周年の記念品や表彰の副賞で毎回もめるのが「何を配るか」だ。株式会社yui(東京都新宿区、代表取締役・南達也)は2026年9月24日、法人向けにオリジナルのカタログギフトをつくれる「Catalog Gift Studio」を10月1日から提供開始すると発表した。自社が扱う約2万点の商品から選ぶだけでなく、自社商品を混ぜる、自社商品だけで一冊を組む、という三通りの構成が選べる。記念品の調達手段であると同時に、自社商品の売り先を増やす手段にもなる。
自社の商品だけで一冊を組めるカタログギフト作成ツール
贈るためと売るため、用途は二つ
発表によると用途は二つ。ひとつは従業員や顧客へ贈るためのカタログで、周年記念、社内表彰、株主優待などが挙がる。もうひとつは自社商品を販売・販促のチャネルにする使い方で、既存のカタログに載せてもらうのではなく、自社商品でカタログそのものを仕立てる。
10月1日は正式な提供開始で、作成画面はすでに開いている
10月1日は正式な提供開始日で、カタログをつくる画面自体はそれ以前からベータ版で公開されている。お知らせ「ベータ版を先行リリースしました」は本文が2026年8月12日公開、一覧の日付は2026年9月7日と揺れているが、いずれにせよ10月1日を待たずに触れる。利用規約の制定日も2026年8月11日だ。10月を待たず、いま試して社内に見せられる。
料金は税抜1,000〜15,000円、費用が出るのは発注した分だけ
URL・QRコードは1点から、発行手数料も送料もない
料金ページは、初期費用0円・月額0円・作成とデモURLは無料・URLの発行手数料0円と明記する。費用が出るのは発注した分だけで、金額はすべて税抜表記だ。納品形式は二つ。URL・QRコードでの納品は「コース単価×発行点数」で、コース単価は1点1,000〜15,000円で、1点から発注でき、発行手数料も送料もかからない。メールやチャットで渡す前提のため、受け取る人の住所を知らないまま配れる。
ギフトカードは50点からで、カード代と送料が別に乗る
式典で手渡しするならカード納品だ。「(コース単価+カード代)×発行点数+送料」で、50点以上から。カード代は合計点数で決まり、50〜99点が1点400円、100〜299点が300円、300〜999点が250円、1,000点以上が200円。送料は納品先1か所2,000円(いずれも税抜)。印刷工程が入るぶん納期は延びる。カード仕様はPVC0.76mm・85.6×54mm、両面フルカラーで、1枚ごとに異なるQRコードを印字する。
| 項目 | URL・QRコード | ギフトカード |
|---|---|---|
| 最低発行点数 | 1点 | 50点 |
| コース単価(税抜) | 1,000〜15,000円 | 同左+カード代 |
| カード代(税抜) | なし | 1点200〜400円(合計点数で決定) |
| 送料(税抜) | なし | 納品先1か所2,000円 |
| 納期 | 発注から最短1営業日 | 発注から約1か月 |
試算例も出ている。3,000円コースを500点なら、URL・QRは税抜1,500,000円・税込1,650,000円。カードは500点がカード代250円の帯に入り、1,500,000円+125,000円+送料2,000円で税抜1,627,000円、税込1,789,700円。手渡しの体裁にこだわると500点でおよそ13万9千円(税込)の上乗せになる。
「自社商品を載せられる」はどこまで可能か
登録は会員なら誰でも、載せるかどうかは個別契約で決まる
利用規約第6条は、会員が自社の商品や画像を登録できると定める一方で、登録された情報を実際のカタログに掲載する義務をyuiは負わず、掲載の可否は個別契約で別途協議のうえ決定すると書いている。登録の段階に審査料や掲載料がある旨の記述は見当たらないが、登録できることと掲載されることは同じではない。第1条もサービス上で売買契約は成立せず、発行・印刷・発送は個別の見積り・発注の合意に基づくとする。規約の冒頭には、対象は法人その他の事業者で個人が事業以外の目的で使うことは想定していない、とも書かれている。
登録した自社商品は自分の画面にしか出ない
よくある質問は、自社商品のみでの作成にも対応し、登録したオリジナル商品は自分の画面にだけ表示されると説明する。共通カタログに自動で並ぶわけではない。作成は無料だが、保存には無料の会員登録がいる。掲載する商品は発注前に確定させる必要があり、仮の構成をつくってデモ画面で確認しながら詰める流れが案内されている。問い合わせの用件欄には「商品の掲載(メーカー・生産者の方)」もあり、自社のカタログに載せる話とは別に、yui側の品ぞろえに入る相談も受け付けている。
周年や表彰の記念品と比べて、発注側の手間はどこが減るか
名簿づくりと住所集めが発注側から外れる
