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お~いお茶1ケースでニットトート、デザインは金沢のアパレルに出した

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2026.10.06
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お~いお茶1ケースでニットトート、デザインは金沢のアパレルに出した

伊藤園が9月28日から全国の量販店業態で、「お~いお茶」ブランド(460ml~600ml)を1ケース買った人にオリジナルのニットトートバッグを1つ付ける企画を走らせている。トートは全4種で、デザインを手掛けたのは金沢のア […]

伊藤園が9月28日から全国の量販店業態で、「お~いお茶」ブランド(460ml~600ml)を1ケース買った人にオリジナルのニットトートバッグを1つ付ける企画を走らせている。トートは全4種で、デザインを手掛けたのは金沢のアパレルブランド「OJICO」。販促物の仕様を自社で決めて供給元に流すのではなく、自社とは別の世界観を持つブランドにデザインを委ねた形だ。10月5日にOJICOを展開する有限会社チャンネルアッシュがリリースを出し、4種それぞれのデザインの意図が公開された。量販店の棚で配る販促物の作り方として、発注先の選び方に踏み込んだ事例になっている。

目次

1ケースに1つ、景品が切れたら終わる

企画の条件は単純で、お~いお茶ブランドの460ml~600ml製品を1ケース購入すると、オリジナルニットトートバッグが1つ付いてくる。実施場所は全国の量販店業態、開始は2026年9月28日。終了日は公表されておらず、景品が無くなり次第終了とだけ告知されている。配布数量も出ていない。

この「期間で切らず数量で切る」組み方は、店舗側の在庫消化と連動させやすい一方で、読者が自社で真似るときには注意が要る。終了告知のタイミングを売場任せにすると、問い合わせの受け皿を本部が持てなくなるからだ。先着順で配る布物の企画では、梅田のベーカリーが税込2,000円以上の購入で先着200名にトートを配った例のように、数量を明示して終わりを読めるようにする設計もある。どちらを選ぶかは、売場の数と本部の運用体力で決まる。

デザインの4種に、それぞれ別の物語が付いている

4種のデザイン名と、リリースに書かれた言葉を並べると意図が読める。

デザイン名 添えられた言葉
お茶の子サイサイ やまもりおにぎり お茶の子サイサイ もうすぐ完成 待っててね
マナtea マナティのお茶畑 美味しいお茶になりますように 心を込めて作ってます
茶んと一服 夢中なときも 忙しいときも 忘れないでね ちゃーんと一服!
COMMUNI-TEA! わたしからあなたへ あなたからあのひとへ お茶からうまれる COMMUNI-TEA!

共通テーマは「みんなでつながる」。4種すべてが言葉遊びで構成されていて、ブランドロゴを大きく置いて終わりにする作りになっていない。社名やブランド名の露出量よりも、持ち歩いたときに会話が生まれるかを優先した判断が見える。OJICOは「楽しくないTシャツなんて、欲しくない。」をテーマに掲げるブランドで、この種の言葉の作り込みがもともとの商品そのものだ。

デザインを手掛けたのは金沢のTシャツブランド

OJICOを運営するのは有限会社チャンネルアッシュ(石川県金沢市新保本、代表取締役・越原裕幹氏)。ベビーからメンズまで最大13サイズでTシャツや雑貨を展開し、主力のTシャツは染め、裁断、プリント、縫製の全工程を国内で行っていると説明している。自社ブランドの企画・デザイン・製造・販売が本業で、そのうえでOEM事業、車両ラッピング、企業ロゴ、ノベルティの企画・デザインも請けている。

つまり今回の発注先は、販促物専業の制作会社ではなく、自社で商品を売っているブランドだ。この違いが実務上どこに出るのかを整理しておきたい。

社内で描く、制作会社に任せる、ブランドに出す

ノベルティのデザインを誰が描くかで、変わるのは見た目だけではない。権利処理と単価の決まり方、そして修正のやり取りの回数が変わる。

比較軸 社内デザイン 販促の制作会社・OEM商社 外部アパレルブランド
世界観 自社ブランドの範囲に収まる 既製品の形に合わせた無難な仕上がりになりやすい 相手のブランド文脈が持ち込まれる
費用の出方 人件費に埋まり見えにくい グッズ単価に含めて提示される デザイン費またはライセンス費が別立ちになりやすい
権利の帰属 自社に残る 契約で取り決める 契約次第。ブランド側に残る前提から交渉が始まることが多く、使用範囲・期間・媒体を個別に詰める
二次利用 自由度が高い 契約の範囲内 店頭POP・広告・SNSへの展開可否を事前に確認する必要がある
進行の律速 社内決裁 サンプル確認と量産の生産枠 ブランド側のデザイン工程と確認往復
向く場面 定番の名入れ物 数量が大きく仕様が固まっている物 捨てられない物を作りたい、話題化を狙う場合

外部ブランドに出す選択で一番見落とされるのは二次利用の範囲だ。トートの写真を店頭POPに使い、SNS広告にも回し、翌年の別企画で柄を流用する、という展開は社内では自然に発想される。ブランド側に著作権が残る前提なら、そのすべてを最初の見積りの段階で使用範囲として書き出しておかないと、公開直前に差し替えが発生する。

