ローソンが2026年7月28日(火)朝7時から、明治の菓子とゲーム『ゼンレスゾーンゼロ』を組み合わせた先着ノベルティ企画を全国で始める。対象の明治菓子23品目から組み合わせ自由で3点を選び、アクリルマーカー全5種のうち欲しい1個を一緒にレジへ持って行くと、その場で受け取れる。配布は各店計15個で、8月10日(月)までか景品がなくなり次第終了する。菓子の店頭施策で景品を客に選ばせる設計であり、同日に始まるファミリーマートの並走企画も同じ持参型を採る。閾値・在庫・レジ運用の3つに分けて、自社の販促に移せる部分を読み解く。
「3点+好きな1個をレジへ」が公式の手順
ローソン公式サイトが告知しているのは、対象のお菓子(組み合わせ自由)3点を買い、好きなオリジナルアクリルマーカー1個をレジまで持って行く、という手順だ。景品は全5種で、ライカン、イヴリン、葉瞬光、ジェーン、ビリーの5キャラクター。サイズは約W36×H38mmと小さく、本体がアクリル、カニカンが亜鉛合金、リングが鉄、わっかパーツがシリコンという構成になっている。
数量の書き方には注意がいる。公式が示す「各店計15個」は1店舗あたりの総数であって、全国合計でも1キャラあたりでもない。5種類ぜんぶ合わせて15個である。あわせて「お1人様1店舗のお買い物につき各種1個、計5個まで」という上限も明示された。対象は全国のローソンで、ナチュラルローソン、ローソンストア100、Lミニマート、および一部店舗は除かれる。同じ日には、オリジナルクリアカードを1枚封入した明治のコラボ仕様商品5品(チョコレートスティックパック2種とガルボのポケットパック3種/各899円・税込)も順次発売される。カードは全2種で、公式が「絵柄はお選びいただけません」と書くランダム封入だ。
選ばせる場所をレジから売場へ移した
この設計でいちばん実務的なのは、選択のタイミングだ。公式が示す受取方法は「対象のお菓子(組み合わせ自由)3点+お好きなオリジナルアクリルマーカー1個をレジまでお持ちください」。客は景品を自分で手に取ってからレジに並ぶ想定で、カウンターで「どれにしますか」と聞く時間が発生しない。もっとも公式は「対象商品をお買い上げの際に店員がレジにて景品をお渡しする場合がございます」とも書いており、売場に景品を並べる運用が全店で保証されているわけではない。店員の仕事は、購入点数が条件を満たしているかの照合と、持ち込まれた景品の処理に絞られる。ここを取り違えると、選択制はレジを詰まらせる施策に転落する。レジ前で5種類を見せて選ばせれば、1人あたり数十秒の判断時間が積み上がり、ピーク帯のコンビニでその数十秒は許容されない。
裏返せば、この方式は景品を店頭に露出させる。バックヤードから店員が渡すランダム配布と違い、残数が客から見える。残数が見えることは購買を急かす一方、持ち去りや条件を満たさない客への説明という売場管理のコストも生む。ローソンが上限を種類別に区切ったのは、この露出型の運用で1人が棚を空にする事態を避けるためだろう。
同じIP・同じメーカーで、閾値が1点ちがう
比較材料として使いやすいのが、ファミリーマートが同日に始める並走企画だ。同じ『ゼンレスゾーンゼロ』、同じ明治の菓子でありながら、購入点数の条件も景品の形状も違う。
| 項目 | ローソン | ファミリーマート |
|---|---|---|
| 開始 | 7月28日(火)朝7時 | 7月28日(火)午前10時 |
| 終了 | 8月10日(月)/なくなり次第 | 8月10日(月)/なくなり次第 |
| 購入条件 | 対象の明治菓子を一度に3点 | 対象商品を2個同時に買うごと |
| 景品 | アクリルマーカー 全5種 | アクリルスタンド 全5種 |
| サイズ | 約W36×H38mm | W75×H55mm以内 |
| 選択 | 好きな1個をレジへ持参 | 好きな1個をレジへ持参 |
| 配布数 | 各店計15個 | 非公表 |
| 1人上限 | 各種1個・計5個 | 非公表 |
