ゼブラの油性マーカー「ハイマッキー」が、シナモロールやクロミなどサンリオキャラクター7種の絵柄をまとった8色コレクションになり、渋谷のRAYARD MIYASHITA PARK South 2F吹き抜け広場で2026年8月24日から30日まで販売される。1本220円という文具そのままの価格を主役に置き、そこへ660円の色選びセットと3,000円のマグネット特典を重ねた設計は、来場者に自然と本数を積ませる。単価の低い定番品を扱う販促担当者ほど、この積み上げ方から学べる点が多い。
ゼブラの定番マーカーが1本220円のコレクション商材に変わった
今回の主役はグッズではなく、日用の文具そのものだ。「ハイマッキー 限定 サンリオ」は黒・青・赤・緑・黄・茶・ピンク・紫の全8色で、価格は1本220円(税込)。会場ではハイマッキーの公式キャラクター「Hi! Mckee」のグリーティングや、発売から半世紀を数えるブランドヒストリーの展示も並ぶ。マーカーの用途は変わらないのに、色ごとにサンリオの誰かが割り当てられた瞬間、実用品が集める対象へと役割を移す。
この転換の効きどころは価格にある。フィギュアやぬいぐるみと違い、220円は財布の中身を気にせず手が伸びる金額だ。推しキャラの1色だけを買って帰ることもできるし、色をそろえたくなれば8本まで欲しくなる。300円前後の低単価でキャラの面数を並べて数を取りにいく発想は、サンリオが8月に300円中心のガシャポンで面を取った施策とも重なる。安さは衝動を呼び、キャラの多さが買い足しを呼ぶ。
660円「3色バイキング」が客に選ぶ手間を渡して単価を上げる
会場では8色から好きな3色を選び、専用ケースに詰めて持ち帰る「ハイマッキーバイキング」を用意する。価格は1セット660円(税込、税抜600円)。1本ずつ買えば660円だが、セットにするとケースという入れ物が付き、色を選ぶ体験そのものが商品になる。
ここで担当者が見るべきは、選ばせる行為が単価を押し上げている点だ。「1本だけ」と決めていた客も、3色枠を前にすると3本目まで埋めたくなる。指定の点数を買えば好きな1個を選べる形は、菓子3点で好きな1個を選ばせたローソンの各店15個設計と同じ心理を突く。選択肢を渡すほど、客は自分で買う理由を作ってくれる。
3,000円のアクリルマグネットが「あと数本」の買い足しラインを引く
税込3,000円以上を買うと「Hi! Mckee アクリルマグネット」がもらえる。220円の商材でこの金額に届かせる設計が、客単価を静かに引き上げる。実際に何本必要になるかを並べると、購入の重心がどこに寄るかが見える。
| 買い方 | 単価 | 3,000円到達までの目安 |
|---|---|---|
| 単色ハイマッキー | 220円 | 14本(3,080円) |
| 3色バイキング | 660円/セット | 5セット=15本(3,300円) |
| 単色13本+バイキング1 | 混在 | 2,860円+660円で到達 |
金額は税込。到達本数は3,000円以上のマグネット条件から逆算した目安。
推しキャラ1色で満足していた客が、マグネットを視野に入れた途端に2色目3色目へ動く。3,000円という線は、8色そろえたい心理とちょうど噛み合う高さに置かれている。上限を1個に絞って客単価だけを引き上げる考え方は、不二家が3,000円以上でペコちゃんタイマーを配った閾値設計と同じ骨格だ。
会期7日間・宮下パークの吹き抜けに置いた理由
会場は宮下パークSouth 2Fの吹き抜け広場で、会期は8月24日から30日までの7日間に絞られている。屋根のある回遊動線に面した広場は、買い物や食事のついでに立ち寄る人を拾いやすい。閉じた期間と開けた立地の組み合わせが、「今この場所でしか買えない」と「たまたま通りかかった」を同時に満たす。
7日間という短さも、限定感を作りながら在庫を売り切る現実的な長さだ。文具は消耗品ゆえに在庫が残っても腐らないが、会期を絞ることで来場の締め切りを作り、初速で本数をさばく。定番品を扱うブランドが期間限定の場を借りて売るとき、この会期と立地の握り方はそのまま自社に移せる。
自社の定番商品を積ませる棚に変える手順
- 主役は新規開発品でなく、既にある定番品でよい。色やパッケージにキャラ資産を1点だけ載せて集める対象に変える。
- 単品価格は手が伸びる水準に置き、その上に「選べるセット」を1段重ねて単価を作る。
- 特典の閾値は単品10〜15点分に設定し、あと数点で届く距離感で買い足しを促す。
- 会期は7日前後で締め切りを作り、回遊動線に面した場所でついで来店を拾う。
- 会期後の受け皿を先に用意する。売り切れや遠方客の取りこぼしをECや後日販売で回収する導線を決めておく。
ハイマッキーの一件は、220円という日常価格を起点に、色を選ばせ、3,000円で締めるという三段の積み上げで成り立っている。高価なグッズを作らなくても、手元の定番品にキャラを1点重ね、価格の段差を用意するだけで購入点数は積める。次の販促で新規アイテムの開発に迷ったら、まず自社の売れ筋を「集めたくなる棚」に組み替えられないかを先に検討したい。
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最終更新:2026.08.25