IPを借りる手と、素材から入る手

外部の力を借りる方法は、アパレルブランドへの発注だけではない。寝具の西川はスヌーピーのIPを使い、特典のラインを税込5,500円に設定したトート企画で、夏の3,300円から購入ラインを引き上げている。キャラクターIPを借りる形は認知の立ち上がりが速い反面、使用料と監修の往復が入る。

素材側から入る方法もある。リサイクル素材のマルシェバッグを1枚から発注できる一方で99枚より100枚のほうが安くなる価格表のように、小ロットで試作してから数量を決める入口を用意している供給元も増えている。外部ブランドに出す案件でも、素材と縫製の調達は別のラインで押さえておくと、デザインの確認待ちで生産枠を失う事故を避けられる。

配る瞬間に客が何を持っているかで、素材と寸法が決まる

1ケース購入が条件という設計は、受け取る人の持ち物の量を変える。ケース入りの飲料を持ち帰る客は、その時点でかさばる荷物を抱えている。ここに形が決まっていて畳めないバッグを付けると、受け取った瞬間に持て余す。今回の景品は編み地のトートで、素材の性質としては畳んで押し込める方向にある。受け渡しの方法や寸法は公表されていないが、配布シーンと素材の相性を先に考える順番そのものは、自社の企画でも真似できる。

自社で量販店施策の布物を考えるなら、確認する順番は次の3つになる。

第一に、配る瞬間に受け取る人が何を持っているかを売場で実見する。レジ渡しか、売場での同梱か、サービスカウンターでの引換かで、許容されるサイズと硬さが変わる。第二に、使い回しの用途が1つに絞れているかを見る。買い物袋、弁当入れ、サブバッグのどれを狙うかでマチと持ち手の長さが決まり、ここを決めずに「汎用のトート」を作ると家の中で用途を獲得できない。第三に、ロゴの面積を最後に決める。デザインを外部ブランドに出す案件では、ロゴを大きくしたいという社内要望が後から入りがちで、それが入った瞬間に「もらったら使う物」から「配られた広告物」に落ちる。4種それぞれに言葉を乗せた今回の作りは、少なくとも仕上がりの側からは、その順番でまとめたように読める。

取引価額は1本の価格ではなく、1ケースの価格で見る

購入を条件に購入者全員へもれなく渡す形なので、この企画は景品表示法上の総付景品にあたる。上限は取引価額1,000円未満で200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2だ。ここで効くのが条件が「1本」ではなく「1ケース」だという点で、購入額に応じて景品を渡す形なら、取引価額は飲料1本の価格ではなくケースの購入額で見ることになる。ケースの価格が1,000円を超えていれば、使える枠は200円の定額ではなく価額の2割まで広がる。飲料1本の購入で配る小物と、ケース購入で配る布物を同じ感覚で設計すると、ここで差が出る。

もう一段細かい話として、景品を提供するのが小売業者なのか製造業者なのかで基準が変わる。運用基準は、提供者が小売業者やサービス業者なら対象商品の実際の取引価格を、製造業者や卸売業者なら実施地域における通常の取引価格を基準にすると定めている。今回は飲料メーカーが量販店の売場で配る形なので、後者に当たる。量販店ごとに売価が違っても、枠の計算に使うのは実施地域の通常の取引価格になる。

もうひとつ、事業者名を広告するために提供する物品で適当な限度のものは、総付景品の規制の適用除外にあたるという運用基準がある。社名入りのカレンダーやメモ帳が例に挙げられている類型だ。ただし「適当な限度」の判断が入るので、無条件の抜け道にはならない。ブランドの世界観を優先してロゴを小さく入れたデザインの場合、広告宣伝物としての位置づけで押し切るより、取引価額から枠を計算しておくほうが安全側に立てる。

実施条件と問い合わせ先

項目 内容
企画名 伊藤園×OJICO お~いお茶オリジナルニットトートバッグ
実施主体 株式会社伊藤園(本社・東京都渋谷区、社長・本庄大介氏)
デザイン OJICO/有限会社チャンネルアッシュ(石川県金沢市新保本、代表取締役・越原裕幹氏)
実施場所 全国の量販店業態
開始 2026年9月28日
条件 お~いお茶ブランド(460ml~600ml)を1ケース購入で1つ
デザイン数 全4種
終了 景品が無くなり次第終了
問い合わせ OJICOお客様窓口 076-246-5050(平日11時~17時)

まとめ

この企画から持ち帰れるのは、「誰にデザインを頼むか」が仕上がりの質だけでなく権利処理と進行の形まで決める、という点だ。外部のアパレルブランドに出せば自社では描けない言葉と絵が入るが、その代わりに使用範囲の取り決めと確認往復の時間を予算に組み込む必要がある。

自社で検討するなら、順番はこうなる。まず配布シーンを売場で実見して、サイズと素材の制約を先に確定させる。次にデザインの発注先候補を3通り(社内・制作会社・外部ブランド)で並べ、二次利用したい媒体を列挙して各候補に投げる。見積りを取る段階で、デザイン費と製造単価を分けて出してもらう。最後に取引価額から総付景品の枠を計算して、単価の上限を確定する。発注先を決めてからロゴのサイズを議論すると手戻りになるので、ロゴの面積は発注前に社内で合意しておきたい。

参照元

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編集:食品ノベルティの窓口 編集部(株式会社Agriture)
農業×食のOEM窓口として、業界動向を編集部がまとめています。
最終更新:2026.10.06
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この記事を書いた人

小島 怜 Agriture CEO

株式会社Agriture CEO/乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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