閾値が3点か2点かで、1回の会計に乗る金額が変わる。ファミリーマートは「2個同時に買うごと」と繰り返しを認めたうえで、1店舗あたりの配布数も1人あたりの上限も公表していない。ローソンは3点で1個と重くし、そのかわり15個という店の天井と5個という人の天井を明示した。ローソンの対象23品目は税込164円の果汁グミから523円のミルクチョコレートBOXまで幅がある。同じ客に3点まとめさせる条件は、2点条件より1会計に乗る金額を押し上げる方向に働く。ファミリーマート側は2点と軽く、そのぶん景品はW75×H55mm以内と大きい。閾値の重さと景品の大きさが逆になっているのが面白いところだ。
| 買い方 | 点数 | 会計額(税込) | もらえる数 |
|---|---|---|---|
| 最安の組み合わせ(164円×3) | 3点 | 492円 | 1個 |
| 最高額の組み合わせ(523円×3) | 3点 | 1,569円 | 1個 |
| 1店舗で上限まで(164円×15) | 15点 | 2,460円 | 5個 |
下段の行が、この設計の核心を示している。5種類そろえたい客は、同じ店で3点買いを5回繰り返す必要がある。最安構成でも15点、2,460円だ。選択制はコンプリート需要を消さない。「確実に全部揃えられる」という見通しを与えることで、5回分の購買を確定させている。
報道と公式表記から読み取れる温度差
選択制であることは、ゲームメディアの報道でも明確に扱われている。電ファミニコゲーマーは景品について「全5種となっており、好きな種類を選ぶことができる」と書き、選べる点を記事の要素として立てた。コラボ情報を扱うコラボカフェは手順を「対象商品3個と『ゼンレスゾーンゼロ アクリルマーカー』の中からお好きなデザインを1つレジまで持って行き対象商品を購入」と説明しており、客が景品を持ってレジへ向かう動線がそのまま文面になっている。
主催側の温度感は但し書きに出る。ローソンは「お1人様1店舗のお買い物につき各種1個、計5個まで」と種類別の上限を設けた。1人が同じキャラを5個持ち帰る買い方を封じ、限られた15個を複数の客に行き渡らせる意図が読める。ファミリーマートも、コラボ仕様のチョコレートは景品の「対象商品ではありません」と線を引いた。ローソンの対象23品目にも899円のコラボ仕様商品は入っておらず、両社ともコラボ商品と景品対象商品を意図的に分けている。
公表された数字だけを見ても、各店15個は薄い。1人が上限の5個まで持ち帰れる以上、3人で1店舗分が尽きる計算になる。しかも選択制なら、消えるのは人気キャラから順だ。
選択制とランダム、どちらを選ぶかの判断軸
販促担当が自社で流用するとき、選択制とランダムは好みで決めるものではない。効き方が違う。
単価は選択制のほうが伸びにくい
ランダム配布は「欲しい絵柄が出るまで買う」という反復を誘発する。1人あたりの購入回数を伸ばす力は、本来ランダムのほうが強い。選択制は1回で目的が達成されるため、単価を伸ばしたいなら閾値そのものを重くするしかない。ローソンがファミリーマートより1点重い3点を置いたのは、選択制で失う反復購買を閾値で取り返す設計と読める。同じ「菓子3点」の閾値は同社が以前に組んだ企画でも使われており(ローソン×ドズル社の菓子3点キャンペーン)、閾値の数字を動かさず景品側の仕様で差をつけるやり方が定着しつつある。
コンプ需要は上限設計で残せる
選択制はコンプ需要を殺すと思われがちだが、「1人あたり各種1個」の上限を置けば全種そろえるルートは残る。むしろ達成可能性が見えるぶん途中離脱が減る。ランダムは確率で客を消耗させ、ある回数で諦めさせる。絵柄が5種類程度なら、最後まで追わせやすいのは選択制のほうだ。
在庫消化は選択制のほうが読みにくい
ここは選択制の弱点だ。ランダムなら5種を均等に流せるが、選択制では人気キャラから消える。各店15個を5種で割れば計算上は3個ずつだが、実際には特定のキャラだけ初日に尽き、残りが最終日まで残る。景品の余剰と欠品が同時に起きる。発注時に均等割りすると読み違えるため、デザイン別の人気を事前に見積もって配分を変えるか、余った分の受け皿を用意しておきたい。
レジ運用は「持たせる」なら成立する
選択制の可否は、レジで選ばせるかどうかで決まる。ローソン方式のように景品を売場に出して客に持たせるなら、レジ滞留は増えない。逆に景品をレジ内に置いて選ばせる運用にすると、1人あたりの接客時間が伸びてピーク帯に行列を作る。導入を検討するなら、まず「景品をどこに置くか」を決めてから選択制の可否を判断する順番になる。
