【推しの子】とラウンドワンのコラボキャンペーンが、2026年7月24日に全国で走り出した。10月25日までの会期を7月24日〜9月10日と9月11日〜10月25日の2つに折り、コラボメニューの注文特典を「クリアチケット」から「ホログラムコースター」へ入れ替える。看板も対象店舗も動かさず、もらえる物だけを途中で差し替える構成だ。9月11日にもう一度足を運ぶ理由を、同じキャンペーンの内側へ埋め込んでいる。期間の切り方、切り替え原価、告知の順番から読み解ける。
7月24日に始まった3か月、いま何が配られているか
発表は7月10日、株式会社ラウンドワンジャパン(大阪市中央区難波、代表取締役社長 川口英嗣)のリリースによる。会期は2026年7月24日(金)から10月25日(日)まで。リリースは前半を7月24日〜9月10日の計49日間、後半を9月11日〜10月25日の計45日間と、日数まで数えて明記している。
配布物は2系統ある。対象のコラボメニューを注文した客には、前半がクリアチケット、後半がホログラムコースター。施設利用のコラボパックには、前半・後半ともホログラムA5イラストカードが付く。アニメ!アニメ!と超!アニメディアは、後半のカードをミニキャラ版として紹介している。
周辺の仕掛けも厚い。全国100店舗の対象クレーンゲームに500円を投入すると、もれなくオリジナルグッズが手に入る。ボウリング98店舗ではスコア表示モニターの演出がコラボ仕様へ変わり、2ゲームスコアを登録して基準点を超えた客にはA5クリアファイルが渡る。池袋店にはコラボルームが置かれ、グッズとカプセルトイの販売は4店舗に絞られる。
49日と45日、ほぼ等分に折った配分を読む
前半49日、後半45日。差はわずか4日で、3か月をほぼ真ん中で折っている。ここには読む価値がある。前半を長く取れば後半の特典が付け足しに見え、後半を長く取れば前半の締切感が薄まる。等分は、どちらの期間にも同じ重さの締切を作る配分だ。
曜日の並びも揃っている。前半は金曜開始・木曜終了、後半は金曜開始・日曜終了。切り替えが金曜なので、直後の週末が初動を拾う。前半の最終日が木曜である以上、駆け込みは9月上旬の週末へ前倒しで起きる。後半は最終日が日曜で、最後の週末が締切日と重なる。同じ等分でも、終盤の混み方は前後で別物になる。
季節の条件も効いている。前半には夏休みが丸ごと入り、施設側が押さなくても来場は伸びる。後半が始まる9月11日以降は、学校も職場も通常運転へ戻る。自然に人が集まる期間へ最初の特典を、来店動機が細る期間へ新しい特典を置いた順序だ。特典の鮮度を、需要が落ちる側へぶつけている。7月27日時点で前半はまだ1か月半近く残り、後半の内容はすでに公開されている。
業態ごとに違う店舗数が、告知の難しさを生む
ラウンドワンの国内店舗数は100店舗(2026年5月時点、同社採用サイト)。これを分母に置くと、施策ごとに届く範囲の差がはっきりする。
| 施策 | 対象 | 店舗数 |
|---|---|---|
| クレーンゲーム(500円投入でグッズ) | 全国のROUND1 | 100店舗 |
| コラボパック/スコア演出/スコア登録 | ボウリング | 98店舗 |
| プリント機「Rism」特別フレーム | 設置店 | 98店舗 |
| コラボパック | カラオケ | 93店舗 |
| コラボパック | ダーツ | 75店舗 |
| コラボパック | スポッチャ | 55店舗 |
| コラボパック | ビリヤード | 47店舗 |
| グッズ・カプセルトイ販売 | 仙台泉/池袋/さいか屋横須賀/千日前 | 4店舗 |
| コラボルーム | 池袋店 | 1店舗 |
ボウリングはほぼ全店に届くのに対し、ビリヤードは半分に満たない。グッズ販売は4店舗で、リリースもこの4店舗以外では販売しないと念を押している。ひとつの名称で全国へ告知しながら、店舗によって手に入る物が違う。
