京王エージェンシーとぐるなびが、渋谷エリアを中心とした屋外広告(OOH)と飲食店をひとつの企画にまとめたプロモーションプランの提供を2026年9月17日に始めた。標準プランは10店舗、30店舗、50店舗の3段階で、案件の規模によっては最大100店舗規模まで広げられる。販促を預かる立場で先に確かめたいのは、この「店舗数」が何を数えた数字なのか、そして見積もりに必要な条件がどこまで公表されているのかという2点だ。
提携先はぐるなび、提供開始は2026年9月17日で標準プランは10・30・50店舗
発表したのは株式会社京王エージェンシー(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:中瀨真実)と株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎)の2社。京王エージェンシーの屋外広告(OOH)と、ぐるなびの飲食店ネットワークを掛け合わせた体験型プロモーションプランを開発し、2026年9月17日(木)より提供を開始したとしている。京王エージェンシーは京王沿線の交通広告で培った知見をもとにOOH事業を展開している会社だ。
リリースは背景を「昨今、デジタル広告では捉えきれない若年層へのアプローチ課題などから、リアルな場での体験型プロモーションのニーズが高まっています」と書いている。この一文は両社のいずれかの担当者の発言として示されておらず、リリース本文の記述として置かれている。企画の目的については「消費者の心を動かす行動変容を促すこと」と明記されている。
京王エージェンシーはKEIO MIRARERU VISION 渋谷メガウォール、ぐるなびは加盟店で3つの施策
両社の役割はリリースで分けて書かれている。京王エージェンシー側は、自社で開発したDOOH広告である「KEIO MIRARERU VISION 渋谷メガウォール」を中心に、連携している渋谷センター街のフラッグ広告や大型ビジョンなどで、街を行き交う人々の認知獲得と、飲食店へのシームレスな導線づくりを担う。ぐるなび側は加盟飲食店ネットワークを活用し、次の3つを提供する。
- オリジナルメニューを提供するメニューフェア
- 来店者へ直接商品を届けるサンプリング
- 店内空間の装飾を通じた体験の場
屋外の面だけで企画を完結させる作り方もある。井田ラボラトリーズはキャンメイク「クイックラッシュカーラー」20周年に合わせ、渋谷ハッピーボードに2026年7月27日から8月2日まで屋外広告を掲出し、スマホのフラッシュを焚いて撮ると隠れたアイテムが浮かぶ反射印刷と、キャストと並んで写ったように見える2ショット風の見せ方を仕込んだ(フラッシュで隠しアイテムが浮かぶ渋谷OOHの撮影導線)。掲出面1つに撮影という動作を載せた企画で、今回のプランは屋外の面と飲食店の店内を同じ企画の中に並べる構成という違いがある。
30店舗はセンター街集中ジャック、50店舗はセンター街+道玄坂ジャック
展開規模はリリースに具体的な表記がある。標準プランは3段階で、それを超える規模は個別対応という書き方だ。
| 区分 | 店舗数 | リリースのエリア表記 |
|---|---|---|
| 標準プラン | 10店舗 | エリアの指定なし |
| 標準プラン | 30店舗 | センター街集中ジャック |
| 標準プラン | 50店舗 | センター街+道玄坂ジャック |
| 案件規模に応じた対応 | 最大100店舗規模 | 渋谷主要エリア全域を網羅 |
リリースは「ブランド戦略や目的に合わせ、店舗数や施策内容を自由に組み合わせることが可能」と書いている。店舗数と施策内容は別に組み合わせる形で、店舗数の区分がそのままメニューフェアやサンプリングの実施店数を指すわけではない。
渋谷メガウォール単体の掲出料金は600,000円、開始は原則月曜日
中心媒体として名前が挙がっている渋谷メガウォールは、京王エージェンシーが運営する屋外広告のナビゲーションサイト「KEIO AD SQUARE」に単体の条件が載っている。
| 項目 | KEIO AD SQUAREの記載(説明文含む) |
|---|---|
| 掲出場所 | 道玄坂と文化村通りの交差点 |
| 掲出期間 | (例)7日間 15秒×4回/1時間 |
| 掲出料金 | 600,000円 |
| 放映時間 | 原則的に各日9時から24時まで連続放映 |
| 開始日 | 7日間プラン以上は原則月曜日スタート |