受け取る人の流れは、URLやQRから開く、商品を1点選ぶ、メールの認証コードで本人確認、届け先を本人が入力、の順だ。発注側が名簿をつくったり住所を集めたりする必要はなく、届け先は発送に必要な範囲でメーカーに渡り、商品はメーカーから直送される。人数分そろえて社内で仕分ける方式と比べれば、倉庫も梱包も在庫の読みも発注側から消える。届いた品を見せ合う一体感は薄れるため、式典で配るならカード納品になる。
好みが割れて余る記念品をどう避けるか
記念品は「全員に同じ物」を選んだ瞬間、興味のない層をつくる。早稲田大学が創立150周年の寄付特典にフェイラーの非売品ハンカチを選んだ例では、1万円という金額の閾値と1,500枚という上限で予算の上限を見通しやすくした設計が効いていた。一品に絞る手は相手の層が読めているときに強く、社員数千人規模で好みが割れる場面では選ばせる形のほうが不満が出にくい。
食品や重い商品を持つ事業者ほど、使い道が見つけやすい
公開されている事例は既存サービスでの導入
公式サイトの導入事例は、Catalog Gift Studioではなく同社の既存サービスで実施されたものが並ぶ。株式会社TMEICの20周年記念品には「yui365」、立飛麦酒醸造所には「eMEMBERSHIP」と、既存サービス名が明記されている。その立飛麦酒醸造所は要冷蔵で重い瓶ビールを手土産にする負担を挙げ、自社のビールだけのギフトカードを導入したという。ANAケータリングサービスは、機内食ブランドの冷凍商品が出張時に手渡しづらく、持って行ける商品が常温に偏っていたと説明する。京都料理芽生会は全国大会の土産を一律配布から各店の推し商品を選べる形に変え、掲載商品がその後yuiのブランドとして継続販売される仕組みに発展したという。冷凍・冷蔵・重量物を扱う事業者の課題感が、事例の入口にそろう。なお引き出物宅配の「結-yui-」は2018年度グッドデザイン賞(受賞番号18G141154)を受けており、公式サイトはこの基盤を使うと説明する。
QRで渡す形は原価と在庫の圧縮に効く
渡す物をモノからコードに置き換える動きは販促の現場でも広がる。東京駅一番街の通路に二次元コードを置いてスマホ壁紙を配った企画は、印刷も在庫も持たずに接点をつくった例だった。カタログギフトのURL納品も発想は近く、発注から最短1営業日という速さは在庫を持たないから成り立つ。一方で受け取る側に本人確認と入力の手間が乗る点は紙の記念品と違う。配布条件を絞って顧客データに変えたFREAK’S STORE40周年のキーホルダー配布とは逆に、こちらは発注側が個人情報を持たない設計になっている。
発注前に確認しておきたい数字と窓口
試算は作成画面で出せる
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | Catalog Gift Studio(カタログギフトスタジオ) |
| 提供開始 | 2026年10月1日(ベータ版は先行公開) |
| 提供元 | 株式会社yui(東京都新宿区下宮比町2-28 飯田橋ハイタウン601/設立2017年9月/資本金4,917万円) |
| 対象 | 法人その他の事業者 |
| 作成・保存 | 無料(保存には無料の会員登録が必要) |
| 支払い | 納品完了後に請求書、原則として発行日の翌月末までに振込 |
| 相談窓口 | 公式サイトの問い合わせフォーム/info@yui.gift |
作成画面でコース・発行点数・納品先の数を入れると、料金ページと同じ計算で試算が出る。
仮のカタログを1本つくってデモURLを回す
まず動かすなら、次の周年か表彰の予算枠を1点あたりの単価に割り戻し、その金額のコースで仮のカタログを1本つくってデモURLを決裁者に回すところまでだ。登録も費用もかからず、見せる材料は今日つくれる。自社商品を載せたいなら、その仮カタログに商品情報を入れたうえで掲載の可否と条件を個別に相談する順になる。
参照元
- 全事業者をギフト会社に!「Catalog Gift Studio」を10月1日提供開始(2026年9月24日) — prtimes.jp
- Catalog Gift Studio 公式サイト(サービス内容・よくある質問) — studio.yui.gift
- 料金ページ(コース単価・カード代・送料・試算例) — studio.yui.gift
- はじめての方へ(作成から受け取りまでの流れ) — studio.yui.gift
- 利用規約(冒頭・第1条・第6条) — studio.yui.gift
- お問い合わせ(ご用件の選択肢) — studio.yui.gift
- お知らせ一覧と記事「ベータ版を先行リリースしました」 — studio.yui.gift
- 導入事例(立飛麦酒醸造所・ANAケータリングサービス・京都料理芽生会・TMEICの各ページ) — studio.yui.gift
- GOOD DESIGN AWARD 受賞ギャラリー「結-yui-」(2018年度) — g-mark.org
- 株式会社yui 会社情報 — company.yui.gift
最終更新:2026.09.26