この難しさはリリースの書き方にも出ている。コラボパックは業態ごとに店舗数を並べているのに、コラボメニューのほうは「ボウリングとカラオケ、スポッチャ、ビリヤード、ダーツ93店舗」とひとまとめで、数がどこへ掛かるのか読み取りにくい。多拠点で打つなら、告知文とは別に店舗別の可否表を先に用意しておきたい。現場の問い合わせ量が変わる。
主催者と各媒体は、どこを前に出したか
主催のラウンドワンジャパンは、ボウリング演出について「演出は前半・後半で内容が切り替わりますので、期間を通して異なる演出をお楽しみいただけます」とリリースへ書いている。配布物だけでなく店内の映像まで期間で替えると宣言した一文で、再訪を前提に組んだことがここに出ている。
媒体側の切り口は割れた。アニメ!アニメ!は7月20日の記事で描き下ろしグッズを軸に据え、後半のカードがミニキャラ版である点を紹介した。女性向けアニメ情報サイトにじめんは、アイや有馬かなを含む6人の描き下ろしという構成そのものを見出しに立てている。同じリリースでも、読者が誰かで前へ出る要素が入れ替わる。自社の資料も、どこを抜かれて成立するか確かめておきたい。
告知の窓口設計も独特だ。ラウンドワンはコラボ専用のXアカウント「【公式】ラウンドワンライブ&コラボ」を運用し、先に日付だけを出して詳細を後から流す。KING OF PRISMコラボでも、開始日と開始時刻を告げたうえで内容は後日発表とした。一次告知で日程を押さえ、二次告知で中身を出す二段構えだ。
切り替えコストをどこへ置くか——真似るための分解
自社へ持ち込むなら、「何を替えて何を替えないか」の線引きが先に来る。
替わっているのは、注文特典の品目、コラボパック特典の絵柄、スコアモニターの映像。替わっていないのは、キャンペーン名、対象店舗の枠組み、特設サイトのURL、クレーンゲームの500円という条件、グッズ販売の4店舗。入手条件と導線を固定し、出口の物だけを差し替えている。条件へ手を入れるとレジ設定もスタッフ教育も掲示物も作り直しになる。動かさない判断には筋が通る。
仕様を固定して絵柄だけ替えるほうが安い
2系統の替え方は、原価の性格が違う。クリアチケットとホログラムコースターは形状も加工も別物で、抜き型から用意し直す。対してコラボパックのカードはA5のままミニキャラ版へ絵柄を差し替えるだけなので、印刷データの入れ替えで済む。予算が限られるなら後者を軸に、目立たせたい1品目だけ形状を変える。
等分は在庫の読みも楽にする
49日と45日という配分は、発注の面でも効く。日数がほぼ同じなら想定消化数も近い値に置ける。仮に前半30日・後半60日と割れば発注数は非対称になり、余剰と欠品の読みが難しくなる。等分は、告知の分かりやすさと在庫計画の単純さを同時に取りにいく。
2回目を知らせる手段を先に決める
前後半の差し替えは、後半の存在が伝わって初めて動く。ラウンドワンは7月10日の時点で前半と後半をまとめて公開し、後半を伏せていない。店内掲示・公式X・特設サイトという再告知の面も持つ。同じ面を持たない企業なら、前半の配布物へ後半の日程を刷り込むのが最も安い手になる。先着枠を二段階に分ける組み方は、コンビニのIP施策でも実装されている(映画ちいかわ×セブン|先着グッズを二段階、LINE応募も併走)。
金額の閾値と、行動の閾値を分けて置く
今回は閾値も2種類ある。クレーンゲームの500円は金額の閾値で、原価がそのまま配布物へ乗る。2ゲームスコア登録は「基準点以上」という行動の閾値で、追加の支払いを求めない(基準点は公表されていない)。行動の閾値は客単価を上げずに滞在時間と再訪の理由を作れ、届かなかった客に次回への未練も残す。複数の拠点を回らせる形も同じ発想だ(2店舗を回ると特製タオル、あみあみ秋葉原の周年回遊キャンペーン)。
同じ売場で、前後半差し替え型が続けて走っている
この前後半差し替えは、【推しの子】のための特別な設計ではない。KING OF PRISM 10周年コラボは2026年6月5日から9月6日までラウンドワン全店舗で開催され、前半6月5日〜7月23日にプリズムポストカード全5種、後半7月24日〜9月6日にプリズムトレーディングカード全6種をランダムで配っている。ボウリングのスコア演出も前半4種・後半4種で入れ替えたが、こちらは全国2店舗に限られる。主催は株式会社ハイ・シーズンで、【推しの子】のラウンドワンジャパン主催とは別の事業者だ(KING OF PRISM 10周年×ラウンドワン|ボウリング演出+前後半でノベルティを入れ替える全国コラボ設計)。