| 最低放映時間 | 支障を含め全体の約80% |
| 自社コンテンツ | ロール内で自社コンテンツが放映されることがございます |
| 競合排除 | ロール内での競合排除は致しません |
| 放映時間の編成 | 媒体社にて調整、決定致します |
| キャンセル | 原則不可、利用者都合による途中終了の払戻しなし |
| 入稿仕様 | お問い合わせください |
KEIO AD SQUARE には掲出料金600,000円と、掲出期間の例として7日間(15秒×4回/1時間)が別々に載っている。両者が対応するとは書かれておらず、注意事項には「各種放映プランをご用意しております」とある。税の扱いも記載がない。
媒体単体の条件で企画前に効くのは5点ある。ロール内で京王エージェンシーの自社コンテンツが放映されること、ロール内の競合排除がないこと、放映時間の編成を媒体社が決めること、最低放映時間が支障を含め全体の約80%と定められていること、キャンセルが原則不可であること。さらに7日間プラン以上が原則月曜日スタートである点は、飲食店側の施策の開始日を屋外広告と揃えるときに効く。飲食店の週末需要に合わせたい企画なら、月曜スタートの7日間が何曜日に終わるかを先に計算しておきたい。
豚山はチェーンの全店、よみうりランドは園内、今回は渋谷の加盟店に割り振る
飲食店を複数まとめて使う販促には実施済みの例がある。今回はまだ実施事例の発表がないパッケージなので、実績ではなく「対象店舗の範囲をどこで区切るか」という設計の型として並べて読む。
ラーメン豚山は2026年9月25日から10月1日まで、リリース時点の全56店舗で女性客にオリジナル「ぷくぷくシール」を配る。条件はラーメンを1杯以上注文し、提供直前のコールで「ぷくぷく」と伝えること。配布は全国合計6,000枚限定で、各店舗なくなり次第終了とされている(ラーメン豚山の全56店舗で女性客にシールを配る条件)。対象が1チェーンの店舗で区切られているぶん、企画の枠は外から把握しやすい。ただし店舗数は期間中の新店で動き、6,000枚も上限であって配布実績ではない。
よみうりランドは2026年9月4日から9月27日まで(9月9日・10日・16日・17日は休園日)、カラフルピーチとのコラボでコラボメニュー全11品を園内10店舗に振り分け、1品購入ごとに全11種のランダムコースターを付けている(特典を10店舗に散らして回遊を作る面の販促)。こちらは1施設の中で店舗を割り振る形で、接触するのは入園した人に限られる。
今回のプランは、渋谷というエリアの中からぐるなびの加盟店を充てる形になる。通行人は入園料のような前提なしに店へ入れる。センター街集中ジャック、センター街+道玄坂ジャックというパッケージ名が示すのはエリアで、どの店が入るかは案件ごとに組む形だ。
問い合わせで埋める空欄は掲出期間・参加店舗・サンプリング数量・費用内訳の4項目
見積もり依頼の前に押さえておく項目は4つある。プラン全体の掲出期間、参加店舗の店名と施策別の内訳、サンプリングの数量、屋外広告費・飲食店側の実施費・制作費の区分。いずれも両社の発表では条件が示されていないため、初回の問い合わせで確認する。
地図の確認も先に済ませておきたい。渋谷メガウォールは道玄坂と文化村通りの交差点に立ち、放映は原則として各日9時から24時まで続く。50店舗パッケージの名称に入っているのは、センター街と道玄坂だ。屋外の面から飲食店までどれくらいの距離に収まるのかは、この2つを地図上で重ねれば概算できる。
10店舗の標準プランがある以上、小さく始めて数字を取る余地はある。その場合も、メニューフェア・サンプリング・装飾のどれを何店で回すのかを先に固めておけば、店舗数だけを並べた見積もりの比較にならずに済む。屋外広告で稼いだ認知が飲食店の来店に届いたかを測るなら、店内で渡すノベルティや引換条件に、掲出面と結びつく合言葉やコードを持たせる手も取れる。
参照元
- PR TIMES「【ぐるなび×京王エージェンシー】渋谷エリアの屋外広告と飲食店を連動させた新たなプロモーションプランを9月17日より提供開始」株式会社京王エージェンシー(2026年9月17日)
- PR TIMES「【ぐるなび×京王エージェンシー】渋谷エリアの屋外広告と飲食店を連動させた新たなプロモーションプランを9月17日より提供開始」株式会社ぐるなび(2026年9月17日)
- KEIO AD SQUARE「渋谷メガウォール詳細ページ」株式会社京王エージェンシー
最終更新:2026.09.24
