条件にカード提示だけの取得を許したように、登録のハードルを下げて入口を広く取ることが、変換率を左右する。IPコラボの一過性の集客を、企画終了後も連絡が取れる会員リストへ残せるかどうかが、出展を単発のイベントで終わらせないための分かれ目になる。
よくある質問
限定ポストカードは選べますか。
選べない。全3種からランダムで1枚が渡される方式で、絵柄の指定はできない。
エポスカードを持っていないと2枚目はもらえませんか。
提示または利用が条件のため、当日入会して提示すれば対象になる。カードを提示するだけの場合は支払いを現金で行う条件が付く。
販促担当がこの企画から持ち帰る要点は。
ノベルティを会場の会員獲得と接続した点だ。特典を購入条件とカード条件の二段に分け、IPが呼んだ客を会場固有の会員資産へ変える組み立てが再現の対象になる。
参照元
TVアニメ「東京喰種 トーキョーグール」POP UP SHOP in 新宿マルイ メン Powered by Fields(コラボカフェ)
マルイノアニメ|エポスカード(丸井グループ)
最終更新:2026.09.07