目を引くのは日付の重なりだ。KING OF PRISMの後半が始まった7月24日は、【推しの子】の前半が始まった日と一致する。1本を終えてから次が入るのではなく、切り替えの日が揃った形で2本が重なっている。7月27日時点で、店内では2つのIPのキャンペーンが並走している。
受注側から見ると、フォーマット化された需要を意味する。相談の単位が「ノベルティ1品目を◯万個」ではなく、「前半用と後半用の2セット、版下2種、形状は共用か別か」へ移る。切り替え日を挟んだ納品スケジュールと、前半の残数を後半へ持ち越さない配分まで提案できるかが分かれ目になる。
作品側の事情も重なる。アニメ第3期は2026年1月14日から3月25日まで放送され、第4期「Final Season」の制作は発表済みだが放送時期は未公表。新作が流れない時期に、全国の遊技施設が3か月の接触面を用意した形だ。グループ総売上1,895億円(2026年3月期実績)の事業者の売場で、主催者を替えながらこの型が続けて採られている点は、設計の再現性を示す。
実用情報:日程と条件の一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | TVアニメ【推しの子】×ROUND1 コラボキャンペーン |
| 主催 | 株式会社ラウンドワンジャパン(大阪市中央区難波) |
| 全体会期 | 2026年7月24日(金)〜10月25日(日) |
| 前半 | 7月24日(金)〜9月10日(木)/計49日間 |
| 後半 | 9月11日(金)〜10月25日(日)/計45日間 |
| コラボメニュー特典 | 前半:クリアチケット/後半:ホログラムコースター |
| コラボパック特典 | ホログラムA5イラストカード(後半はミニキャラ版と各媒体が紹介) |
| クレーンゲーム | 全国100店舗。対象機へ500円投入でもれなくグッズ |
| ボウリング演出 | 98店舗。スコア表示モニターが前半・後半で別の演出に |
| スコア登録 | 98店舗。2ゲームスコアが基準点以上でA5クリアファイル |
| コラボルーム | 池袋店。7月24日朝10:00開始。電話03-5928-0222またはWEBで予約 |
| グッズ・カプセルトイ | 仙台泉店・池袋店・さいか屋横須賀店・千日前店の4店舗のみ |
| Rism特別フレーム | 98店舗。コラボパック利用で専用コインを進呈 |
| SNS施策 | 公式X「ラウンドワンライブ&コラボ」のフォロー&リポスト |
まとめ:次の企画で試せる3手
会期を折って特典を差し替える手は、規模がなくても成立する。条件と導線を固定して出口だけを替える、期間を等分に近づけて在庫の読みを単純にする、後半の存在を前半のうちに伝え切る。要点はこの3つだ。
次の企画で動かす順序はこうなる。まず会期を2つに割った前提で、形状を替える案と絵柄だけ替える案の2本立てで見積もりを取る。次に店舗別・業態別の可否表を作り、告知文と分けて現場へ配る。そして前半の配布物へ後半の開始日を刷り込み、再告知の手間を配布へ肩代わりさせる。
観察の機会も残る。切り替えは9月10日と9月11日の境目に起きる。近くのラウンドワンで掲示物がいつ入れ替わり、スタッフの案内がどう変わるかを両日に見ておけば、自社の切り替え当日の予行になる。3か月を1回で終わらせない設計は、この1日の運用が支えている。
参照元:PR TIMES(株式会社ラウンドワンジャパン)/アニメ!アニメ!/超!アニメディア/にじめん/ROUND1 コラボ特設サイト/PR TIMES(KING OF PRISM×ラウンドワン)/ラウンドワン 採用サイト「数字で分かるROUND1」/Wikipedia「【推しの子】(アニメ)」
最終更新:2026.07.28
