パペットスンスンが、サウナグッズ専業ブランドSAUVENIRとセレクトショップFREAK’S STOREと組んだコラボアイテムを8月21日に発売した。全16型のうち、店頭で買った人だけがサウナ用ハンドミラーを受け取れる建て付けで、オンラインストアDaytona Parkでの購入はノベルティ配布の対象外に置いた。買い物がオンラインで完結する時代に、特典を来店に寄せた判断は、実店舗を持つ販促担当者がそのまま自社に移せる。
SAUVENIRを噛ませ、キャラ雑貨を「サウナ文化のグッズ」に組み替えた
スンスンはSNS発の三姉弟キャラで、幅広い年代にファンを持つ。今回の企画が普通のキャラプリント商品と違うのは、あいだにSAUVENIRを挟んだ点にある。SAUVENIRはSAUNA(サウナ)とSOUVENIR(土産)をかけ合わせた東京発のブランドで、サウナハットやサウナマットまで自社で作る。この文脈を借りることで、Tシャツや雑貨がキャラのグッズではなく、サウナ好きが日常で使うアイテムに置き換わる。
16型で価格は3,630円から7,480円。キャラ景品より一段高いのは、機能を持たせたウェアと雑貨だからだ。三者それぞれの役割分担は、同じFREAK’S STOREが7月31日に出したアルクマとヨーグレットの三者コラボと同じ考え方で、キャラのファン層・ブランドの世界観・店の販路を一本に束ねている。単独のキャラでは届きにくい層を、ニッチなブランドの引力で引き込む狙いだ。FREAK’S STOREはアウトドアやライフスタイル寄りの客を抱えており、サウナという趣味は店の客層と重なりが大きい。誰でも知るキャラを、店の得意な文脈へ着地させたところに配役の巧さがある。
店頭購入者だけにミラー、Daytona Parkを外して来店を優遇した
ノベルティは「サウナあとに身だしなみをチェックできるハンドミラー」で、FREAK’S STORE店舗でコラボ商品を買った人が対象。数量限定で、なくなり次第終了とした。同じ商品はオンラインのDaytona Parkでも買えるが、そちらでの購入者は配布対象から外れる。3,630円以上の商品を買った客に一点渡す設計なので、ミラーの原価は客単価に対して十分に吸収できる。ここでシールやカードのような小物ではなく、持ち歩ける鏡を選んだ判断が後々まで効く。
ここが設計の肝になる。しまむらのクロミ&キティ企画は店舗を11日・ECを15時と時間差にして来店動機を作ったが、今回は時間差ではなく、EC購入を特典から丸ごと外した。逆にケンタッキーがウマ娘特典をネットオーダー限定にした例はオンラインへ誘導する反対の設計で、どちらもチャネルを絞ることで来てほしい場所に客を寄せている。ミラーがサウナという文脈に沿った実用品である点も効いている。もらって終わりの箔押しカードと違い、サウナに持ち込んで使うたびにブランドを思い出す。
取扱なし店舗を先に公開し、来店の空振りを防いだ
コラボを扱うのは全国のFREAK’S STORE約30店舗で、渋谷や京都、ルミネ・パルコ系など複数の店舗を取扱なしとして名指しで告知した。特典を店頭に絞ると、客は「どこで買えるのか」を先に知りたがる。除外店を後出しにすると、足を運んだ先で在庫がなく、来店体験がそのまま不満に変わる。配布条件と同じ熱量で取扱店・除外店を出しておく運用は、店頭誘導型の販促では欠かせない。
自社の販促に移すときの分解点
- 特典の実用性を商品テーマにそろえる。サウナ企画ならミラーやタオルのように、使う場面が商品と地続きのものを選ぶと保持率が上がる。
- チャネルを絞る目的を先に決める。来店を増やしたいなら店頭限定、会員データを取りたいならオンライン限定と、狙いでチャネルを出し分ける。
- 取扱店と除外店を発売前に出す。約30店舗規模なら、都市名や商業施設名まで具体に書くと来店の無駄足が減る。
- ニッチブランドを一社挟む。単独キャラでは動きにくい客層を、世界観のはっきりしたブランドが連れてくる。自社の客層と趣味が重なる相手を選ぶと、コラボが浮かずに定着する。
8月21日の店頭限定という一手が残したもの
スンスン×SAUVENIR×FREAK’S STOREは、16型の商品を売りながら、ハンドミラーひとつで来店を選ばせた。オンラインで同じ商品が買えるのに特典を店頭に寄せたのは、店に来た人との接点をブランド側が価値だと判断したからだ。自社で似た施策を組むなら、まず「特典で客をどこへ動かしたいか」を一行で書き出し、その一行に沿ってチャネルと配布条件を決めるところから始めたい。商品と無関係なグッズを配るより、テーマに沿った実用品を一点だけ絞る方が、配布後も長く効く。
参照元
最終更新:2026.08.25