二次接触は別の層で作る
この企画がうまいのは、選べる景品と選べない封入物を同じ期間に並べた点だ。アクリルマーカーは確実性で1回目の来店を作り、クリアカード全2種を封入した899円商品はランダム性で反復購買を作る。菓子3点で先着景品を配りつつ抽選を併走させた明治の過去事例もあり(明治×ハイキュー!!の先着ステッカーと819名抽選)、確実にもらえる層と当たれば嬉しい層を分ける型はメーカー側にも蓄積がある。
「各店15個」と「全国◯万名」は別の設計思想
先着ノベルティの数量表記には、店舗あたりで切るものと全国合計で切るものがある。ローソンの各店計15個は、どの店にも最低限の在庫がある代わりに、店ごとに早い者勝ちが起きる。全国合計型は総量が読みやすい反面、都市部の大型店に偏って地方が取り逃す。くら寿司が呪術廻戦とのコラボで全国合計30万名という枠を置いた事例のように(くら寿司×呪術廻戦5周年の先着30万名企画)、大きな数字を告知に使えるのは合計型の利点だ。
規模感も掴んでおきたい。ローソンのIR資料によれば2026年4月末時点のグループ国内総店舗数は14,645店で、うちナチュラルローソンが134店、ローソンストア100が544店。今回はこの2業態とLミニマート、さらに一部店舗が除かれるため、実施店舗はおよそ1万4,000店を下回る規模になる。各店15個を掛ければ総量は20万個前後という計算だ(本稿の試算)。合計で告知すれば見栄えのする数字だが、あえて店舗単位で開示している。客に「最寄り店に何個あるか」を伝えるほうが行動につながると判断したのだろう。自社で組むときも、告知のインパクトを取る合計型か、来店の確実性を取る店舗型かは先に決めておきたい。
実施概要と、発注前に押さえる数字
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企画名 | ゼンレスゾーンゼロ×明治タイアップキャンペーン |
| 期間 | 2026年7月28日(火)朝7時~8月10日(月)/景品がなくなり次第終了 |
| 条件 | 対象の明治菓子(組み合わせ自由)3点購入 |
| 景品 | オリジナルアクリルマーカー 全5種(ライカン/イヴリン/葉瞬光/ジェーン/ビリー) |
| 仕様 | 約W36×H38mm。本体アクリル、カニカン亜鉛合金、リング鉄、わっかパーツシリコン |
| 配布数 | 各店計15個(1店舗あたりの総数) |
| 1人上限 | 1店舗の買い物につき各種1個、計5個まで |
| 対象商品 | 全23点/税込164円~523円 |
| 対象店舗 | 全国のローソン(ナチュラルローソン・ローソンストア100・Lミニマート除く、一部店舗除く) |
| コラボ商品 | オリジナルクリアカード(全2種・ランダム)1枚入りの明治チョコレートスティックパック2種・ガルボポケットパック3種 各899円(税込)/7月28日より順次発売。アクリルマーカーの引き換え対象外 |
| 問い合わせ | 0120-774-080(2026年7月22日(水)~8月11日(火) 9:00~17:00、土日祝を除く) |
対象23品目は164円の果汁グミも523円のミルクチョコレートBOXも同じ「1点」として数える。最安構成を選べる余地を残したぶん、3点という条件のハードルは下がっている。
まとめ:自社に移すなら、まず景品の置き場所を決める
持ち帰れるものは3つある。選択制を成立させるのはレジではなく売場だという点。選択制で失う反復購買は閾値で取り返せるという点。そして、選べる景品と選べない封入物を並走させる二層構造だ。
次に動くなら、社内で3つの数字を先に確定させたい。1店舗あたりの配布個数、1人あたりの上限、デザイン別の配分比率。この3つが決まらないまま選択制に踏み込むと、人気柄の初日欠品と不人気柄の在庫残りが同時に起きる。デザイン数を絞る、人気差の小さいモチーフを選ぶという逃げ道もある。まずは自社の店頭で、景品を客に手渡すまでの動線を1本引いてみるところからだ。
参照元:ローソン研究所(公式キャンペーンページ)/ローソン公式サイト/ファミリーマート公式サイト/コラボカフェ/電ファミニコゲーマー/コンビニチェック/ローソン月次情報
最終更新:2026.07.28
