バッグブランドのanello®が、ドイツの老舗フィギュアメーカー「Schleich(シュライヒ)」と初めて組んだ。恐竜と動物が共存する架空の国立公園「anello® National park」という世界観を掲げ、8月28日に全5型6デザインを発売する。畑違いのブランド同士を「作り込んだ世界観」で束ね、店頭・POP-UP・SNS応募まで一本の物語で貫く——この設計は、コラボ企画を単発で終わらせない販促のヒントになる。
恐竜と動物の「架空の国立公園」で世界観を統一
コラボのコンセプトは「子ども心を忘れない、すべての大人たちへ」。恐竜シリーズと動物(サファリ)シリーズの2ラインで、価格帯は日常使いできる4,000〜1万円台に置いた。バッグとフィギュアという無関係な商材を、「国立公園」という架空の舞台設定でひとつの物語に落とし込んでいる。
| シリーズ | アイテム(税込) |
|---|---|
| DINOSAURS | 巾着ショルダー¥7,480/口金リュックS ¥10,780/口金リュックR ¥12,760 |
| SAFARI | ミニショルダー¥4,620/トート¥8,360 |
| 発売:2026年8月28日(金)・全5型6デザイン | |
店頭・POP-UP・SNSを一本の線でつなぐ
販路の設計も練られている。公式オンラインストアと直営店(心斎橋2店舗)に加え、大阪高島屋で9月2〜8日の期間限定ポップアップを開く。さらに公式X(@official_anello)のフォローとリポスト/いいねを条件に、フィギュアを収める非売品の「シュライヒ専用バッグ」を、ティラノサウルス・レックス柄1名・アフリカ象柄1名にプレゼントする(応募は8月28日〜9月13日)。物販・体験(POP-UP)・拡散(SNS応募)を、同じ世界観で貫いている点が肝だ。POP-UPを軸に会期をずらして人を動かす発想は、呪術廻戦5周年がPARCO5会場を日程差で巡回させた設計とも通じる。
90年ブランドの信用を借りる意味
相手のシュライヒは1935年ドイツ創業、2025年で創立90周年を迎えた老舗で、手彩色の動物・恐竜フィギュアを60カ国以上で売る。anello®はこの「本物のフィギュアブランド」の信用と造形力を借りることで、単なるキャラ絵のプリントではない説得力を得ている。周年ブランドの資産を掛け合わせる手法は、ぷよぷよ35周年の特典設計のように、記念性そのものを訴求材料に変える動きと重なる。
コラボを一過性で終わらせない要点
- 畑違いのコラボは「世界観」で束ねる。架空の舞台設定があると、無関係な商材が一つの物語になる。
- 物販・POP-UP・SNS応募を同じテーマで貫く。単発で終わらせず、来店と拡散を連鎖させる。
- 非売品プレゼントはSNSのフォロー+拡散を条件にする。当選枠が少なくても拡散効果は大きい。
- 相手ブランドの「歴史・造形力」を借りると、コラボの説得力が増す。ロゴを並べるだけにしない。
- 価格帯は日常使いできる範囲に。実用品として買われれば、そのまま歩く広告になる。
- 販路はオンライン・直営店・POP-UPで役割を分ける。話題は期間限定店、恒常販売はオンラインで受ける。
- 世界観を作り込めば第2弾以降に展開しやすい。単発ではなくシリーズ化を前提に設計する。
飽和するコラボ市場で差をつける一手
キャラクターやブランドのコラボは飽和し、ロゴを並べただけの企画は埋もれやすくなった。この状況で効くのが、anello®×シュライヒが見せた「世界観への投資」だ。架空の国立公園という舞台を設定し、恐竜・動物という共通のモチーフで両ブランドを地続きにする。この作り込みは、単なる話題づくりを超えて、コラボを「一過性のイベント」から「シリーズ化できる資産」に変える可能性を持つ。世界観さえ確立できれば、第2弾・第3弾で新シリーズを追加でき、ファンは物語の続きとして受け止める。販促担当者が学ぶべきは、コラボ相手選びと同じくらい「二つのブランドをつなぐ物語」の設計に労力を割く価値がある、という点だ。意外な組み合わせほど、その橋渡しとなる世界観の巧拙が成否を分ける。
まとめ
anello®×シュライヒは、バッグと玩具フィギュアという無関係な組み合わせを「架空の国立公園」という世界観で一本化し、店頭・POP-UP・SNSまで貫いた好例だ。コラボを単なるロゴの共演で終わらせず、物語と体験で連鎖させる設計は、業種を問わず販促担当者が転用できる。意外な相手ほど、束ねる世界観が効いてくる。
参照元
・PR TIMES「anello®がドイツの老舗フィギュアブランド『Schleich』とコラボレーション」(2026年8月24日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000089.000045957.html
最終更新:2026.08.26
